インターネットで引越し業者を検索すると、ホームページや広告が多数表示されます。いずれも魅力的な言葉が並んでおり、どこに依頼すればよいのか分からなくなる方もいるのではないでしょうか?
引越しを行う場合に引越し業者の選定は非常に重要です。ここでは決める際のポイントや流れ、悪質な引越し業者を見分ける方法などを紹介するので、今後引越しを行う際の参考にしてください。
引越し業者を決める流れ
引越し業者を選ぶ際は、引越しの距離や荷物量などに合った業者を適切に選ぶ必要があります。また慌てて選ぶのではなく、ある程度時間をかけて慎重に選ぶように心がけることも大切です。
後悔しないためにも、きちんとステップを踏みながら確実に選びましょう。ここでは引越し業者の選び方を、以下の6つのステップに分けてそれぞれ解説します。
- 引越し業者のタイプを決める
- 複数社に見積もりを依頼する
- 訪問見積日を決める
- 運ぶ荷物の確認と料金の見積もり
- 各社の見積内容を比較
- 引越し業者を決めて予約の連絡をする
STEP1:引越し業者のタイプを決める
引越し業者には全国展開している大手の業者と、主に個人や中小の業者が多い地域密着型の2つのタイプがあります。引越し業者を選ぶ際は、自分の引越しではいずれのタイプが合うのかを事前に考慮することが大切です。
ここからは、大手業者と地域密着業者それぞれに向いている引越しスタイルを2つ紹介します。
大手は家族・長距離の引越し向き
ファミリーの引越しや長距離の引越しを行う場合は、個人よりも大手の引越し業者を選ぶほうがよいでしょう。基本的に、大手の引越し業者の対応エリアは日本全国に及びます。作業員数やトラック数も多く、大型のトラックも用意できます。また引越し繁忙期でも対応してもらいやすいことから、安心して依頼できるのでおすすめです。
さらに大手であれば付随するサービスも充実しています。段ボールの提供や緩衝材の用意など、荷物が多いファミリーの引越しでも行き届いたサービスを提供してもらえるのでお得です。
家族や長距離の引越しについては、次の記事もあわせてお読みください。
地域密着型は一人暮らし・近距離の引越し向き
地域密着型の引越し業者は大手より規模が小さく人員も少ないため、搭載する荷物の量に限度があり、近距離や中距離の対応しか行わない傾向があります。その分料金も安いことから、一人暮らしの引越しや近距離の引越しの際は地域密着型の引越し業者がおすすめです。
地域密着型の引越し業者の特徴として、大手よりも比較的柔軟に対応してもらえることがあげられます。値引き交渉に応じてもらいやすく、細かい要望に応えてもらえることが多い点はメリットといえるでしょう。
地域密着型の業者の中には、単身の引越しに特化しているところもあります。単身の引越しでは、料金を大幅に安く設定していることがある点は注目すべきポイントです。
単身や近距離の引越しについては、次の記事でも紹介しています。
STEP2:複数社に見積もりを依頼する
引越し業者1社の情報を頼りにして、いきなり引越しを依頼するのではなく、まずはネットや電話で複数の引越し業者に見積もりを依頼しましょう。引越しまで時間に余裕がある場合は、最低3~5社に依頼することをおすすめします。各社が設定している料金や用意しているサービス、応対品質などは異なるため、それぞれを比較してみてください。
見積もりを依頼する際は、一括見積サイトを活用することをおすすめします。必要事項をサイト上のフォームに一度入力して送信すれば、同時に複数の引越し業者に見積依頼ができるため効率的です。ただし、見積もりを依頼した複数の引越し業者から営業の電話がかかってくることもあるので、しっかり対応して気になることは全て質問して解消しておきましょう。
STEP3:訪問見積日を決める
見積もりを依頼したら訪問見積の日程を決めましょう。訪問見積の際は実際に業者の担当者が自宅に来て、荷物の量や玄関の大きさ、階段やエレベーターの有無、搬入道路の幅などを確認します。引越しの荷物が多ければその分時間もかかることから、時間的な余裕のある日を選んで依頼することがおすすめです。
ウェブで申し込んだ場合は業者から確認の連絡がくるので、申込の前にあらかじめ希望する訪問見積の日時を決めておいてください。業者によっては土日に対応していないところもあるので、訪問見積の日時は第2候補、第3候補程度まで決めておくとよいでしょう。
訪問見積については次の記事で詳しく解説しています。
STEP4:運ぶ荷物の確認と料金の見積もり
訪問見積当日は担当者が約束の時間に自宅に訪問して、部屋の中の家具や荷物の量、通路の幅や周辺の状況などをチェックします。担当者が確認しやすいように、事前に整理整頓しておきましょう。
一般的には確認後すぐに見積書を作成し、具体的な見積金額の提示があります。もし別途サービスの依頼や引越しの日時や時間の指定、梱包資材の提供などの細かい要望があれば、全て当日に相談しましょう。
