日本でプロゲーマーを育てるには? 国内e-Sportsの未来が秘めるポテンシャル

[2017/10/02 08:00]山田井ユウキ ブックマーク ブックマーク

資金、認知、後進の育成……e-Sports普及に向けた課題

プレゼンテーション後のパネルディスカッションでは、まず「最優先でやるべきこと」として浜村氏が「食えるようにしてあげること」を挙げ、これに梅崎氏も賛同。「海外の選手はゲームだけやっていればよいですが、日本のプレーヤーはアルバイトや仕事をしながらの競技生活です。そうなると、練習時間にも差が出てきます」と嘆く。

そのための資金源としては、やはりスポンサー企業が大きな存在となるが、筧氏によると「まだ日本ではスポンサーの熱はそれほど高まっていない」という。一方、「学生の間ではe-Sportsはメインコンテンツになりつつあるので、若い人にアピールする企業は支援してくれるのでは」(筧氏)と今後に期待を寄せた。

スポンサーの注目を集めるためには、浜村氏がプレゼンテーションで例として挙げた野球のように、キラーコンテンツとして人気を博すことが必要だ。しかし、メディアが多様化した現代では、かつてのテレビにおける野球のようなキラーコンテンツが生み出しにくくなっているのではないか。

この点について浜村氏は、「一般層が見てくれるようになるまでのハードルは高い」としながらも、「アジア大会やオリンピックなどの国際大会がカギになる」と持論を述べる。

「例えばボルダリングにしても、オリンピックの種目になってから選手が注目を集めるようになり、それまで興味のなかった人も見始めました。e-Sportsも日本人選手が国際大会で金メダルを取るくらいになれば、上の世代も興味を持つのではないでしょうか」(浜村氏)

これに対し、夏野氏が「社会に根付かせるためには、教育にもゲームやプログラミングを取り込むべきではないか」と提案。

筧氏によると、実際にノルウェーやスウェーデンなどではe-Sportsを科目として教えている学校もあるという。また、2009年には中国も国家事業としてe-Sportsをスポーツ科目に認定しており、大学でe-Sports科も誕生する予定だ。

今のところ日本はそこまでの状況には至っていないが、「ゲームでいろんなことを学んだ人は多い。親世代もゲームをするようになっているので、教育への導入も無理ではないかも」(浜村氏)とのことだ。

パネルディスカッション後の質疑応答では、客席にいたコーエーテクモホールディングスのシブサワ・コウこと襟川陽一氏から「日本はスマートフォンからゲームに入るトレンドがあるが、それはe-Sportsとしてどうなのか」という質問が投げかけられた。

これに浜村氏は「国によって流行っているソフトやハードは違うので、日本ではモバイルのe-Sportsが流行る可能性は十分にある」、筧氏は「e-Sportsを標榜しているタイトルはいくつかあり、『シャドウバース』などは全国で大会が開催されている。それらが集まって日本のe-Sports文化を作っていくのでは」と回答した。

また、スマートフォンゲームのプロも何名か抱えているというDetonatioN Gamingの梅崎氏は「スマホはいつでも気軽に遊べるし、大会を開催するにしてもデバイスがあればいい。日本のe-Sportsでは重要なポジションになるかもしれない」と見解を示した。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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