近場に引越しをする予定ではあるけれど、できるだけ費用をかけたくないと考えていませんか? 近場での引越し費用を節約するためには、自力で荷物を運んだり引越し向けの補助金・助成金を申請したりするなど、さまざまな方法があります。
そこでこの記事では、引越しを近場でするときのコツを詳しく紹介します。また、業者に依頼したときの費用や引越しでやるべき手続き、引越しで起きがちなトラブルの回避方法、よくある疑問なども取り上げます。本記事を読むことで、近場への引越しにかかる費用や損しない方法を把握でき、不安なく引越しができるようになるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
業者へ近場の引越しを依頼したときの費用
引越し費用は単身と家族世帯で異なり、場合によっては追加で費用がかかるケースもあります。この章では、近場の引越しを業者に依頼したときの費用相場を見ていきましょう。
単身で引越しをする場合の相場
単身で引越しをする場合にかかる費用の目安は以下の通りです。なお、引越しの距離が15km未満を想定しています。
荷物の量 | 3月~4月 | 5月~2月 |
少なめ | 36,000円程度 | 30,000円程度 |
多め | 48,000円程度 | 39,000円程度 |
このように、荷物量によって10,000円程度の差があります。また3月~4月の繁忙期は、そうではない時期よりも引越し費用が高くなると認識しておきましょう。
家族で引越しをするときの相場
家族で引越しをする場合の引越し費用相場は以下の通りです。単身で引越しをするケースと同様に、引越しの距離が15km未満を想定しています。
家族の人数 | 3月~4月 | 5月~2月 |
2人 | 80,000円程度 | 65,000円程度 |
3人 | 95,000円程度 | 78,000円程度 |
家族で引越しをするときも繁忙期のほうが高めの費用相場です。また家族の人数が多いほど、繁忙期とそうではない時期の費用差が大きい傾向にあります。
追加で必要になる費用
引越しの内容によっては、追加料金がかかりますが、追加料金になる項目と費用相場は以下の通りです。
項目 | 費用相場 |
不用品処分 | 1点1,000円程度~ |
大型荷物・狭い通路 | 15,000円程度~ |
エアコン・ペット | 20,000円程度~ |
荷造り | 30,000円程度~ |
追加費用をできるだけ抑えたい場合は業者に訪問見積もりを依頼して、荷物が運びきれるか確認してもらいましょう。
近場での引越し費用を節約する6つのコツ
近場での引越し費用を節約する秘訣は以下の6つです。
- 引越し業者の格安プランを探す
- 近場なので自力で荷物を運ぶ
- 荷物が少ないなら宅配便で送る
- 不要なものは処分しておく
- 繁忙期を避けて引越し
- 引越し向けの補助金・助成金を申請
ここでは各コツについて詳しく紹介します。
引越し業者の格安プランを探す
大手引越し業者の格安プランを利用することで、近場での引越し費用を節約できます。各業者の格安プランは以下の通りです。
業者名 | プラン名 | 内容 |
日本通運 | 単身パック当日便 | 1R~2DKの単身世帯、車で30分前後の移動距離向け |
アリさんマークの引越社 | ミニ引越しプラン | 同一区・同一市内の5km以内まで |
ヤマトホームコンビニエンス | わたしの引越 | 幅104cm×奥行104cm×高さ170cmの専用ボックス2本限定 |
移動距離が制限されるなど各業者によって条件は異なるものの、格安プランを利用することで引越し費用を抑えられます。詳しい条件や費用は、各業者のホームページで確認しておきましょう。
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近場なので自力で荷物を運ぶ
近場での引越しなら自力で行うこともおすすめです。そうすることで業者に支払う引越し費用は不要になります。また必要であればレンタカーを借り、家族や友人の協力も得ることでそれなりの量の荷物でも問題ないでしょう。
ガソリン代や手伝ってくれた人に謝礼が必要になったり、引越しに不慣れで家具などを傷つけたりするデメリットはあるものの、業者へ依頼するよりは費用を抑えられます。特に一人暮らしの場合は荷物が少ないからこそ、おすすめの節約方法です。
荷物が少ないなら宅配便で送る
荷物があまりない場合は、宅配便を利用することもおすすめです。「宅配便を利用して重い荷物を送る」「その他の荷物は自力で運ぶ」という方法を採用すれば、引越し業者に依頼する費用よりも安く済みます。宅配便を利用するメリットは以下の通りです。
- 集荷に来てくれる
- 時間指定で届けられる
- 最短で依頼した当日に集荷も可能
- 受け取りができなくても追加で料金なし
このようなメリットはありますが、自身で段ボールを用意する手間がかかったり、梱包されていない荷物は運んでもらえなかったりすることがあることも認識しておきましょう。
不要なものは処分しておく
引越し前に不要なものを処分することも節約効果があります。荷物が多いと作業人数が増えたり、大型の車両が必要になったりして費用が高くなる傾向にあるからです。また、引越し業者が不用品を処分してくれる場合もありますが、追加料金がかかるだけでなく、ものによっては処分してくれないため注意が必要です。
事前に不要なものを処分して必要最低限の荷物で引越しをすることで、余計な出費を減らせるでしょう。
