コンテンツを戦略的アセットに - Boxのトップが語るデジタル変革ビジョン

[2019/07/25 10:00]冨永裕子 ブックマーク ブックマーク

クラウド

7月23日、エンタープライズ向けにコンテンツ共有とコラボレーションのためのクラウドソフトウエアを提供するBox Japanは、年次カンファレンス「Box World Tour Tokyo 2019」を開催した。来日した米Box CEO 共同創業者兼会長 アーロン・レヴィ氏は、基調講演で「コラボレーションと情報管理がデジタル変革の中核を成す」という考えを明かし、同社のビジョンについて語った。

米Box CEO 共同創業者兼会長 アーロン・レヴィ氏

進むデジタル変革 - Box社が注目する3つの変化

Box社の創業は2005年。2019年7月現在、世界中で95,000社超の顧客を抱え、日本でも4800社超がクラウドストレージ「Box」を利用しているという。そんな同社は「人と組織の働き方を変革すること」というミッションを掲げ、コラボレーションを切り口に世界中の企業のデジタル変革のサポートに取り組んでいる。

現在、デジタル変革はどの企業にとっても喫緊の課題である。2000年以降、Fortune 500社の半分がなくなった。運輸業におけるUBERや宿泊業におけるAirbnbの例を挙げるまでもなく、どの業界でも破壊的変化が進行中である。組織内に目を転じても、全ての機能組織に変革は及んでいる。

例えば、営業はさらなるコラボレーションを必要としている。マーケティングでは外部エージェンシーのようなパートナーとの協業は日常的なものであろう。人事もワークプレイスの近代化で優秀な人材を引きつけなくてはならない。R&Dも外部機関とのコラボレーションで新しいビジネス機会を探索したい。つまり、業界の変革に留まることなく、組織全体で変革が求められている。

レヴィ氏は、こうした状況のなかでBox社が注目する変化として次の3つを挙げた。

■組織の境界を越えるビジネスプロセス

社内だけでビジネスが完結することは少なく、外部パートナーへの依存度が高まっている。その結果、ビジネスプロセスは会社組織の境界を超えたものになり、エコシステムのなかでのコラボレーションが求められる場面が増えている。また、顧客とのコラボレーションも、よりシンプルなものが求められている。

■ワークスペーステクノロジーの変革

組織のなかにおける生産性向上は以前から重要なテーマだが、現在はより新しい方法で仕事をすることが求められている。いつでも、どこからでも、どのデバイスでも仕事ができる環境は、デジタル時代のビジネスオペレーションでは不可欠である。

■サイバーセキュリティリスクへの対応

リアルタイムに情報共有を行う時代にはセキュリティは非常に重要である。コンテンツを保護し、複雑化するグローバルな保護規制に準拠した形でコラボレーションを行うべきである。

従来型ECMの問題を解消するCCMの概念

従来のビジネスプロセスとデジタル時代のビジネスプロセスには大きな違いがある。従来の企業組織では、サイロ化が原因で迅速にオペレーションを展開することが難しい。一方、デジタル時代の企業組織では、迅速かつ柔軟にチームコラボレーションを行うことはもとより、社外のパートナーや顧客とのコラボレーションも必要になる。

このニーズを満たすには、組織のサイロを壊し、手作業を前提とする硬直的なビジネスプロセスの自動化を進めなくてはならない。レヴィ氏は「単にデータを保護するだけでは不十分である」と訴える。「データの流れを保護しながら、ワークフローの自動化を進めなくてはならない」というのだ。

さらに、組織のサイロ化に加えて、テクノロジーの複雑性もデジタル変革の阻害要因だとレヴィ氏は指摘する。現在、従来型のECM(Enterprise Content Management)製品やコンシューマー向けのファイル共有テクノロジーを使っている場合、それが変革の足かせになるかもしれない。ECMを放置すると、「モダンなUXを提供していない」「外部とのコラボレーション機能がない」「柔軟性に欠け、アップデートに多大なコストを要する」というのが懸念点となる。

他方、コンシューマー向けテクノロジーにも問題がある。「部門別のプロセスに適合しない」「ワークフローの自動化ができない」「高度なセキュリティやデータガバナンスを提供していない」と、エンタープライズ向けの要件を満たしていない。既存のテクノロジーに対して、Box社が提唱するのが「CCM(Cloud Content Management)」の概念である。レヴィ氏はCCMについて、コンテンツを戦略的アセットとして扱うことを重視する考え方だと説明した。

そもそも組織のなかでテクノロジーの複雑性が増大しているのは、さまざまなクラウドアプリケーションを使いながら仕事をすることが当たり前になったからである。その仕事のやり方自体は決して否定されるものではないが、複雑性を解消し、ビジネスプロセスの簡素化を実現しなくてはならない。そのためにBox社が重視するのがプラットフォームである。

Boxでは、単一のプラットフォーム上でセキュアなファイル共有、コンテンツ管理、検索、バージョン管理、ワークフロー、コラボレーション機能をオールインワンで提供している。かつそのプラットフォームでは、Office 365、Google Appsなどを含む1400超のビジネスアプリケーションや、ユーザー企業が独自に開発したビジネスアプリケーションを統合して使うことができる。

Boxの製品アーキテクチャ/出典:Box Japan

プラットフォーム上で各アプリケーションを統合することで、テクノロジー横断的にビジネスプロセスを実行することが可能になるのだ。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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