「セルフサービス」が響きすぎたBI業界、2017年はデータプレパレーションに注目! - ガートナーが振り返る2016年

「セルフサービス」が響きすぎたBI業界、2017年はデータプレパレーションに注目! - ガートナーが振り返る2016年

[2016/12/30 08:00]星原康一 ブックマーク ブックマーク

セルフサービスBIも使いどころを考えて

セルフサービスBIのトップベンダーからは「これまでのBIをやめて我々の新しいツールに乗り換えよう」というメッセージが聞こえてくることもあるかもしれない。しかし、そのままツールを入れ替えてしまうと、かつてできていたものができなくなってしまうケースもあると、堀内氏は警鐘を鳴らす。

「ユーザーからすれば、モダンBIとトラディショナルBIが同じ土俵で戦っているように見えるので、どちらがよいのかという議論になりがちです。特に今年は、トラディショナルBIを使っている企業から、モダンBIに入れ替えたほうがよいのかという相談が非常に多く寄せられました。何ができるのかではなく、自分たちが何をしたいのかに着目すれば、現状のトラディショナルなシステムのままでも実はカバーできてしまうという場合もあるはずです」

また、もしモダンBIツールを5,000人で使うとなれば、コストも相当に高くなってしまう。セルフサービスBIのように限られた数の人間が使うことを前提としたツールを、大人数が一部の機能のみを使うとなれば、割高になるのは当然のことだ。

だからこそ、まずは自分たちがツールを使ってどういったデータ活用をやりたいのかという問題に立ち戻る必要があるわけだ。

「データを見る必要のある人間が500人いたとしても、セルフサービスで可視化する必要のあるユーザーというのは10人だけかもしれません。その場合、500人分のモダンBIツールを導入すると無駄なコストが生じるだけですので、10人分のツールを入れて、彼らが分析した結果だけを残りの人々に示せばよいという考え方もあるはずです」

2017年は「データ・プレパレーション」に注目を

BI市場のシェアを見てみると、モダンBIのほうがトラディショナルBIよりも成長率は上だ。ただし、それだけでモダンBIを選ぶというのはやはり早計である。

そもそもトラディショナルBIは導入済みの企業が多いため、新規導入よりも維持の局面にあると考えられる。一方でモダンBIはここ数年で注目されはじめたばかりであり、まだまだ行き渡ってはいないことから自然と成長率は高くなる。そのため、モダンBIばかりに目が行きがちだが、市場規模として見れば、まだまだ多くを占めているのはトラディショナルBIなのだ。

ジャンル別BIツールのマーケットシェアの推移(出典:ガートナー ジャパン)

そして、モダンBIかトラディショナルBIかにかかわらず、企業におけるデータ分析のニーズは圧倒的な勢いで拡大している。そこで気づくことになるのが、データを活用する前段階として必要となる、データを用意する工程の大変さと大切さだ。

「データ分析の世界は、よりグラフィカルに、そしてモバイルからも扱えるようにと変わってきていますが、効率化を図るならばデータの格納から分析までの間にあるプロセスも変えないといけません。そこで注目されるのが『データ・プレパレーション(Data Preparation)』という考え方。かねてよりガートナーでも重要性を力説してきました。既に世界で30社ほどのベンダーからデータ・プレパレーションツールが提供されています。2017年にはこの分野で注目すべきベンダーが登場してくるのではないかと見ています」

また、冒頭でも述べたようにデータ活用の目的を明確にすることが重要となるが、企業においてこの部分をリードしていく人材である「CDO(Chief Data Officer)」の必要性が高まってくると見られる。

国内ではあまり注目されていないものの、海外では業種により既に一定の地位を得ている存在である。データを組織的に活用していくことに本腰を入れるのならば、誰がその旗振り役となるCDOを務めるのか真剣に考える必要があるだろう。

最後に堀内氏は、2017年に企業がデータ活用に取り組むためのポイントについて、次のように総括した。

「データは増えた、扱うテクノロジーもある、だけど『データを使う側の体制があまり変わっていない』、『何のためにデータを使うのかも明確ではない』では前に進むことはできないでしょう。

そこでまずは、誰が何を使って何のためにデータを活用していくのかを考えるようにすべきです。そして、『データがあり、テクノロジーがあるのならば、こんなビジネスモデルが実現できるのではないか』という発想が大事です。まずは夢のある目標を掲げ、その目標を達成するには誰と組めばよいのかを考えるようにしてみてはいかがでしょうか。

壁にぶつかることもあるかもしれませんが、目標があればそれをクリアすることも可能です。目標も定めず、いつまでも何をやればよいのかわからないというままでは、何も成し遂げることはできないでしょう」

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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