繁忙期を避けて引越し
引越しシーズンを避けることで、引越し費用を安く抑えることも可能です。引越し業者に依頼が集中している場合は、費用が高くなる傾向にあります。そのため、月末や縁起のよい日なども避けるようにしましょう。
引越し費用が安くなるのは、依頼が集中しやすい休日・祝日ではなく平日です。また、月の中旬も月末のように引越しが集中しないので狙い目です。繁忙期や休日を避けるために、自身のスケジュールを調整することをおすすめします。
引越し向けの補助金・助成金を申請
引越し向けの補助金・助成金を申請することで、引越し費用を負担してくれるケースもあります。例えば東京都の新宿区では、以下のような補助金・助成金があります。
補助金・助成金 | 詳細 |
多世代近居同居助成 |
|
住み替え居住継続支援 |
|
次世代育成転居助成 |
|
こうした補助金・助成金は申込期間や募集数が限られているため、早めに自治体に確認しておくことをおすすめします。
近場への引越しでやるべき手続き
引越しを行う際は、さまざまな手続きや切り替えが必要です。例えば子どもがいる場合は、学校に関する手続きも行わなければなりません。ここでは、近場への引越しでやるべき手続きを見ていきましょう。
切り替えが必要な契約一覧
引越しでは、以下のような契約を切り替える必要があります。
- 水道
- 電気
- ガス
- 電話
- 郵便局
- インターネット
- 金融機関
- テレビ関連
水道などのライフラインを切り替えなければ、引越し先での生活に支障が出てしまいます。切り替える方法は、大抵の場合は電話やネットからの申し込みで問題ありません。引越し先でも快適に過ごせるように、ライフラインやネット環境などの切り替えを怠らないようにしましょう。
役所で必要になる手続き一覧
引越しする際に役所で必要になる手続きは以下の通りです。
手続きするタイミング | 手続きする場所 | 手続きの内容 |
引越し前 | 引越し前の市区町村の役所 |
|
引越し後 | 引越し前の市区町村の役所 |
|
同一市内の別区へ引越しする場合は転出届が不要なケースもあるため、引越し前にどの手続きが必要になるのかを市区町村に確認しておきましょう。例として千葉市若葉区の「引越手続きガイド」を参考にしてください。
さらに市区町村の役所以外でも、運転免許証や車庫証明、車検証、自転車防犯登録などの住所変更手続きが必要です。所轄の警察署や陸運局、最寄りの自転車販売店などに確認しましょう。参考として関連リンクを紹介します。
子供のために必要な手続き一覧
引越しに必要になる子ども関係の手続きは以下の通りです。引越し前とあとの両方で手続きが必要な場合があるので、それぞれの市区町村の福祉課(名称は自治体によって異なる)や教育委員会などに確認しましょう。
- 幼稚園・保育園の転園手続き
- 小学校・中学校・高校の転校手続き
- 児童手当・母子手帳・医療費助成の住所変更
なお高校生の場合は、通学している高校から引越し先が遠くなければ、転校しなくても通うことが可能です。
引越しで起きるトラブルの回避方法
引越しで起きるトラブルは以下の方法で回避できます。
- 作業内容は全て契約書に記載
- 破損に備えて保険に加入
- 気になったことはすぐに引越し業者へ連絡
万が一のときに備えて、引越しで起きるトラブルの回避方法も把握しておきましょう。
作業内容は全て契約書に記載
引越し業者に、どこまで作業してくれるのかや追加料金は発生しないかなど、気になることを全て契約書に記載してもらいましょう。また記載内容の見落としがないようにしっかりと目を通すことで、引越しで起きるトラブルを回避できます。
一般的には「見積もり=契約書」となっており、見積もりを構成するのは基本運賃・実費・オプションサービスという3項目です。そしてこれらは、標準引越運送約款(国土交通省)により定められています。いずれにしても、契約前に書類に目を通して疑問を解決しておけば、トラブル回避につながるでしょう。
破損に備えて保険に加入
引越荷物運送保険という損害保険に加入することで、破損や盗難などがあっても補償されます。もともと引越し業者が運送業者貨物賠償責任保険という保険に加入しており、業者側に責任があった場合はこの保険から損害が賠償されますが、以下の内容は補償されていません。
- 梱包中、もしくは輸送中に破損・紛失
- もらい事故による破損
引越荷物運送保険に加入すれば、破損やもらい事故、盗難なども補償される内容に含まれているため安心です。また、この保険料の相場は1,000~2,000円程度で、加入の有無に関して見積書に記載する必要があります。そのため、見積りする際に確認するようにしましょう。
参考として日本通運の引越荷物運送保険のご案内を一読してみてください。
気になったことはすぐに引越し業者へ連絡
引越しで気になることがあった際は、すぐに引越し業者のカスタマーセンターか相談窓口へ問い合わせましょう。引越しで荷物が紛失・破損するトラブルに関しては、引越しから3ヶ月以内に連絡しなければなりません。
なぜなら標準引越運送約款に3ヶ月以内に連絡がない場合は、事業者の責任はなくなると定められているからです(第25条第1項)。気になったことがあれば、すぐに引越し業者へ連絡して未然にトラブルを回避しましょう。
【Q&A】近場の引越しでよくある疑問
ここでは、近場の引越しでよくある疑問をまとめました。
- 冷蔵庫の運搬で注意することはあるのか?
