ここまで、IIS(Internet Information Service)で静的なWebコンテンツだけを扱う前提でサーバ環境の構築について解説してきたが、今回からClassic ASP(Active Server Pages)サーバーの構成に話を移す。Classic ASPを使用する場合、既定のIISインストール構成だけでは不十分で、ASPとISAPI拡張機能用のモジュールを追加する必要がある。

利用可能なバージョン

Windows Server 2012では、以下のWebアプリケーション環境を用意している。

・Classic ASP
・ASP.NET 4.5
・ASP.NET 3.5

これらは排他利用にはならないようで、ウィザードで役割と機能を追加する際に、同時に指定することもできる。

なお、ASP.NET 3.5は、ASP.NET 2~3.5 を使用して作成したWebアプリケーションを実行する際に必要になる。これを利用する場合、.NET 3.5のインストールも必要になる。

IISとASP/ASP.NETのインストール

IIS8のインストール方法はいくつかあるが、ここではWindowsのGUIを使用する方法について解説する。これ以外ではコマンドラインを使用する方法もあるが、本連載の趣旨を勘案して割愛する。なお、IISはすでにインストール済みという前提で話を進める。

  1. [サーバーマネージャー]で[ダッシュボード]を選択してから、[クイックスタート]以下にある[役割と機能の追加]をクリックする。

  2. [役割と機能の追加ウィザード]が起動する。

  3. [役割と機能の追加ウィザード]が起動する。2 画面目の[インストールの種類の選択]で、[役割ベースまたは機能ベースのインストール]を選択して、[次へ]をクリックする。

  4. 次の[インストール先サーバーの選択]画面で、[サーバー プールからサーバーを選択する]を選択する。次に、[サーバー プール]以下の一覧でコンピュータの名前(通常は操作中のコンピュータだろう)を選択して、[次へ]をクリックする。

  5. 次の[サーバーの役割の選択]画面では、利用する実行環境に応じて、以下の要領でチェックボックスをオンにする。

  6. ・ASP.NET 4.5を使用する場合 : [アプリケーション開発]ノードを展開して、その下にある[ASP.NET 4.5]チェックボックスをオンにする。[.NET拡張機能4.5]は、必要に応じてオンにする
    ・ASP.NET 3.5を使用する場合 : [アプリケーション開発]ノードを展開して、その下にある[ASP.NET 3.5]チェックボックスをオンにする。[.NET拡張機能3.5]は、必要に応じてオンにする
    ・Classic ASPを使用する場合 : [アプリケーション開発]ノードを展開して、その下にある[ASP]チェックボックスをオンにする。

  7. [次へ]をクリックする。

  8. 次の[機能の選択]画面では、利用する実行環境に応じて操作が異なる。

  9. ・ASP.NET 4.5を使用する場合 : 何もしない
    ・ASP.NET 3.5を使用する場合 : [.NET Framework 3.5 Features]ノードを展開して[.NET Framework 3.5 (.NET 2.0および3.0を含む)]チェックボックスをオンにする
    ・Classic ASPを使用する場合 : 何もしない

  10. [次へ]をクリックする。

  11. 次の[インストール オプションの確認]画面で、選択した内容を確認してから、[インストール]をクリックする。

  12. 最後に、[インストールの進行状況]画面で、必要な役割と役割サービスのインストールが行われたことを確認して、[閉じる]をクリックする。

IISの動作確認は、静的コンテンツを使用する場合と同様、Webブラウザのアドレスバーで「http://localhost」と入力して、の既定の[ようこそ]ページを表示できるかどうかで確認する。

なお、「9.」では[セキュリティ]ノードを展開して[基本認証]を追加することもできるが、これはパスワードの漏洩につながりやすい難点があるので、これを利用する際にはSSLを併用する方が望ましいとされる。そのことを考えると、Windows認証を使用する方が無難と考えられる。

なお、ASP.NETアプリケーションのインストールや実行、コンパイル関連の設定などについては、ASP.NET関連の開発に属する事項であるとの考えから、本連載では解説を割愛する。