見積料金が提示されても、この段階で契約を交わすことはおすすめできません。予想より安かったからと安易に決めてしまい、あとで他社のほうが料金が安かったりサービス内容が良かったりしたことが判明すると、後悔することになりかねません。まずは金額やサービス内容をしっかりと把握し、各社の見積もりがそろうのを待ちましょう。
STEP5:各社の見積内容を比較
各社の見積もりがそろったらサービス内容や金額、提示オプションなどを比較することをおすすめします。見積内容を比較・検討する際は、ただ料金が安いからと安直に決めるのではなく、対応時の丁寧さや付帯サービスの中身などを考慮して、総合的に判断することが大切です。
また、他社と比べて極端に安い料金を提示された場合は、サービスの質が保たれているのか疑わしいので注意が必要です。そういった場合は、業者の評判や口コミを確認してから決めることをおすすめします。
引越し料金の相場については次の記事もご覧ください。
STEP6:引越し業者を決めて予約の連絡をする
見積もりを比較して依頼する引越し業者が決まったら、連絡して引越しの予約をしましょう。引越し業界の繁忙期である3月、4月、9月は希望する日程が空いていない可能性があるため、業者を決めたらできるだけ早く連絡することが大切です。見積もりしてもらった他の引越し業者には「他の業者に決めた」と断りの連絡を入れましょう。
無事に予約できると、業者によっては段ボールを用意して送ってくれます。予約の際に段ボールがいくつ必要になるのか、おおよその目安を伝えるとやりとりがスムーズになるでしょう。
引越し業者の選び方の6つのポイント
引越しの経験が少ないと、引越し業者を決める際に何を基準にして選べばよいのかよく分からないまま、なんとなく進めてしまうこともあるのではないでしょうか。引越し業者選びに失敗しないためには、重要なポイントを押さえながら慎重に決めることが大切です。
ここでは、引越し業者を選ぶ際に押さえておくべき6つのポイントを紹介します。
- 見積もり依頼は複数の業者に
- 作業人数・段ボール数などを確認
- 付帯サービスを確認
- 引越安心マークを確認
- 担当者の対応
- 口コミ・評判
これらのポイントの具体的な中身について、以下で詳しく解説します。
見積もり依頼は複数の業者に
引越し業者への見積もりは、複数の業者に依頼することが大切です。複数社に依頼することで、おおよその引越し金額の相場や適正金額が分かります。さらに相見積もりを取ることで、引越し業者が料金やサービスを競い合い、値引きに応じてくれる可能性も高まるでしょう。
ネット上には、簡単に見積もりを依頼できる一括見積サイトがあります。これを利用すれば効率的に見積もりの依頼ができるだけでなく、相場に応じた金額での見積もりを得られるのでおすすめです。
引越し費用を知りたいなら、「引越し侍」の一括見積サービスがおすすめ!
引越しで、希望に合う引越し業者を効率よく探すなら、引越し業者の一括見積サービスが便利です。中立的な立場から、あなたの状況に合うおすすめの引越し業者を紹介し、契約までサポートしてくれます。
とくに、編集部がおすすめしたいサービスが引越し侍です。引越し侍がおすすめな理由を以下にまとめています。
作業人数・段ボール数などを確認
引越し業者を選ぶ際は、作業員の人数や必要な段ボールの数を事前に確認しておくことがおすすめです。特に荷物が多い家庭の場合は、作業員の人数が多いほうが自ずと作業を早く済ませることができます。
また、引越し業者から支給される段ボールの数が少ないと自ら用意する手間がかかるため、事前に必要な段ボールの数を確認し、多少多めに用意してもらうとよいでしょう。
付帯サービスを確認
引越し業者の中には引越し作業そのものだけでなく、数多くの付帯サービスを用意しているところもあります。例えばエアコンの取り外し・取り付け、不用品の買い取り・処分、室内の清掃など、引越し作業とあわせてさまざまな作業を依頼できます。
引越しと同時にこれらの作業を依頼したい場合は、希望する付帯サービスを提供している業者を選ぶと、引越しを効率的に進めることができるのでおすすめです。
引越安心マークを確認
引越し業者を選ぶときは、引越安心マークを取得しているか確認するとよいでしょう。引越安心マークとは、安心で安全な引越しサービスを提供する企業であると、公益社団法人全日本トラック協会が認定した優良事業者の証です。
業者選びの際は、引越し業者の公式サイトや担当者の名刺などをチェックして、引越安心マークを取得している業者に依頼するように心がけましょう。
担当者の対応
引越し業者を選ぶ際は、担当者の対応も重要な判断要素になります。見積もり当日の担当者の様子や電話対応、その後のレスポンスの速さなど、信頼できる応対をしてもらえるか冷静に観察することをおすすめします。
引越し当日のタイムスケジュールや見積もり金額の根拠など、こちら側からの質問に対して丁寧に説明してくれる担当者であれば安心です。
口コミ・評判
ネットなどを上手に活用して、引越し業者の口コミや評判を確認することも大切なポイントです。その業者に実際に依頼した人たちの感想は、業者選びの際の参考になります。低評価やクレームが多い業者は避けたほうが無難です。
