調査兵団に扮したKDDI社員

KDDIは12月29日~31日の3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで行われている「コミックマーケット85(コミケ85)」で、マンガ「進撃の巨人」とコラボレーションした電波対策を行っている。事前の告知では、夏のコミケ84と同様に"痛車"化した車載型移動基地局の配備だけとのことだったが、当日は同社社員が進撃の巨人の"調査兵団"のコスプレをして登場。会場では足を止めて記念撮影をする来場者で溢れていた。

調査兵団に扮したKDDI社員は、広報部3名と一般社員1名。そのうち3名は実際に"人間Wi-Fi"として、Wi-Fi基地局として会場内を歩き回ってKDDIユーザーの混雑対策任務に就いていた。

そのうち1名にコスプレについて話を聞くと、「仕事です」と語りながらも、記念撮影の求めにノリノリで応えていた。実際に職務をまっとうしているとはいえ、あまりにも生き生きとしていたので、そちらの方向へと走らないか心配になった筆者であった。

側面だけではなく前後にも細かい施しが

ポーズを取ってくれとお願いすると快く応えてくれたKDDI社員

ここまでやってくれると掲載していいものか心配になった

もちろん、一般来場者からの撮影のお願いにも気さくに応えていた

進撃の巨人の"ミカサ"に扮したコスプレイヤーとの記念撮影やNAVITIMEマンのコスプレイヤーとの記念撮影も

もちろん、コスプレで話題を振りまくだけが彼らの仕事ではない。コミケ84での電波状況を踏まえ、様々な対策強化を行ったという。

車載型移動基地局と屋内の天井に備え付けてある基地局の両面で2GHz帯の電波帯域幅を5MHzから10MHzに増強。これにより、下り最大37.5Mbpsから75Mbpsへと高速化を果たしている。また、車載型移動基地局の配備についても3局増強したという。

LTE基地局の増強だけではなく、人間Wi-Fiについても、"調査兵団"を含む30名が場内を歩き回っていた。ただ、バックボーン回線(Wi-Fiの先の無線回線)は今回もWiMAXとのことで、最新のWiMAX規格「WiMAX 2+」は活用されていなかった。これについては「次回以降は対応していきたい」(技術系社員)とのことだった。

WiMAXルーターを持つ調査兵団。auの旗を持って歩き回る

電波対策によってどの程度速度が出るのか計測したところ、LTE回線は30Mbps前後、Wi-Fiスポットは10Mbpsほどとなっていた。Wi-FiとLTE回戦で逆転現象が見られたものの、一般的な用途であればどちらでも快適な利用ができるといえるだろう。

滅多に見られない基地局上部

普通の人間Wi-Fi部隊ももちろん活躍していた

KDDIに負けていられない!? 他キャリアの"コミケ対策"は?

もちろん、1日に18万人が集まる(公式発表)コミックマーケットでは、他キャリアも対策を取っている。

KDDI関連会社のUQ WiMAXは、10月にサービスインしたばかりのWiMAX 2+の仮設基地局を設置。もちろんWiMAXの対策も行っていた。

UQ WiMAXの基地局

続いては業界の雄であるNTTドコモ。こちらは夏のコミケでKDDIが話題になっていたことを受けて、電波だけではなく"痛車"対策も行っていた。起用したのは「すーぱーそに子」で、ソニコミと呼ばれるゲームのキャラクターだ。少しアダルトな雰囲気も醸し出しており、こちらも多くの来場者が記念撮影を行っていた。

もちろん、人間Wi-Fiについても出動しており、可愛い"ドコモダケ"の旗を掲げたドコモレッドのコートを着た男性が場内を歩き回っていた。

残念ながらラッピング車ではなかった。ドコモにしては冒険した起用との意見も近くで聞こえていた

最後は、ソフトバンク。こちらはコミケに特別な対策をすることなく、お馴染みの"お父さん犬"を起用。"Wi-Fi忍者"と呼ばれる人間Wi-Fi部隊が会場に配備されるという話を聞いていたが、残念ながら筆者は確認できなかった。

お父さん犬は相変わらず可愛い

なお、会場には「KDDIが「au電測バスツアー」を開催 - スピードマニアな"電波狂"が集合」でも紹介した"電波マニア"が、電波を測定するために来場していた。多数の電波マニア仲間を引き連れており、一大勢力を成していたことを最後に付け加えたい。

調査を行っていた電波マニア