「Azure Stack Technical Preview 2」をインストールする

【連載】

プライベートクラウド検討者のための Azure Stack入門

【第11回】「Azure Stack Technical Preview 2」をインストールする

[2016/12/21 12:10]岡本 迅人、奥村 康晃 ブックマーク ブックマーク

クラウド

前回、マイクロソフト 高添 修氏よりAzure StackのGA(General Availability)までの流れとTechnical Preview 2(TP2)に関する技術情報へのリンクについて説明がありました。今回からは数回にわたり、Microsoft Azure Stack研究会にも参加しているエヌ・ティ・ティ・データ(NTTデータ)の技術メンバーが、現在検証中の内容について紹介していきます。その初回となる今回は、Azure Stack TP2のインストールの流れを解説します。

1 事前準備

今回の記事は、Azure Stack TP2を実際に手元でインストールすることが難しい方にもわかりやすいように、できるだけ細かく画面キャプチャを載せて解説していきます。

それでは、早速インストールの流れを解説していきましょう。

1-1 Azure Active Directory(Azure AD)アカウントの準備

Azure Stack TP2を利用するにはAzure ADのアカウントが必要になります(後述しますが、Azure Stack TP2のインストール時にAzure ADのアカウントを求められます)。2016年11月27日現在、以下がサポートされているアカウントになります。

Azure Stack TP2インストールに必要なAzure ADアカウント

なお、筆者の環境では既に存在する「既定のディレクトリ」のAzure ADアカウントを使用しました。Azure StackはAzure ADにてユーザー管理を行う必要があるため、Azure Stack TP2のインストール時にはMicrosoftアカウントではなく、組織アカウントを作成していることを確認してください。

筆者環境で作成したAzure ADアカウント

1-2 ハードウェアの準備

2016年11月27時点のハードウェア要件は、以下のようになっています。

Azure Stack TP2インストールに必要なハードウェア要件

本記事の執筆にあたってはDELLの「PowerEdge R630」を使用しています。以下がハードウェア構成になります。

ハードウェア     スペック
CPU 32コア/2ソケット
メモリ 256GB
ディスク 250GB HDD×2(RAID1) * 1 750GB SSD ×2(RAID1) * 3

なお、上述のハードウェア要件ではデータディスク4つの構成が必要だという記載がありますが、筆者の環境ではデータディスクは3つの構成でインストールに支障はありませんでした。

1-3 ソフトウェア準備

Azure Stack TP2環境は、ダウンロードしたWindows Server 2016ベースのVHDファイルで物理マシンを起動することになるため、Windows Server 2012 R2以降のOSでファイルのダウンロードなどの作業を始めていただいても構いません。ただ、今回は2016年10月にGAされたWindows Server 2016 Datacenter Editionをインストールしました。

2 Azure Stack TP2のインストール手順

さて、早速ではありますが、Azure Stack TP2のインストールを行います。基本的にはMicrosoft Azureのサイトにあるページ「Deploy Azure Stack POC」の説明に従って進めます。

2-1 インストール要件の確認

まずはインストールする環境がAzure Stack TP2のインストール要件を満たしているか確認します。スクリプトをMicrosoft TechNetのサイトからダウンロードし、展開・実行してエラーが出力されなければ問題ありません。

もしエラーが出力された場合はコンソールに出力されるメッセージを確認して、インストール環境のハードウェアもしくはソフトウェアが要件を満たしているかどうかを確認してください。

2-2 ブートファイルの作成

次にAzure Stack TP2をインストールするためのブートファイルを作成します。Azure Stack TP2のパッケージはMicrosoft Azureのサイトからダウンロードできます。

ダウンロードしたファイルを展開したら、展開したフォルダに移動して管理者権限で起動したPowershellで以下を実行します。


.\PrepareBootFromVHD.ps1 -CloudBuilderDiskPath C:\CloudBuilder.vhdx -ApplyUnattend -VHDLanguage ja-jp

インストール時には、以下のオプションを使用しました。

     
オプション 説明
CloudBuilderDiskPath ブートファイルを作成するパスを指定します
ApplyUnattend OSの構成からAzure Stackの構成を自動的に決定します
VHDLanguage ブートするVHDファイルの言語設定を指定します

コマンド実行後、Administratorのパスワードを入力してホストを再起動します。なお、VHDLanguageオプションに「ja-jp」を指定しましたが、筆者の環境ではホストは日本語設定で起動せず、英語設定で起動しました。

2-3 Azure Stack TP2のインストール

物理マシンのブート時に、最初に用意したWindows Server 2016とAzure Stack TP2(VHDブート)のいずれのOSで起動するかを尋ねられるので、Azure Stack TP2を選択します。ログインユーザは「Administrator」です。先の手順で入力したパスワードを利用します。

次はいよいよ、Azure Stack TP2のインストールです。Powershellを管理者権限で起動し、以下のコマンドを実行します。


cd C: \CloudDeployment\Configuration
.\InstallAzureStackPOC.ps1

ここで「事前準備」で用意したAzure ADのアカウントを入力します。入力するとAzure Stack TP2のインストールが始まります。インストールはPhase0から始まり、Phase7で完了です。どの程度までインストールが進んでいるのかは、インストール中にAzure Stackドメインの「Azure Stack Admin」でログインすると、確認することができます。

インストール途中のPowershell画面

インストールに成功した際の画面は以下になります(実は、筆者の環境ではインストールに何度か失敗しました。これについては、次回注意点をお伝えします)。

インストール完了後のPowershell画面

インストールに成功するとAzure Stack TP2にログインできるようになります。公式の手順では、「MAS-CON01にリモート接続し、そのデスクトップ上のショートカットからアクセスすること」との記載がありますが、インストールを行ったホストから直接「https://portal.azurestack.local」に対してアクセスすることも可能でした。

上記URLにアクセスすると、「https://login.microsoftonline.com」にリダイレクトされるので、「事前準備」で用意したAzure ADアカウントを入力します。

「https://portal.azurestack.local」にアクセスした後のリダイレクト画面

サインインすると、Azure Stack PortalがMicrosoft Azureのリソースにアクセスするための許可について承諾を求められます。

サインイン後のアクセス許可承諾画面

上記画面で承諾すると、Azure Stack TP2 のポータル画面が表示されます。メニュー数は異なりますが、Microsoft Azureと画面構成は同じです。

Azure Stack TP2 のポータル画面

* * *

以上、今回は、Azure Stack TP2のインストール方法について紹介しました。次回は Azure Stack TP2インストール時の注意事項や不具合時の対処法について解説します。

株式会社NTTデータ
データセンタ&クラウドサービス事業部
岡本 迅人、奥村 康晃

NTTデータで提供するiDCサービスの保守運用に携わる。また、プライベートクラウドやパブリッククラウド、ハイブリッドクラウドの構築支援を行っており幅広い技術領域に携わっている。最近では、Azure Stackの情報収集を目的にMAS研(Microsoft Azure Stack 研究会)に参加している。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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