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第二のシリコンバレー!? イスラエルのスタートアップがすごい理由

[2018/01/22 10:15]伊藤正子 ブックマーク ブックマーク

ハイテクスタートアップと日本企業の関係

優秀なハイテク人材の宝庫とも言えるイスラエルだが、弱みもある。国自体が小さいため、ターゲット市場は主に国外となるが、物理的な距離の問題からニーズを把握しづらい。また、技術寄りの思想が強く、「ビジネスが弱い」(ゴラン氏)のだ。日本市場に関心はあっても、アジアでの経験やノウハウ、人脈がなく、ローカライゼーションに対する意識も低いという。

また、日本とのビジネスを考えた場合、コミュニケーション上の問題もある。

「イスラエルの人々は、議論好きで曖昧さのない直球型のコミュニケーションを好みます。感情をあまり表に出さず、争いを好まない傾向にある日本人とは完全に気質が違います」(平戸氏)

ゴラン氏も「イスラエルでは上下関係がなく、たとえ首相が相手だとしても直球でモノを言います。日本的には失礼に見えるかもしれません」と同意する。多くの日本企業は買収先をコントロールしたがるが、イスラエルのスタートアップは我が道を行こうとするし、スピーディに物事を進めるスタートアップに対し、日本企業は稟議1つ通すのにも時間がかかるといった違いもある。

だが、「日本とは対局的だからこそ、相互に補完することができる」というのが平戸氏の見解だ。アプローチは違っても、イスラエル人は情に厚く、日本人に似ているところもあるのだという。

とは言え、認識のズレやコミュニケーションギャップから、法的な問題にまで発展するケースも少なくない。ジャコーレへの「イスラエルから日本に進出したい」「(自社の製品・サービスを)販売してほしい」という依頼のきっかけは、もめ事の相談から始まっていることも多いのだという。問題の解決をサポートした後、ビジネスが軌道に乗るまで日本のカントリーマネジャー代行などを引き受けるケースもある。

一方、日本企業には、イスラエル企業への投資支援やポートフォリオ管理、ビジネスメイキングといったサービスを提供している。

「データ化・デジタル化によって、これまでとは違うビジネスチャンスが生まれています。例えば、自動車会社ではなく、まったく違う業種の企業が自動運転関連技術に関心を抱くといった具合です。固定観念にとらわれず、『これはこう使えるのではないか』という発想が必要になります」(平戸氏)

日本は現在、イスラエルとの経済連携強化に向けた取り組みを進めており、2017年5月には「日イスラエルイノベーションネットワーク(JIIN:Japan Israel Innovation Network)」の設置が両国で合意されている。これは、両国の企業の交流やビジネス情報共有を加速することを目的としたものだ。”場”は徐々に整い始めている。

既にイスラエルには、米国の大手企業が入り込み始めており、サービス公開前後のスタートアップへの投資は、激戦になりつつあるという。お互いのニーズがマッチしている日本とイスラエル。商習慣や文化的側面などのすれ違いを解消し、新しい波は生まれるのだろうか。今後の動きに注目したい。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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