AIの「理想と現実」を理解してより実用的なチャットボット活用を - NTTドコモ小林氏

[2018/02/22 06:00]小池 晃臣 ブックマーク ブックマーク

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AIがビジネスをどう進化させるのかをテーマとしたイベント「THE AI 2018」が六本木アカデミヒルズで1月31日に開催され、NTTドコモ イノベーション統括部 クラウドソリューション担当の小林拓也氏は、「チャットボットの今と今後の可能性について」というテーマで登壇。

自社の活用事例を通して、チャットボットの現状を紹介するとともに、チャットボットと他の技術と組み合わせた今後の展開について言及した。同氏は現在、NTTドコモが提供するチャットボット作成・実行プラットフォームである「Repl-AI」のチームリーダを務めている。

ドコモがチャットボットに取り組む理由とは

NTTドコモ イノベーション統括部 クラウドソリューション担当の小林拓也氏

まず、NTTドコモがなぜチャットボットに取り組むのかについて語る前に、小林氏はコミュニケーション環境が変化しつつある現状について説明した。

「ユーザーのコミュニケーションの導線は電話やメールからチャットへと移行し始めている。そのため海外でもメッセンジャーアプリがよく使われるようになっており、ビジネスシーンにおけるコミュニケーションにおいても、チャットでのコミュニケーションが増えてきている」と話す。

では、チャットを用いてサポートツールの良さはどこにあるのだろうか。

まず挙げられるのが、ユーザーからのアクションをすぐに補足してレスポンスできる即時性である。そしてそれ以外にも、匿名性や気軽さ、記録性の高さなどといったメリットがチャットにはある。

これらの理由から、NTTドコモではオペレーター業務の支援を目的にチャットボットへ取り組んでいるという。

コールセンターなどのオペレーターの作業の一部をチャットボットが代替することで、コスト的な側面を含めた効率化が期待できるという。

小林氏は、「具体的には、ユーザーサイドのフロント部分にチャットボットを1入れて、あらかじめ条件をヒアリングしておいたうえでオペレーターにつなぐようにする、もしくはチャットボットのみでも回答できるのであればそのまま答えるなど、オペレーターの業務を支援できるだろう」と話す。

理由の2つ目は、同社がチャットボットに対応するための技術を有することだ。NTTドコモでは、かなり前から、スマートフォンの中のキャラクターに話しかけると意図を理解する音声エージェント「しゃべってコンジェル」といった自社サービスを提供しており、自然対話技術のノウハウが蓄積しているという。

しゃべってコンジェルは、例えば「渋谷から代々木」という話しかけに対して「乗換案内」と判定するなど、入力テキストの意味を判定する意図解釈が可能となっている。ほかにも、事前に設定したルールに従って対話を行うシナリオ対話技術や、一問一答で質問への回答を行う知識Q&Aの技術が生かされているのが特徴だ。知識Q&Aでは、データベースと検索とを組み合わせ、機械学習によりもっとも確からしい回答を導き出せる。

ドコモの自然対話技術

チャットボットを実現する2つの技術、「機械学習型」と「ルール型」

続けて小林氏は、チャットボットの現状について言及した。チャットボットを実現する技術は、大きく「機械学習型」と「ルール型」に分けることができ、両社を組み合わせたハイブリッドで実現されることもある。

このうち機械学習型は、大量の対話データから機会が自動で学ぶことがきでき、汎用的な会話に対応可能だ。しかしその反面、予期せぬ返答をすることもある。現状エンターテインメント領域での利用が多いのがこちらのタイプだ。

一方のルール型は、事前登録したルールに従い回答を行うもので、汎用的な会話には向かないが、予期せぬ返答をすることがない。そのため、実務での利用が多い。

「それぞれの技術にメリットとデメリットがあるので、それぞれを組合せながら実現するのが多いようだ」と小林氏は話す。

しかしながら、機械学習(のディープラーニング)の「自然言語への適応はまだ先と予測される」と述べた。

チャットボットを実現する技術は、「機械学習型」と「ルール型」に分類できる

「エンターテインメントで使えば面白い回答をしてくれるが、実用するとなるとまだ少し怖いというのが正直なところ。なので、チャットボットに関しては、ルール型をベースとしながら機械学習で補うというアプローチが社内では主流になっている」と小林氏は話す。

自然対話への機械学習の導入に当たっては、意図の解釈や品詞の判定などに機械学習を用い、対話の流れはルールで制御するというアプローチとなる。

例えば、「私は小林です」という入力に対しては、機械学習による意図解釈の判定はなしに「小林」を人名として抽出。そして「小林に行きたい」という入力に対しては、機械学習での意図解釈で乗換案内と判定し、「小林」を地名として抽出するといった方法である。

自然対話への機械学習の導入

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