ビジネス変化に柔軟に対応するための"アジャイルによる企業変革"とは?

[2019/01/08 10:00]齋藤公二 ブックマーク ブックマーク

ソリューション

改革を成功させる「5つの施策」

続けて片山氏は、アジャイル・トランスフォーメーションを成功させる5つの施策について説明した。5つの施策は、それぞれアジャイルに取り組むなかで直面する次の「5つの課題」を解消するものとなる。

  • 人材の問題:やれる人がいない/足りない
  • 開発標準の問題:やり方がわからない/既存のルール
  • 予算策定プロセスの問題:従来の方法ではアジャイル案件の予算が策定できない
  • 開発環境の問題:開発からデリバリまで迅速に実施できる環境がない
  • 組織の意思決定の問題:機敏かつ柔軟な意思決定ができない

これらに対して挙げられたのが、以下の施策だ。

  • 施策1:開発標準の整備/運用でアジャイル開発の実践を後押しする
  • 施策2:人材活用/育成の仕組みをつくる
  • 施策3:アジャイル開発用の開発環境を整備する
  • 施策4:予算策定プロセスの選択肢を柔軟にする
  • 施策5:意思決定が機敏かつ柔軟な組織体制に移行する

施策1では、「既存のウォーターフォール標準しか想定していないためにアジャイル開発できない」という課題に対し、「既存のウォーターフォール標準に合わせる」「アジャイル向け簡易標準を用意する」「例外規定を設ける」と順を追って取り組む。取り組みが進んだら、アジャイル開発の経験者の意見を反映して使えるアジャイル開発標準をつくり、随時更新することが重要だ。

施策2では、まずIT組織横断的に人を招集してパイロット・チームを編成(Center of Exelence:COEの設置)し、社外の専門家をコーチとして招く。定着段階では、他のIT部門メンバーをCOEにローテーションで配属。COEを学びの場として活用する。

人材活用・育成の仕組みをつくる/出典:ガートナー(2018年11月)

続く施策3のポイントとして、片山氏は「開発支援ツール/自動化ツールの活用」「クラウド上の開発環境の利用」を挙げた。そのためにも、必要な開発環境を整備や新たなコミュニケーションツールの活用、アジャイル型のプロジェクト管理手法の導入などが重要だとした。

施策4では、期限と人数を固定しできる範囲で実施することや、従来の予算の立て方に加え部署(チーム)単位の予算設定も活用することがポイントとなる。また、施策5に関しては、従来のようなビジネス部門/機能部門/IT部門などと別れた組織ではなく、プロダクトごとにチームを構成する組織体制に移行することが重要だとした。

片山氏はこうしたアジャイル開発を実践している企業として、ソフトバンク、大日本印刷、三菱UFJ銀行、アクサ生命の4社を事例を紹介。4社が共通して取り組んでいるのは人材の育成であり、「アジャイル開発では人材育成は欠かせない取り組みだと考えてください」と強調し、次のようにまとめて講演を締めくくった。

「まずは、アジャイル開発が組織内で当たり前になるまでのロードマップを描くことが求められます。推進する上では、5つの施策をアジャイル・トランスフォーメーションの3つの通過点(開始、横展開、全社定着)に合わせて実行してください。アジャイル・トランスフォーメーションを完遂するためには、組織全体の危機意識を持続させることが重要です」

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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