Windows 7による自作をテーマにしたイベント「Windows 7 de 極める自作祭り2010」が13日(土)、リナックスカフェ秋葉原店にて開催された。メディア各社によるプレゼンテーションが中心で、そのほかDOS/V POWER REPORT誌が主催した自作PCコンテストの結果発表も行われた。

会場のリナックスカフェ秋葉原店

大勢の来場者で寿司詰め状態の店内

マイコミセッション

参加したメディアは、マイコミジャーナル×PCfan(毎日コミュニケーションズ)、日経WinPC(日経BP社)、週刊アスキー(アスキー・メディアワークス)、DOS/V POWER REPORT(インプレスジャパン)の各誌。マイコミのセッションでは、弊誌コラム「3Dグラフィックス・マニアックス」を連載中のライター西川善司氏が登壇し、DirectX 11の解説を行った。

弊誌とPCfanのセッションには西川氏(右)が登場

DirectXというと、なにやらゲーマー以外には関係ないように思われるかもしれないが、Windows 7の画面描画にはDirectX 10.1のAPIが使われており、じつは密接に関わっているのだ。「旧世代のGPUではエミュレーションにより動いている。レスポンスが悪いときには、DirectX 10.1以降のGPUに変えてもらえば、Windows 7が快適になる可能性がある」(西川氏)という。

DirectX 11の詳細については、これまでの西川氏の記事に詳しいが、同氏がポイントとしてあげたのは、「テッセレーション」と「ディスプレースメントマッピング」と呼ばれる機能。前者はポリゴンを分割する機能、後者は凹凸情報付きのテクスチャをポリゴンに適用する機能で、この2つを組み合わせることにより、今まで難しかったリアルな髪の表現なども可能になるそうだ。

DirectX 11のテッセレーション。「ハルシェーダ」「テッセレータ」「ドメインシェーダ」の3ステージで構成される

そしてこちらがディスプレースメントマッピング。粘土細工のような感覚でポリゴンに凸凹を与えられる

さてそのDirectX 11であるが、AMDはすでに「Radeon HD 5000」シリーズでサポートしており、対するNVIDIAも次世代の「GeForce GTX 400」シリーズで対応してくる予定だ。どちらを選べばいいかについては、「好きな方でいいんじゃない?」と西川氏。「例えばRadeonを持っていて、次にGeForceに買い換えた場合、今までだと最初のRadeonが無駄になってしまうが、Windows 7では、両社のカードを同時に挿してもちゃんと動くようになった」(西川氏)のだ。

Windows 7なら、Radeon/GeForceの併用が可能に

その場合でも、普通は両社のカードを組み合わせて、SLIやCrossFireのように性能を向上させるようなことはできないが、じつはある特殊なマザーボードによって、これが可能になる。その製品とは、MSIから発売された「Big Bang-Fuzion」のこと。基板上にLucid製のブリッジチップ「Hydra 200」が搭載されており、これにより、Radeon/GeForceを連携させて、1フレームをレンダリングさせることができる。

「Hydra 200」のブロック図。ロードバランス機能により、2枚のカードの性能を最大限発揮できる

ただし、Radeon/GeForceを組み合わせる「Xモード」をサポートするのは、Windows 7のみとなる

今回のイベントでは、メディア各誌がそれぞれ自作PCを紹介したのだが、弊誌の「マイコミくん1号」でも、このBig Bang-Fuzionは使用されている。ちなみにこのPCは、「11万円で作れる最強PC」を目指したもので、Core i5-750(2.66GHz)やRadeon HD 5750などで構成。抽選でプレゼントする予定なので、応募方法などについては、26日(金)発売のPCfan 4月号を参照して欲しい。

これが「マイコミくん1号」。ネーミングはもうちょっとなんとかした方がいいと思うが、このPCをドーンとプレゼント

パーツ構成はこちら。さすがにOSは入っていないが、DirectX 11にちなみ、11万円以内での限界を目指した

グラフィックスカードには、SAPPHIRE製のRadeon HD 5750が刺さっている。Big Bang-Fuzionなら、これにGeForceを追加してもいい

CPUには、クワッドコアのCore i5-750を採用。Big Bang-Fuzionなら、自動オーバークロック機能の「OC Genie」なども利用できる

自作PCコンテスト

自作PCコンテスト「自作PCの祭典 2009」には、202件がエントリー。「究極パフォーマンス部門」「定格パフォーマンス部門」「コストパフォーマンス部門」「勝手にオレが1番! 部門」「バカPC&痛PC部門」「祝デビュー! PC自作ビギナー部門」という6部門が用意されており、事前に発表されていた部門賞の受賞作品の中から、WEB投票と会場の直接投票によって、グランプリが決定された。

部門別の応募者数

エディション別

見事グランプリに輝いたのは、究極パフォーマンス部門賞だったsylphide-PC氏の作品。水冷のラジエータをベランダに出しているとのことで、今回の応募作品の中で唯一、PerformanceTestで5,000点超えを果たした。真冬ならではのオーバークロック手法と言えるだろう。また、ディスクはSSD×4台によるRAID 0構成で、ディスク周りのチューニングを念入りに施したのも奏功したようだ。

グランプリを受賞したsylphide-PC氏の作品

ラジエータのラックまで自作したという