- 業者への引越しキャンセルはいつまで無料か?
- 不要なものは残して引越しはできるか?
- 近場なら当日でも引越しの依頼はできるか?
各疑問の回答を紹介するので、近場の引越しをよりスムーズに行いたい場合はぜひ参考にしてください。
冷蔵庫の運搬で注意することはあるのか?
冷蔵庫を安全に運ぶためには、いくつか前日までに済ませておきたいことがあります。その詳細は以下の通りです。
- 水抜き
- 部品の取り外し
- 食材の処分
- 掃除
特に重要なことは水抜きです。水抜きをしなければ引越し作業中に床が水浸しになり、けがをする危険があります。最悪の場合、自分の荷物が濡れてしまう可能性もあるでしょう。また、中身の入った状態の冷蔵庫は運んでもらえないため、食材の処分も忘れないようにしてください。
業者への引越しキャンセルはいつまで無料か?
引越しのキャンセル料は標準引越運送約款によると、予定日の2日前から徴収できると定められているため、基本的に3日前までならキャンセル料は無料です。
2日前以降にキャンセルを行う場合はキャンセル料が発生し、日にちが短いほど料金が上がってしまうため注意しましょう。また、病気や事故などの緊急事態により引越しが延期となった場合でも、キャンセル料は支払わなければならないため、キャンセルする際は早めに連絡することをおすすめします。
不要なものは残して引越しはできるか?
賃貸物件で大家の許可が下りている場合は、不要なものを残して引越しすることは可能です。しかし、大抵の場合は不要なものを残されても処分に困るため、断られるケースが多いです。不用品の処分をしたいのなら、以下のいずれかの場所で対応するようにしましょう。
不用品の処分方法 | 特徴 |
引越し業者のオプションサービス |
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不用品回収業者 |
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リサイクルショップ |
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自治体のサービス(粗大ごみ回収) |
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フリマアプリに出品 |
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こうした方法だけではなく、友人や知人に譲る方法もあります。家具や家電などを欲しがっていないか、一度周りの人に聞いてみるとよいでしょう。
近場なら当日でも引越しの依頼はできるか?
近い場所への引越しは、当日であっても対応可能です。しかし対応できるのは一部の業者しかおらず、引越し先までの距離や作業量などで条件を決められています。
また、引越しの繁忙期である3~4月は依頼が殺到する傾向にあり、当日対応は難しいと考えられるでしょう。即日で引越しをしたい場合は、業者に対応できるかどうかを電話で問い合わせする必要があります。
まとめ
業者へ近場の引越しを依頼したときの費用は、単身世帯・家族世帯や荷物の量、時期などによって異なります。繁忙期の場合は、そうではない時期よりも引越し費用は高めです。また、大型荷物・狭い通路やエアコンなどを運搬する場合は、追加費用を請求される可能性もあります。
近場での引越し費用を節約するためには、引越し業者の格安プランを探したり自力で荷物を運んだりしましょう。宅配便で送ることや不要なものを処分しておくこと、引越し向けの補助金・助成金を申請することも、節約につながります。
引越しで起きるトラブルを回避する際は、作業内容を全て契約書に記載することと、破損に備えて保険に加入することが重要です。気になったことはすぐに引越し業者へ連絡し、未然にトラブルを回避しましょう。余裕を持って準備を整え、近場での引越しをスムーズに行ってください。
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