「費用を抑えた上で引越しをするにはどうすればよいのか」「繁忙期の場合はどれくらいが相場になるか知りたい」など、繁忙期の引越しに関する疑問を抱えていませんか？ 繁忙期の料金は通常期に比べて1.5～2倍ほど高く設定されているため、引越し業者を利用する際は繁忙期か閑散期かを意識することで、費用を節約することができます。
この記事では、引越し業者の繁忙期や通常期は具体的にいつなのかについて紹介するとともに、料金の相場や引越し費用を抑えるポイントを詳しくお伝えします。最後までご覧いただければ、仮に繁忙期に引越しをしなければならない場合でも費用を抑えることができるようになるので、ぜひ参考にしてください。
引越し業者の繁忙期・通常期はいつ？
引越しを問題なく行うためには、繁忙期がいつなのかを把握する必要があります。以下では、具体的な時期と繁忙期を確認するための詳しい方法について解説します。
引越し業者の繁忙期は3～4月と9月
新生活の準備をする3月と4月は、引越し業界では繁忙期と呼ばれています。この時期は学校や大学への入学、企業への就職や人事異動の転勤などにより、引越し業者への依頼が集中するため、早期に行動しなければ非常に予約が取りづらくなります。
特に3月20日～4月4日までは最も引越しが多くなる時期です。この期間に引越しをしたい場合は、引越し日が決まった段階でいち早く予約するか、ある程度引越しのタイミングをずらせるなら、上記の期間を避けて予約することも検討してください。
さらに、9月も人事異動が多くなる時期で引越し業者に予約がたくさん入るため、早めに行動するのがおすすめです。
引越し業者の通常期は5～2月
通常期とは引越しする人が少なくなる時期のことで、5～2月がこれに該当します。つまり繁忙期以外の時期が閑散期であり、この期間であれば予約は取りやすくなります。
通常期では料金体系が繁忙期とは異なり、多くの場合で安い価格が設定されているため、引越しにかかる費用を抑えたい場合はこの期間は狙い目といえるでしょう。
6月・11月・1月は閑散期
さらに引越しする人が少ない6月と11月、1月は閑散期と呼ばれ、予約が大変取りやすくよりお得な料金で引越しができる可能性が高まります。
通常期でも大型連休や月末の大安は人気が高い
一般的に繁忙期は3月と4月、通常期はそれ以外の5～2月ですが、通常期のなかでも引越しが多くなる時期があります。それは大型連休や月末の大安です。ゴールデンウィークなど、ある程度まとまった休みがある時期は引越し作業がしやすく、引越し先での新生活を始めるタイミングもよいことから、引越し日に選ばれることが多くなります。
また通常、借家や部屋の賃貸借契約の期間満了日は月末までとされており、家賃を日割り計算しないことがほとんどです。こういった契約満了日に近い、下旬から月末にかけての縁起のよい大安に引越しをしようと考える人が多くなります。
このように通常期のなかでも、大型連休や月末の大安などは人気が高く予約が取りづらくなるため、繁忙期に準じて料金を割高で設定している引越し業者も少なくありません。費用を抑えたい場合は、これらの時期に該当しない日を選ぶとよいでしょう。
各社の詳しい繁忙期はウェブなどで確認
一言に繁忙期といっても、引越し業者によって営業地域や規模などが異なるため、各社によって繁忙期は微妙に異なります。例えば、ある業者のサイトでは3月と4月の料金が割高で表示されていて、別の業者では週末や大安の日は予約が取りづらいと記載されていれば、それがそれぞれの業者の繁忙期ということです。
したがって、検討中している引越し業者の詳しい繁忙期を知りたいときは、営業担当者に聞くかウェブサイトに記載されているカレンダーを見て確認しましょう。引越し業者によっては通常期と繁忙期を分けて料金を設定し、ウェブサイトに公開しているところもあります。
引越し業者の繁忙期の料金相場
繁忙期の料金は、通常期の料金よりも高くなることが一般的です。ここでは引越し業者の繁忙期における料金相場を、単身者や夫婦・カップル、家族などのケース別に紹介します。
繁忙期は2倍近く割高になることも
多くの予約が入る繁忙期では、引越し料金が通常の1.5～2倍程度割高になることがあります。これは時期的な問題によって引越しの需給バランスが崩れるためです。
