ダイキン工業は、エアコンの新製品として、小空間マルチカセット形エアコン「ココタス」、デザイン性と機能性を両立させた「risora(リソラ)」、素早く部屋の暖房・冷房ができる「うるさら7(Rシリーズ)」を9月28日に発表。価格はオープンで、推定市場価格(税別)は、ココタスが化粧パネル込みで14万円、risoraが2.2kWから7.1kWの10種類で23万円~42万円、うるさら7(Rシリーズ)が2.2kWから9kWの8種類で23万円~42万円となっている。

発売に先駆けて、2015年に開設された淀川製作所(大阪府摂津)にてメディア向けの説明会を開催し、同時に「テクノロジー・イノベーションセンター(TIC)」のお披露目も行われた。

ダイキン工業の淀川製作所にて

非居住空間にも設置できる業界最小サイズのカセット形エアコン「ココタス」

戸建て持ち家の改築経験者に調査したところ、「住まいの困りごと」は、洗面所やキッチンといった非居室の小空間における、暑さや寒さが一番多い結果に。ヨーロッパやアメリカでは空調で家じゅうを適切な温度に保つ文化が定着し、居住者は快適に過ごしているが、日本では異なる。

超高齢化社会に突入してヒートショックも問題となっているように、我慢することが当たり前となっているのだ。そこで、ダイキンは住居内を移動した際の温度差を解決するために、狭い場所に設置できるカセットエアコン「ココタス」を開発した。発売日は2018年2月27日。

ココタス。サイズは175×315×412mm。化粧パネルは20×380×460mm

このように、天井に埋め込む。カセット形としてはとても小さい

素早く快適になるパワフル運転で、素早く快適温度に

最大の特徴は、業界最小サイズを実現していること。従来の住宅用天井埋込みカセット形に比べて、化粧パネルを約68%に小型化。2畳の洗面所や半間幅の廊下でも照明などに干渉しないサイズだ。キッチン・サニタリー空間への設置を想定し、油汚れに強い耐薬樹脂を採用している。

ファンにも、業界最小サイズの「ダウンサイジングターボファン」を採用。単にファンを小さくするだけでは、狭い場所に風が流れて音が大きくなってしまうため、熱交換器と合わせた新しい風回り技術で清音化を実現している。

一般的なファンと比較するとこんなに小さい

それぞれのスペースに合わせた便利な機能も充実している。小空間の空調は、単に小さなエアコンを置くだけでは、解決できない問題があるという。例えば、洗面所や家事室は滞在時間が短いので、スピーディな温度調節が必要となる。キッチンは換気扇や収納棚があり、壁掛けエアコンの設置場所がないといった問題が。ココタスは、そういった小部屋ならではのニーズに対応したエアコンとなっている。

短時間で設定温度に達する「パワフル運転」と、不在時の無駄な運転を抑える「ひかえめ運転」を搭載し、非居室の使い方に応じた運転が可能だ。消費電力は200Wでも安定しており、温度変化が1℃以内で快適に過ごせるという。

ただし、ココタスは単体では使用できない。ココタス対応の室外機「システムマルチ」が必要となる。ダイキンの壁掛型、天井埋込みカセット形なども含めて最大3台の室内機と接続して、1台の室外機を共有できるので、住まいの周辺スペースもすっきりするとのこと。

ダイキンはこれまでもシステムマルチを販売しているが、ココタスを使用するにはココタス対応のシステムマルチが必須。システムマルチの市場想定価格は、2室用4.5kWの2M40VCVが320,000円、3室用6.0kWの3M58VCVが400,000円、3室用6.8kWの3M68VCVが490,000円(共に税抜)。

専用の室外機が必要となる

複数台のエアコンを管理できる無線LANアダプターも標準搭載。スマートフォンなどから操作できる。

ココタスは埋込み式なので、新築時や大幅なリフォームを予定している顧客への訴求を行う予定だ。ハウスメーカーと共に提案していくことも検討しているという。

ダイキン工業の舩田聡氏

ダイキン工業 常務執行役員 空調営業本部長 舩田聡氏は、「ココタスは非住居空間に設置できる革命的なカセット形エアコンです。新しいライフスタイルを提案し、我慢する空調文化を変えていきたい」と語った。

ココタスを設置することによって、これまでエアコンのなかった空間で快適に過ごせるようになるとした