10月31日~11月2日にかけてガートナー ジャパンが開催した年次カンファレンス「Gartner Symposium/ITxpo 2017」。本稿では、同カンファレンスにおいて「三井住友カードが考える、加速するデジタルトランスフォーメーションに必要なシステム課題と必要人材とは?」と題された講演の内容から、三井住友カードが社会環境の変化をどう捉え、デジタル変革を実現するための組織の整備と人材育成に取り組んでいるかを紹介する。
将来の開発要求を見据えたバイモーダルへの挑戦
講演者は、三井住友カード 専務執行役員 システム本部長 兼 三井住友フィナンシャルグループ 常務執行役員副CIO 森陽一氏。進行は、ガートナー エグゼクティブ プログラム バイスプレジデント 兼 エグゼクティブ パートナー 重富俊二氏が務めた。
重富氏は冒頭、「デジタル変革は企業にとって重要な課題ですが、成功の鍵を握るのが『人』です。三井住友カードではこの問題に真摯に取り組んでいます」とゲストに森氏を迎えた理由を説明した。
まず森氏は、社会環境の変化に伴い、顧客のデジタル化が進んできたことに言及し、2016年9月にローンチしたWebサイト「ココイコ! 」の開発経緯を語った。同サイトは、カード会員の属性データやカードの利用データ、スマートフォンの位置情報などに基づき、会員一人一人にタイムリーな情報の提供を行うものだ。
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三井住友カード 専務執行役員 システム本部長 兼 三井住友フィナンシャルグループ 常務執行役員副CIO 森陽一氏 |
これを実現するには、顧客重視のスピード感と柔軟性が重要になる。従来のようにIT部門が主導するウォーターフォール型の開発では時間がかかりすぎるという懸念から、「ココイコ! の開発はビジネス部門主導のアジャイルでやろう。(従来型の開発である)『モード1』と(俊敏性を重視する)『モード2』の両方の開発手法を運用するバイモーダルでなければいけない」という結論に至ったと森氏は当時を振り返る。
会員のデータベースは勘定系にあり、マーケティングで使うデータは情報系にある。森氏によれば、勘定系のデータベースから情報系のデータを作るのはモード1、会員との接点になるフロントのシステムはSalesforceを使っており、情報系からデータを取り出すのはモード2と、情報系がモード1とモード2の境界になるシステムアーキテクチャだという。そのほかにも、ポイントの有効期限など活用できるデータは多い。
「今後も柔軟かつ迅速にリリースしないといけない開発要求が増えると予想し、アジャイルの採用に踏み切りました」(森氏)
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