引越し業者をはじめとした運送業界では慢性的な人手不足が続いており、特に繁忙期は作業員の確保が難しくなってきています。そのため繁忙期は作業員の人件費が高くなるため、料金も割高になるのです。
繁忙期では引越し業者と価格交渉しても値下げは期待できません。国土交通省でも「引越時期の分散に向けたお願い」を出しているほどで、できるだけ安く引越しをしたい場合は通常期に予約を入れましょう。
繁忙期の引越し料金の相場【単身者の場合】
繁忙期における引越し料金の相場は移動距離と依頼主の状況、単身者や夫婦・カップル、家族といった荷物の量で変わってきます。単身者の場合の料金相場は平均43,300円～11万600円です。
| 引越しの距離 | 単身者の値段相場（平均） |
| ～15km未満 | 43,300円 |
| ～50km未満 | 52,000円 |
| ～200km未満 | 69,300円 |
| ～500km未満 | 94,000円 |
| 500km以上 | 11万600円 |
“参考：引越し侍「引越し費用相場が安い時期と高いシーズンは何月？賃貸契約にも最適なタイミングはいつか」および、100円引越しセンター「引っ越しの繁忙期と閑散期を知る！時期を見極めて激安引越し法を解説」をもとに作成（以下の表も同じ）”
通常、引越し料金は距離に応じて値段が上がりますが、200km未満までであれば70,000円以下が相場のようです。そのため、単身者で引越し先が比較的近くであれば、それほど費用をかけずに引越しができます。一方、単身赴任などで500km以上離れている場所に引越す場合は10万円を超えるため、1人だから安く済むというわけにはいかないでしょう。
繁忙期の引越し料金の相場【夫婦・カップルの場合】
夫婦やカップルが引越しする場合は、平均78,000円～24万200円が料金相場です。
| 引越しの距離 | 夫婦・カップルの料金相場（平均） |
| ～15km未満 | 78,000円 |
| ～50km未満 | 88,200円 |
| ～200km未満 | 14万2,200円 |
| ～500km未満 | 18万5,100円 |
| 500km以上 | 24万200円 |
2人分の荷物を運ぶ必要があるため、15km未満の短距離でも単身者の200km未満の金額よりも高くなります。また、200km未満の距離ですでに14万円を超え500km以上ではおよそ20万円と、距離が長くなるほどより高額な料金がかかります。
したがって長距離の引越しをする場合は、できるだけ繁忙期ではない時期を検討したほうがよいでしょう。
繁忙期の引越し料金の相場【家族の場合】
3人以上の家族の場合の料金相場は、平均95,800～33万9,000円でした。
| 引越しの距離 | 家族（3人）の料金相場（平均） | 家族（4人）の料金相場（平均） | 家族（5人以上）の料金相場（平均） |
| ～15km未満 | 95,800円 | 10万8,600円 | 10万5,000円 |
| ～50km未満 | 11万5,100円 | 14万1,900円 | ～33万9,000円 |
| ～200km未満 | 15万9,800円 | 18万2,900円 | |
| ～500km未満 | 23万5,300円 | 26万3,600円 | |
| 500km以上 | 30万300円 | 32万6,100円 |
荷物の量や距離にかかわらず、10万円以上はかかると理解しておいたほうがよいでしょう。家族での引越しの場合も、基本的には繁忙期を避けたほうが家計に優しくなります。
引越しの料金については、次の記事でも詳しく解説しています。
繁忙期の引越し費用を安く抑える8つのポイント
繁忙期の引越し費用を安く抑えるためには、以下のポイントを押さえることが大切です。
- なるべく早く引越し業者を予約する
- 複数の引越し業者に見積もりを取る
- 引越し希望日は複数あげる
- フリー便・午後便を利用する
- 引越し料金の安い日を狙う
- 不用品を処分し荷物を減らす
- 混載便を利用する
- 梱包や荷解きは自分で行う
これらについては、引越しすると決めたタイミングですぐに実行できるものもあります。繁忙期であっても、引越しの費用を少しでも安くできる可能性が高まるので、ぜひ参考にしてください。
