ブラックフライデーに沸いた2017年アプリ市場 - 相乗りアプリが世界的トレンドに?

[2018/01/25 07:30] ブックマーク ブックマーク

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データ分析

App Annie Japan代表の滝澤琢人氏

Google PlayとiOS App Storeで提供されているアプリ数は、600万本を越えている。

あらゆる業界の消費者向けビジネスで、アプリがますます重要なチャネルとなるなか、2017年は、「AR」や「ライドシェア」など、新たな分野でもアプリが活躍していた。

アプリ市場データを提供するApp Annieは、2017年を振り返る調査レポート「2017年アプリ市場総括レポート」を発表。

2017年のアプリ市場にはどのような傾向があったのだろうか。App Annie Japan代表の滝澤琢人氏のコメントを交えながら振り返ってみよう。

日本のアプリ消費支出数、2017年に130億ドルを突破!

各国の消費支出額推移

全世界における2017年のアプリダウンロード数は、2015年に比べて60%増加。ユーザー単位で換算すると、1人のユーザーが新しいアプリを毎月2本以上ダウンロードした計算になる。

また、Google Play、iOS App Store、サードパーティのAndroidストアを合計した消費支出は、2年前から2倍以上増えて860億ドルを突破した。

これは、世界の映画興行収入の195%以上の数値であり、大きな躍進を遂げていることが分かる。発展途上国におけるスマートフォンおよびアプリの力強い普及と、成熟市場におけるアプリの収益力の向上に牽引され、消費支出は今後も増えると予測されている。

日本全体で見てみると、2017年度消費支出は13億ドルを突破し、2015年度に比べて60%増加した。

App Annie Japan代表の滝澤琢人氏は「現在大きなシェアを占めるゲームが大きく伸びたことに加え、コミックやソーシャル、音楽や動画などのエンタメ系などの非ゲーム系分野も伸びた。これは、アプリが消費行動に根付いたということのあらわれだろう」と分析している。

フィンテックアプリの普及が進む

平均月間アクティブユーザー数の推移

モバイルがチャネルとして存在感を増したことで、モバイルに特化したフィンテックサービスの影響力が拡大した。

便利で使いやすいサービスを提供することは、銀行にとって大きな課題となっているが、フィンテック業者はすでにアプリを通じてこれを実現している。

口座情報の集約、決済、投資などのサービスをカバーするほか、Appleも「iMessages」「Siri」「Apple Pay」アプリなどを通じて、利用可能な個人間送金サービスを開始した。

App Annieでは「こうしたフィンテック業者の集合が、フルサービス型のリテールバンクを脅かす存在となっている。フィンテック業者が提供するサービスはいずれ業界標準となり、対応の遅いリテールバンクは取り残されることになだろう」と分析している。

Lloyds Banking Groupのモバイルインサイトストラテジー責任者であるマーティン・ローバトム氏は、「Lloydsにとって、アプリは変化する顧客のニーズに対応するための戦略的資産であり、よりパーソナライズされた適切なバンキング体験の提供を可能にするものと位置付けた。ゆくゆくは、あらゆる取り組みをモバイルファーストにしたいと考えている」と、さらにフィンテックに取り組んでいくと述べた。

仮想通貨が話題になり、仮想通貨に関連するアプリも成長

人気仮想通貨アプリの月間アクティブユーザー数とビットコインの価格

仮想通貨市場が盛り上がるにつれて、関連するアプリの利用が急増している。仮想通貨をいつでもどこでも監視、保管、売買できるこの種のアプリは、仮想通貨の価格と消費者の熱狂の高まりに合わせて急速にユーザーを獲得した。

App Annieの滝澤氏は、「仮想通貨は日本の取引量が多いこともあり、2017 年を通してニュースを賑わせた。仮想通貨の取引においては、手軽に素早く価格をチェックし、取引を行うというニーズが強く、ユーザーの間では、アプリが使いやすいかどうかが取引所選びの1つの基準にもなっているようだ」と述べた。

Instagram、戦略的な機能追加で2017年も成長

Instagramの総利用時間の推移

2017年第4四半期、米国のAndroidフォンにおけるInstagramの総利用時間が2年前と比べて70%増加した。これを牽引したのは、月間アクティブユーザー数(MAU)とユーザーあたり利用時間の安定した成長だ。また、Instagramの平均MAUは、iPhoneとAndroidフォンを合わせ、この2年間で30%増加している。

App Annieでは「すでに成熟したアプリであるInstagramがこのレベルの成長を維持できたのは、2016年と2017年を通じ、適切な機能追加をタイミングよく行ったためだろう」と分析している。

ライドシェアアプリの収益は450億ドル越えに

ライドシェア(相乗り)サービスは、2017年の収益が世界全体で450億ドルに達するなど、高い収益性を維持しているが、競争もきわめて厳しい市場となっている。世界を見渡すと、市場は細分化が続いており、ユーザーとドライバーを確保するために激しい価格競争が繰り広げられている。

App Annieの滝澤氏は「日本では法規制もあり、他国に比べてライドシェアが普及していないが、サービス開始を望む声が少なくない。都心ももちろんですが、地方などではタクシーがなかなか捕まらない状況があり、ライドシェアサービスがそこを補完できるのはないだろうか。ライドシェアというくくりでは、自転車シェアサービスの動きも活発だ。中国の大手サービスのmobikeやofoは国外展開を進めており、LINEとmobikeの提携も話題になった。日本市場でどのように普及していくかに注目が集まっている」と述べている。

ユーザー基盤の拡大が続くゲーム市場、日本は2年で60%増

ゲームアプリの合計消費支出推移

では、ゲーム分野はどうだったのだろうか。「2017年は国外パブリッシャーが大きな存在感を放った1年だったように思う」とApp Annieの滝澤氏は振り返る。

「従来、国外パブリッシャーが苦戦してきた日本市場だが、リネージュ、アズールレーン、崩壊3rdなど、中国や韓国のパブリッシャーによるゲームは国内タイトルに引けをとらない成功を収めたと言えるだろう」(滝澤氏)

また、任天堂の各種IP(知的財産)やみんなのゴルフなど、コンソール機で人気を博したIPがアプリにも参入してきた。年末には、ほのぼのとしたどうぶつタワーバトルが話題になる一方、ハードコアなバトルロワイヤル系シューティングゲームが人気を博すなど、話題に尽きない1年だった。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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