前回、仮想環境にUbuntuデスクトップをインストールして使う方法を紹介した。仮想化支援機能をサポートしている現在のPCなら、仮想環境にほかのOSをインストールして併用するというのは実用的な選択肢だ。今回は、デスクトップLinuxを使う醍醐味の1つであるアップデートについて取り上げる。

「まとめてアップデート」が簡単便利!

デスクトップLinuxの何が便利かと言えば、システムソフトウェアからサードパーティ製ソフトウェアまで、まとめてアップデートができることだ。最近ではMacでも(アプリストア経由でインストールしたソフトウェアしか使わないのであれば)、似たようなことができる。

Windowsの場合は、システムソフトウェアとMicrosoftのソフトウェアであればWindows Updateで似たようなことができる。ただし、Microsoft以外のソフトウェアはWindows Updateの対象にはならないので、一括アップデートという点で言うとWindowsはやや弱い。今後変わっていく可能性もあるが、現状、これに関してはデスクトップLinuxのほうが便利なところだ。

ソフトウェアのアップデートは、基本的にはコマンドを使えば良いのだが、デスクトップLinuxだとその操作をアプリケーション経由で実行できる。「コマンドを覚える気はさらさらない」という方は、そうしたアプリケーションを利用すると良いだろう。

方法はいくつかあるが、ここではわかりやすい「ソフトウェアの更新」を使うやり方を紹介しよう。

「ソフトウェアの更新」を起動

アップデートの詳細を見ると、次のようにアプリケーションやシステムソフトウェアの各種パッケージがアップグレード対象としてリストアップされていることを確認できる。似たようなことは、第29回で紹介したapt(8)コマンドでも実行したので覚えている方もおられるかもしれない。

「アップデートの詳細」

「今すぐインストールする」ボタンをクリックするとすぐにアップデートが開始される。

「今すぐインストールする」ボタンをクリックするとすぐにアップデートが開始される

「詳細情報」をクリックすると、ターミナルからコマンドを実行したときと同じようにアップデートの様子が表示される。要するに基本的な仕組みは同じで、上っ面がGUIなのかCUIなのかといった点が異なるだけなのだ。

「詳細情報」で確認できるアップデート中の様子

似たようなアップデート作業は「Ubuntu Software」というアプリケーションからも実行できる。最近ではこちらのほうが想定されている方法かもしれない。

起動した「Ubuntu Software」

Ubuntu Softwareを使うと、サードパーティ製のアプリケーションを検索してインストールすることができる。基本的に、これを使えばアプリケーションのインストール・アンインストール・アップデートが実行できる仕組みになっている。タブから「更新」を選択すると、更新が用意されているアプリケーションを確認でき、アップデートも可能だ。

Ubuntu Softwareを使うと、サードパーティ製のアプリケーションをインストール・アンインストール・アップデートすることが実行できる

ソフトウェアの更新・Ubuntu Softwareのいずれでも似たようなことができるので、好みに応じて使いやすいほうを使えばよいだろう。

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Linuxはディストリビューションの数が多く、UI/UXにもさまざまなバリエーションがある。だが、最近のデスクトップ向けのLinuxディストリビューションには大体似たようなアプリケーションが用意されているので、まずはお使いのディストリビューションで探してみると良いだろう。ただし、同じディストリビューションでも、バージョンが異なると管理アプリケーションも異なることがあるので、注意されたい。