なるべく早く引越し業者を予約する
引越しの費用は、なるべく早く業者に掛け合うことで安くなります。引越しする際は、作業を行う人員と輸送手段のトラックが必要ですが、引越し日のかなり前に予約すれば早い段階でそれらの手配ができるため、費用を抑えることが可能です。業者と話し合う時間もあるので、うまく交渉すれば料金を安くしてもらえるかもしれません。
早めに予約すると割引してくれる業者もあるので、キャンペーンなどを実施しているところに見積もりを依頼するのがおすすめです。ただし、予約がいつからできるのかは業者によって異なるので、ウェブサイトなどで確認しましょう。早めの予約は、もっとも基本的なテクニックになるのでぜひ実践してみてください。
複数の引越し業者に見積もりを取る
引越しの費用やサービスは業者によってそれぞれ異なります。料金の相場を把握してサービス内容を比較するためにも、見積もりを取るときは複数の業者に依頼しましょう。
見積もりを依頼する際は、引越し予定日や荷物の量、荷造り・荷解きも依頼するのかなど、条件をできるだけ合わせたほうが、見積結果の比較がしやすくなります。
複数社に見積もりを取る場合は一括見積サイトが便利
一昔前は、自身で複数の業者に見積もりを依頼する必要がありましたが、現在は一括見積サイトを利用すれば簡単にできます。一括見積サイトとは、専用のサイトから情報や条件を入力するだけで、一度に複数の業者に見積もりの依頼ができるというものです。引越し業者にあまり詳しくない場合は、こちらを利用したほうが手間を省いて時間を有効活用できるのでおすすめです。
ただし一括見積サイトには、見積もりを依頼したあとで複数の業者から営業電話などが来て、それぞれに対応することが大変になるというデメリットがあります。依頼する業者の数を3社に絞ると比較しやすく、料金の相場もわかってくるのでおすすめです。
引越しの見積もりについては、こちらの記事もご覧ください。
引越し一括見積もりサービスなら「引越し侍」がおすすめ
引越しで、希望に合う引越し業者を効率よく探すなら、引越し業者の一括見積サービスが便利です。中立的な立場から、あなたの状況に合うおすすめの引越し業者を紹介し、契約までサポートしてくれます。
とくに、編集部がおすすめしたいサービスが引越し侍です。引越し侍がおすすめな理由を以下にまとめています。
- 大手から地域密着型まで全国329社から最大10社見積もり可能
- 料金だけでなくサービス内容や口コミも比較できる！
- 24時間いつでも無料で引越し業者を比較できる
- 最大10万円キャッシュバックなど特典が豊富
引越し希望日は複数あげる
業者が予定を組みやすいように、引越し希望日の候補は3つほど伝えるとよいでしょう。業者にとって動かせる人員などは決まっているため、希望日を特定の日だけに限定するとその日の予定が固定されてしまい、値引き交渉が難しくなります。
しかし複数の希望日を伝えることで、その中から業者にとって都合のよい日を充てられるため、値引き交渉に成功できる可能性が高まります。
フリー便・午後便を利用する
引越しの際は、希望日だけでなく時間帯も指定できますが、業者にとってはフリー便や午後便を利用してくれるほうがありがたいので、これを利用することでも値引きしてもらえる可能性が高まります。
フリー便とは、引越しの時間を業者の空きに合わせて行うプランのことで、午後便は引越しの依頼が比較的空いている午後に引越し作業を行うプランです。なお、繁忙期に午前便を依頼した場合は料金が相対的に高く、値下げ交渉にも応じてもらえないことがほとんどです。
引越し料金の安い日を狙う
引越し日には以下のような料金の安い日があります。これらの日は依頼が少ないため、料金が割安で設定されています。都合が合えばこれらの日を狙って依頼するとよいでしょう。
- 土・日・祝日より平日
- 大安より仏滅・赤口
それぞれ詳しく見ていきましょう。
土・日・祝日より平日
引越しが集中しがちな土・日・祝日よりも、平日のほうが料金が安く設定されていることが多いです。引越し作業では立ち会いを行ったり、貴重品を依頼者自ら運んだりするなど当日に行う作業が数多くあります。そのため、時間がとれる土・日・祝日は引越しが多い一方で、平日は学校や仕事を休まなければならないため、あえて引越し日に選ぶ人はそれほど多くありません。
