日本の製造業が世界で戦うために - 産官学対談から見えてきた強み、そして課題

[2017/03/13 18:40]山田井ユウキ ブックマーク ブックマーク

国内製造業の「やればできること」「慣れていないこと」

「産」と「学」が連携を強化していくとして、データのモデリングやデジタライズのような欧米で生まれたコンセプトは果たして日本で受け入れられるのだろうか。

「日本人は抽象化やモデル化が苦手だと言われるが、そんなことはない」と主張するのは白坂氏だ。

慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科 白坂成功氏

「単に教えられていないだけで、教えればできるんです。なぜ教えているところがないのか、理由は論文がないから。本がないので教え方がわからないのです。米国は90年代からやっているし、ドイツはここ3年で教え始めたと言います。たった3年負けているだけですよ」(白坂氏)

これに西垣氏も同調する。

「日本の製造業の強さは現場力。現場の改善によるボトムアップ型で進んできましたが、それに対して『システム的にどう見ていくのか』という発想が現場に落とし込まれていくことに慣れていません。そこを変えることが、今後必要になってきます」(西垣氏)

経済産業省 クリエイティブ産業課長 西垣淳子氏

さらにインダストリー4.0がなかなか浸透しない理由は、ある意味においてはインダストリー4.0ができてしまっているからだとも言う。

「日本の工場では、品質改善やダウンタイムをなるべくゼロにするための施策を積極的に進めていて、これを私は『1人インダストリー4.0』と呼んでいます。インダストリー4.0では、設計からデザイン、現場、市場、アフターサービスまでが連携していくために『1つ1つの企業や工場が、外部とつながる』ということが中核にあるのですが、日本企業は強いので、自分だけでそれらを全部やってしまう。それは強みでもありますが、反面、『外部と協業する』とか、『汎用的なものは買ったほうが安い』といった考え方に慣れていないのかもしれません」(西垣氏)

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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