説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneは振ると電波の入りがよくなるの?」という質問に答えます。
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iPhoneは携帯電話機ですから、電波を受信するためのアンテナが内蔵されています。アンテナは向きや周囲の状況に影響を受けますから、iPhoneを振り上げたときの位置と、振り下ろしたときの位置では、感度が若干異なる可能性はあります。しかし、わずか十数センチ程度の振り幅で、受信感度が目に見えて変化するとは考えられません。
変化を感じるとしたら、「iPhoneの持ちかた」かもしれません。はっきりとした位置を目にすることはできませんが、iPhoneに内蔵されているアンテナを覆い隠すように持てば、電波が遮断され受信感度は低下します。
しかし、iPhone 5の場合、それほど心配はいりません。本体の両端にアンテナが配置されているので、指2本でつまむように持っても、手のひらへ寝かせておいても、受信感度に差がほとんどないからです。本体下部を握っても上部のアンテナがありますし、本体上部を手で覆っても下部のアンテナがあります。よほど特殊な持ち方をしないかぎり、iPhone 5では「アンテナ問題」が発生しにくいよう工夫されているのです。
では、両端のアンテナを覆い隠すような特殊な持ち方をするとどうでしょう? 「フィールドテスト」という受信感度を調べる動作確認モードで試したところ、確かに受信感度は低下しました。現実にはありえないような持ち方ですから、iPhone 5に関していうかぎり、持ち方に関して神経質になる必要はありません。
ただし、iPhone 4に関しては注意が必要です。アンテナは本体左下1カ所のみですから、左手で持つと受信感度が低下してしまい、電波の弱いところではつながりにくくなる原因となることもあります。以前AppleがiPhone 4の購入者に対し、ケースの無償提供プログラムを実施したのは、このアンテナの位置が原因でした(関連記事)。iPhone 4Sでは、アンテナの位置が工夫されて問題が起こりにくくなり、アンテナを上下2カ所に配置したiPhone 5ではさらに改善されたのです。