そのため引越し業者は、平日の料金を割安に設定して利用しやすくしているのです。料金が割安なのに加えて、引越しする人がそれほど多くないので、予約が取りやすいというメリットもあります。
大安より仏滅・赤口
引越し日の人気は六曜にも左右されます。通常、引越しは新しい生活の第一歩となるため、縁起を担いで吉日の大安などを選ぶ人が多い傾向にあります。引越し業者もそれをわかっているので、該当する日は料金を高く設定していることが多いです。
あまりそのようなことを気にしていないのであれば、大安を外してあえて縁起の悪いとされる仏滅や赤口を選べば、費用を抑えられるでしょう。
引越し料金の安い時期については、次の記事でも詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。
不用品を処分し荷物を減らす
新居に運ぶ荷物の量が減れば費用が抑えられるため、不用品をできるだけ処分してから引越し業者に見積もりを依頼しましょう。見積もり後に断捨離して、実際に運ぶ荷物の量が減っても料金は安くならないので、必ず見積もりの前に荷物を減らしてください。荷物を減らせば、その分荷造りや荷解きの作業も楽になるという効果もあるのでおすすめです。
引越し料金は移動距離や依頼者の家族構成が関係しますが、同居人の数に応じて輸送する荷物の量が変わり、トラックの大きさや台数と作業員の人数も変わります。例えば、5人家族の場合は通常10tトラックが必要になり、作業員も大人数確保しなければならないため、かなりの費用がかかります。一方単身者の場合は、軽トラックで作業員も少人数で済むため費用はそれほどかかりません。
もちろん単身者であっても、荷物が多ければ適切なトラックと人員を確保する必要があるため、結果として高くなる場合もあります。逆をいえば運ぶ荷物の量が多い場合でも、何らかの方法で減らすことができれば費用を抑えることが可能です。
不用品を回収している引越し業者を次の記事で紹介しています。
混載便を利用する
混載便を利用すると、料金をかなり抑えることができます。混載便とは、自分の荷物だけでなく同じ方面に引越しする人の荷物も、1台のトラックにまとめて載せて運ぶプランで、いわば相乗り便のことです。この混載便は非常に効率よく引越し作業ができるため、業者としても大幅なコストダウンができるのです。
ただし、いくつかデメリットもあります。それは複数の依頼主の荷物が集まった段階で引越し日を決めていくため、希望する日・時間帯に運んでもらえなかったり、時間がかかったりするなどの問題があることです。したがって荷物が多い家族などには向いておらず、荷物が比較的少ない単身者などに向いているといえます。
梱包や荷解きは自分で行う
荷物の梱包や荷解きは引越し業者に任せることも可能ですが、自分でやったほうが費用を抑えられます。業者の料金体系にもよりますが、一般的には業者に任せた場合は相応の料金が加算されるため、引越し費用全体を押し上げてしまいます。一方で、衣類や小物などの梱包や荷解き作業を自分で行った場合は、その分の料金は上乗せされないため費用を抑えることが可能です。
ただし育児や介護などで非常に多忙な場合や、冷蔵庫・大型家具など素人が扱うことが難しいものがある場合は、業者に任せたほうがよいので無理はしないようにしましょう。
まとめ
引越し業者の繁忙期は3月と4月でそれ以外は通常期にあたりますが、ゴールデンウィークなどは引越し需要が高いため料金が割高の傾向にあります。引越し料金は移動距離と人数に相関し、繁忙期の料金は通常期のおおむね1.5～2倍程度が相場なので、費用を抑えたい場合は引越し日をずらせないか検討してみてください。
ただし繁忙期に引越しをする場合でも、できるだけ早く予約したり複数の業者から見積りを取ったりすることで、費用を抑えることができます。どうしても繫忙期に引越しが必要な場合は、早めに行動することが大切です。繁忙期でもスムーズに格安で引越しができるように、ぜひ本記事で紹介したポイントを参考にしてみてください。
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