デジタルによる破壊的創造はピンチか、チャンスか? 鍵を握るのは「AI」

[2017/03/24 15:55]山田井ユウキ ブックマーク ブックマーク

MGMリゾーツがゼロベースで修正したマーケティング計画

ここで、イーマン氏はエストラダ氏にバトンを渡す。

エストラダ氏がメディア担当バイスプレジデントを務めるMGMリゾーツは、世界中に多数のリゾートホテルを展開する大企業だが、これまでは同じグループ内のホテルや飲食店同士で競合し合う状況が続いていたという。

そこでエストラダ氏は、あらためて各ブランドを調査。その結果、各ブランドが個別に予算を組んでおり、75以上のメディアプランと5社の異なるメディアエージェンシーを採用していたことがわかった。

これを見直し、ゼロベースで計画を修正した。75%の予算をデジタルにかけることにして、パートナー企業を探した。結果、同社が選んだのがAdobe Marketing Cloudだった。

「Adobe Marketing CloudはJourneyの段階に合わせて、お客さまごとに異なるクリエイティブを見せることができます。広告にしても、以前はほかの会社を入れると45%の手数料を取られ、しかも実施までに2週間を要していましたが、今は自身で行うことができるようになりました」(エストラダ氏)

結果として「コストは6割減少し、リアルタイムでキャンペーンを実施できた」とエストラダ氏は語る。

MGMリゾーツ・インターナショナル メディア担当 バイスプレジデント メーガン・エストラダ氏

また、デジタルを活用することでエクスペリエンスを向上させることもできた。

例えば、顧客は同社が運営するホテルにスマホでチェックインできるし、荷物だけ預けておいて外に出る場合は、部屋の準備が整ったかどうかがスマホに通知されるのだ。

重要なのは「全てがダイナミックになったこと」(エストラダ氏)だ。

「ダイナミックになり、レスポンスが良くなった。お客さまもそれを期待している」

また、SNSや電子メールでのアプローチも、よりパーソナライズされたものになった。まだホテルに泊まったことがない顧客には長文コンテンツで魅力を伝え、すでにMGMに滞在する予定の顧客には頻繁にメッセージを送ることで次の行動を誘引するのだ。

氏によれば、こうした取り組みによってホテルへの信頼度が高まり、売り上げも30%向上したという。

MGMリゾーツの経営が劇的な改善を見せた要因の1つに、マーケティングの見直しがあったことは間違いないだろう。

「デジタルチャネルの充実」と「顧客の行動分析」、「パーソナライズされたアプローチ」の3つが、今後のマーケティングの成否を分けることになりそうだ。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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