パナソニックは11日、東京・秋葉原のCAFFE SOLARE リナックスカフェにおいて、「レッツノート春モデル デビュー記念 タッチ&トークイベント」を開催した。
会場には、先頃発表されたLet'snote S9/N9シリーズやR9シリーズなど約15台の新製品を展示。発売前に製品に触れることができる数少ない場ということもあって、雨天にも関わらず数多くのPCユーザーが訪れた。
和田裕美氏トークショー
用意された特設ステージでは、コミュニケーション力、営業力向上に関する著書を数多く持つ、ペリエ代表取締役の和田裕美氏が「人間力アップ! 心を元気にする!」をテーマにトークショーを行った。
講演活動で1年間に地球2.4周分を飛び回っている和田氏は、天板がオレンジ色のLet'snote Wシリーズを所有。「かばんの中にそのまま入れて持ち運ぶことができ、乱暴に使っても壊れず、頑丈な点が気に入っている。毎月40本の原稿を書いており、そのためにたえずLet'snoteを持ち歩いている。使い方は原稿を書くことが中心になっている」などとした。
ただ最近、Let'snoteの上にカレーうどんをこぼしてしまい、現在、修理中であることを明かしながら、「カレーがこぼれたら、Let'snoteを振ってはいけない。中から汁を出そうとして振ったら、駄目になってしまった」などとして、会場の笑いを誘っていた。
開発者による開発秘話、苦労話も公開
また、Let'snoteの開発を統括するパナソニック AVCネットワークス システム事業グループITプロダクツ事業部テクノロジーセンターの坂田厚志主幹技師が、「レッツノート開発者こだわりトークショー」として、Let'snote最新9シリーズの開発コンセプトや機能のほか、開発に関わる秘話を紹介。
「最も苦労したのは、電池駆動時間とR9の放熱構造」と語り、「Let'snote S9では、14時間の駆動時間を実現しているが、最初の段階では12時間しか駆動しなかった。それでは話にならないということで、ソフトの技術者とハードの技術者がアプリケーションやデバイスドライバなどをひとつひとつ改良し、これを20、30積み重ねることで長時間化を図った。コンマ2ワット、コンマ3ワットを減らすと30分程度駆動時間が延びる。年末には13時間を超えたが、さらに改良を加えて、発表までに14時間駆動を実現した」といった苦労話を披露した。
また、Let'snoteの新製品発表の際には、毎回のように最後の最後まで駆動時間が決定せず、カタログ作成の締め切りギリギリまで、開発部門とマーケティング部門がやりとりをしているといった秘話も明かされた。
一方、R9の放熱構造については、「CPUが高性能化したことで、消費電力が増え、熱が高まる。そこで内部設計をすべて見直し、大型のファンを搭載した」として、「外見はR8とまったく同じだが、内部構造はまったく違う」などと語った。
マシンパワーを求めるユーザーの要望にも応える
さらに、2009年冬モデルでは、ユーザーの96%が満足しているという調査結果を示す一方で、もっとパワーがあればいいと思うユーザーが71%を占めていることを示し、「今回の2010年春モデルでは、Core i7とCore i5を搭載し、冬モデルのS8に比べて、1.4倍の高速化を実現した。S8も、それ以前のWシリーズに比べて1.7倍の性能を高めており、そこからさらに1.4倍としている。CULVで搭載されているチップセットに比べると、R9は8倍もの処理性能があり、S9では13倍の処理性能を誇っている」と、NetbookやCULVノートPCに比べて、大幅な高性能化を図っていることを示した。
その他、9シリーズに搭載されている部品などを実際に見せながら、「コイン電池も小さなものを使って、2g軽量化した」といった工夫や、「グループ会社で開発したシェル型ドライブは、他社が使う場合には、これをトレーに入れて利用している。他社ではシェル型としてそのまま利用することができない。当社にはW2時代からノウハウの蓄積がある」「HDDの保護に、3軸センサーで退避させるという方法もあるが、それでは低いところから落とした際に反応できないという場合も考えられる。Let'snoteでは、物理的にダンパーで守るという手法で、HDDの破損を回避する仕組みとしている」などとし、Let'snoteの開発のこだわりについて説明した。