「スマホで年賀状」、その裏側に潜入して秘密を探ってきました!

スマホのみで年賀状が作成でき、しかも直接相手へ送ることも可能な「スマホで年賀状 - Yahoo! JAPAN年賀状専用アプリ」。既報でも、その使い勝手の良さや驚くほどカンタンな年賀状作りを実感したのだけれど、ここでふとした疑問が。

「この『スマホで年賀状』で年賀状を直接出した場合、消印はどうなるのだろう? 」と。スマホで年賀状を作るということは、日本全国、場合によっては海外でだって作ることが可能だ。「彼は大阪在住なのに、何故年賀状はこんな場所からの消印なんだろう? 」などという事態は起こらないのだろうか、と筆無精な筆者は思ったのです。 まあ、こんな疑問を浮かべる時点で「ああコイツ。さては、年賀状をちゃんと見たこと無いな!?」と思われる読者も多いことでしょう。本アプリの開発を行った博報堂アイ・スタジオの大場真之介氏にこの質問をぶつけた際にも「実は、年賀状には消印はないのです。正確には1月8日に投函されたものからは消印が押されるようになるんですよ」と、諭されるようにご返答を……。「でも、実際にどのように投函しているのか気になっていらっしゃるようですし、現場をご覧になってみますか? 」と嬉しいお言葉が!

実際、「消印問題」は杞憂に終わるのだけれども、何と「スマホで年賀状」の中枢とも言える印刷工場へ取材する機会を得ることに成功したので、その様子をレポートしていこう。

年賀状には様々な個人情報が満載なだけに、セキュリティは"超"厳重!

さて、「スマホで年賀状」によって作成された年賀状。自宅はもちろん、送り先へ届くように投函される前に「印刷」という工程を経ることになる。実際に見学させていただいた工場では、既に数多くのユーザーからの年賀状を印刷していたが、忙しさがピークを迎えるのはまだまだこれからなのだとか。

早速、実際に「スマホで年賀状」で作られた年賀状を印刷している現場へ案内してもらうと、まず驚かされるのがそのセキュリティレベルの高さ。室内へ入るためには、暗証番号に加え指紋認証を通らねばならない。確かに、信書を印刷する環境なのだから、この厳重な体制はうなずける。「こちらの部屋にはサーバーがあります。ちなみに、この部屋へは虹彩認証が必要なんですよ」と、プライバシー保護やセキュリティ意識の高さが窺える。

写真左は指紋認証。右はサーバールーム入室に必要な虹彩認証

ちなみに、この印刷工場ではアプリ上から送信されたデータはサーバーに蓄積され、印刷、断裁、検品、発送という工程を経るのだそう。基本的にはオートメーション化されており、システム自体はコンパクトに纏まっている印象。印刷機もオンデマンド印刷機で見慣れたもの……なのだが、印刷している紙が特殊だった。ちょうど年賀状を2×2で並べたものが1枚という用紙は、巷ではお目に掛かる機会はそうはない。

また、印刷された年賀状をチェックする検品の工程では、高速で検査機に通される年賀状に印刷された固有IDをカメラで撮影し、間違いは無いかを調べるというのだが、その流れる速さに圧倒される。的確に、そしてスピーディに。機械での検査を終えても、最終的な発送の工程でも人の眼を加えて確認を行うという念の入れようだ。こうして「スマホで年賀状」で注文した年賀状は、プライバシー保護に万全の注意を払いながら、確かなクオリティの印刷を経て出荷されるのだ。

印刷された固有IDを撮影するカメラ。最後は人の眼を加えて再確認

「スマホで年賀状」の面白みは、デジタルとアナログのちょうど良いバランスだと筆者は感じている。スマホという、今では生活の一部にまで浸透したデバイスでデジタルデータとしての年賀状を作成し、自宅もしくは送り先へ旧態依然の"はがき"という手に取れるモノとして送付する。しかも、そのモノ"年賀状"は、確かなセキュリティ体制と職人の眼で安全かつ高い印刷クオリティなのだから、安心して利用することができると断言しよう。