ただしネット上の口コミや評判の中には、信憑性にかけるものが含まれている可能性もあります。あくまで参考程度に受け止め、鵜呑みにしないことも大切です。
要注意の引越し業者を見分ける5つの方法
引越し業者の中には相場より高い金額を提示する業者や、作業をスムーズに進めることができない要注意の業者が存在することも事実です。
要注意の引越し業者を見分ける方法は以下の5つです。
- 訪問なしで見積金額を出す業者
- 他社の見積金額をむやみに聞く業者
- 見積金額が安すぎる業者
- 見積日当日に契約を求める業者
- 契約前に段ボールを置いていく業者
以下で、それぞれの中身について解説していきます。
訪問なしで見積金額を出す業者
引越し業者の中には直接自宅に訪問することなく、口頭やメールで見積金額を出すところもあるので気をつける必要があります。実際に訪問して、状況を確認しなければ荷物量を把握することは難しく、トラックへの積載量を正確に計算することはできません。そのため訪問せずに見積もりした金額は、訪問した場合と比べると金額が高くなりやすいので要注意です。
他社の見積金額をむやみに聞く業者
訪問見積で業者が訪れた際に、他社の見積金額を聞かれた場合には慎重に対応することをおすすめします。引越し業者の中には他社の金額をむやみに聞くところもあり、他社が提示した見積金額を基準にして自社の見積金額を提示したりします。
他社の見積金額が納得のいく金額であればよいのですが、高い金額であった場合はそのままの金額を伝えることは避けたほうが無難です。
見積金額が安すぎる業者
見積金額をできるだけ安くするために、中には引越しの契約に条件を付ける引越し業者もあるので注意しましょう。追加料金が取られる条件の例として、以下のものがあげられます。
- エアコンの取り外し
- 荷物の増加
- 荷造りが間に合わない
- 新居に荷物が入らない
- 道路にトラックを駐車できない
- エレベーターがないことを伝えていない
- 時間制での契約の場合の時間超過分
- 段ボールの追加費用
- 不用品の回収費用
さらに、引越し契約に何らかの条件がついているケースもあります。注意が必要な引越し契約としては、次のものがあります。
- 積みきり契約
- 混載便
- フリー便
積みきり契約
積みきり契約はトラックに積める分だけを運ぶ契約内容です。この契約の場合は、トラックに積めなかった荷物は自分で運ぶことになってしまうので気をつけましょう。
混載便
混載便とは、他の人の引越し荷物を同じトラックで運ぶスタイルです。混載便は、荷物が少ない引越しの場合に多く使われる方法で、料金が安いことが特徴です。ただし、通常よりも荷物の受け取りまでに時間がかかる傾向があります。さらに他の人の荷物と混同し、荷物の紛失が起こりやすい点にも注意する必要があります。
フリー便
引越し契約の中には、業者のトラックや作業員の空き時間に合わせて引越しを行うフリー便というスタイルもあります。フリー便は、あくまで業者側の都合によって引越しの日時が決まります。そのため、こちらから引越しのスケジュールを決めることが難しく、時間的な余裕がない方は避けたほうが無難です。
見積日当日に契約を求める業者
引越し業者の中には、見積日当日に契約の成立を求めるところもあります。早めに予約すれば大幅な値引きがあるなど、魅力的な条件を提示して契約を促すケースもあるので注意しましょう。
基本的には、複数の引越し業者に見積もりを依頼して比較したほうが、満足のいく条件で引越しができる可能性が高いでしょう。時間的な余裕があれば慌てて契約せずに、できるだけ多くの業者に見積もりを依頼することをおすすめします。
契約前に段ボールを置いていく業者
正式な契約前の見積もり段階であるにもかかわらず、引越し用の段ボールを勝手に置いていく業者にも注意しましょう。これはあくまで営業活動の心理テクニックであり、依頼人が断りにくくなった心理状態につけこんで、強引に契約を交わすことを狙っています。
よほど見積金額が納得のいくものでなければ、このような業者とは契約しないほうがよいでしょう。
まとめ
引越し業者を選ぶ際は、移動距離や荷物の量に合った引越し業者を選びましょう。時間が許すようであれば、ある程度時間をかけて慎重に選ぶことをおすすめします。また見積依頼は1社ではなく複数の業者に対して行い、その業者が提供している付帯サービスも確認しながら比較検討することも大切です。
さらに、引越し業者の中には相場より極端に高いか、安すぎる金額を提示する業者などがあります。仕事が丁寧ではない業者もあることから、業者選びには細心の注意が必要です。引越しの際はこの記事で紹介したポイントを押さえながら、失敗しない業者選びを実践してください。
次の記事では引越し業者のおすすめランキング10選を紹介しているので、ぜひあわせてお読みください。
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