Oculus Goを199ドルで販売するFacebookの「VR/AR戦略」 - F8 2018
一方でMessengerでは、購買体験にARを組み合わせることが可能になりました。
紹介されたナイキの例では、ARでナイキのシューズを撮影すると、その商品がMessenger上で購入できるようになりました。現在はクローズドβテストであり、日本では「商品購入」の機能が提供未定であることからしばらくは利用できませんが、こちらも上陸すればユーザーにとって新たな購買体験となることでしょう。
最後に、Facebookで提供される予定の機能が「FacebookカメラAR」における3Dデータの取扱いです。Facebook上では既に、3Dモデリングデータの投稿が可能となっていますが、このデータをカメラ上でも簡単に展開できるようになります(今夏より)。
3DデータをFacebookカメラ上で簡単に利用できるようにすることは、3Dデータのユーザー間でのやり取りをより容易にし、より身近な存在へと変わっていきそうです。
VR/ARは今がチャンス?
FacebookがVR/ARに取り組む理由は、同社のミッションである「bring the world closer together(世界の繋がりを、より密接にしていく)」を体現できるものであるからと見られます。
人と人のコミュニケーションはもちろんこと、企業と人にとっても、VRにおける「没入感」やARにおける「拡張性」を感じられることは重要な要素です。
日本では、Facebookが約2800万人、Instagramも約2000万人と、LINEにこそ遠く及びませんが、多くのユーザーに利用されています。
これらの人々が楽しく、より深く利用できるようにするためには、Facebookとしても没入感や拡張性といった、現実の世界から一歩深く情報に触れられるテクノロジーを体験させることが、自分たちのサービスを使いたいと思ってもらう動機付けになると考えているのでしょう。
冒頭で触れた個人情報の流出問題は、一時的にFacebookにとってネガティブな印象を与える出来事でした。しかし、日本においてもあまり大きな報道はされなかったものの、先日発表された決算結果は好調で、ユーザーや企業からの信頼が失墜したわけではありません。
今、テクノロジー企業であるFacebookに問われているのは、これからFacebookが何をして、どうプラットフォームの価値を高めていくのか、それが各社のビジネスにどういう影響をもたらすのか、といった点でしょう。そうした方向性を示したF8 2018だったと言えます。
VR/ARは、長年数多の企業が取り組んできた領域であり、まだ「成功した」と呼べる企業は出てきていません。Facebook以外にも、Appleが「ARKit」を、Googleが「ARCore」や「Google VR」を、Microsoftが「Windows Mixed Reality」を、AWSが「Amazon Sumerian」をと、シリコンバレーの各社がしのぎを削って開発しています。
Facebookが勝つのか、ほかのプレイヤーが勝つのか。勝者を知るよしもありませんが、これらのプレイヤーが一挙にテクノロジー開発に取り組んでいる今こそ、「VR/AR」成功の分水嶺なのかもしれません。
※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。
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