MMD研究所は2月26日、各社が提供する"低価格SIMカード"に関する満足度調査の結果を公表した。同調査は、事前調査において利用者の多かったOCN、IIJ、BIGLOBE、日本通信4社のSIMカード利用者(各250サンプル)合計1000人を対象に、低価格SIMカードの購入理由、利用SIMカードの満足度などを調べたもの。

購入理由は「料金を安くするため」、利用デバイスはスマホが6割

同調査では、まず、低価格SIMカードの購入理由を聞いた。結果は、「スマートフォンの利用料金を節約するため」と回答した人が最も多く67.1%だった。次いで「SIMフリータブレット端末を購入したから」が33.2%で続いた。SIMカードを利用しているデバイスについては、スマートフォンが最も多く60.1%、次いでタブレットが23.0%、モバイルルーターが16.0%だった。

低価格SIMカードの購入理由

SIMカードを利用しているデバイス

低価格SIMカードの利用期間については、3カ月以上6カ月未満が最も多く21.9%。続いて1カ月以上2カ月未満が18.8%、2カ月以上3カ月未満が16.9%となり、全体として利用期間が1年未満の利用者が84.3%となった。

低価格SIMカードの利用期間

利用者の69.2%が満足と回答

続いて、自身が利用している低価格SIMカードの満足度を月額料金、通信品質、データ容量、サポートの充実、総合評価など、計12項目について質問。次のような結果となった。 総合評価で「満足」と「やや満足」を合わせた数値は、全体で69.2%となり、約7割が満足という結果となった。この結果を事業者別に見ると総合評価はIIJ利用者が77.6%、OCN利用者が72.8%、BIGLOBE利用者が72.0%、日本通信利用者が54.4%となり、IIJ利用者の満足度が最も高い結果となった。

利用しているSIMカードの満足度は、IIJ77.6%、OCN72.8%、BIGLOBE72.0%、日本通信54.4%という結果に

また項目別に満足度が高かったのは、月額料金が78.2%で最も高く、購入のしやすさ(66.6%)、初期費用(63.8%)、通信品質(60.4%)で続いた。満足度が高かった項目を事業者別に見ていくと、月額料金の満足度が高かったのはIIJとBIGLOBEで共に82.0%が満足と回答し、購入のしやすさではIIJが74.0%、初期費用ではOCNが66.8%、通信品質ではIIJが66.0%でそれぞれ満足度が高かった。

利用しているSIMカードの満足度(項目別)

事業者別 低価格SIMカードの満足度

今後は「料金の安さ」「通信品質・速度」を重視

また今後、低価格SIMカードを購入する際に重視したい点について質問。初期費用、通信品質、アフターサポート、ブランドイメージなど14項目について尋ねたところ、「重視したい」と「やや重視したい」を合わせた数値は、月額料金が最も高く90.2%、次いで初期費用が83.0%、通信速度が82.5%、通信品質が80.0%となり、「料金の安さ」と「通信品質・速度」が今後低価格SIMカードを購入する際に重視される結果となった。

今後SIMカードを購入する際に重視したい点

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SIMカードを購入する際に、ユーザーは「初期費用」「月額料金」といった料金面と、「通信品質」「通信速度」といった品質面の両方を重視している。今回の調査においてIIJでは、通信品質で66%、通信速度で62.8%の満足度を記録し、他の3社の評価を上回った。ユーザー満足度で総合1位となった理由は、このあたりにありそうだ。

ちなみにIIJでは現在「IIJmio高速モバイル/Dサービス」を、次点のNTTコミュニケーションズでは「OCN モバイル ONE」を提供している。前者は500MB/月の、後者は30MB/日のモバイル通信が可能なプランで、IIJは945円(税込)、OCNは980円(税込)で利用できる。低価格SIMカードに関する需要は、今後も伸びていきそうな気配を見せている。各社の価格競争・品質競争に期待していきたい。

(執筆:大石はるか)