サンディスクは9月15日、従来比2倍の最大90MB/秒という読み取り・書き込み速度を実現した「サンディスク・エクストリーム・プロ・コンパクトフラッシュカード」、メモリースティックPROデュオ アダプタを同梱した「メモリースティック マイクロ(M2)」を発表した。サンディスク・エクストリーム・プロ・コンパクトフラッシュカードは9月19日、M2は10月中旬発売開始。

左から、サンディスク 代表取締役社長 兼 サンディスク コーポレーション シニア バイスプレジデント 小池淳義氏、プロフィギュアスケーター 荒川静香氏、サンディスク コーポレーション バイスプレジデント プロダクトマーケティング エリック ボーン氏

発表会ではまず、サンディスク 代表取締役社長 兼 サンディスク コーポレーション シニア バイスプレジデント 小池淳義氏がサンディスクの事業概要を紹介した。

事業概要を説明するサンディスク 代表取締役社長 兼 サンディスク コーポレーション シニア バイスプレジデント 小池淳義氏

1988年創立のサンディスク コーポレーションは、コンパクトフラッシュ、SD/SDHCカード、microSD/microSDHC、メモリースティック PROデュオなどNAND型フラッシュメモリの仕様策定で中心的な役割を果たしてきた。

個人向けリテールビジネスでは、デジタルカメラ・デジタルビデオカメラ向けメモリカードなどイメージング・カテゴリ製品、携帯ゲーム機・据え置き型ゲーム機などゲーミング・カテゴリ製品、携帯電話向けメモリカードなどモバイル・カテゴリ製品を手がけている。

世界の主要地域でトップシェアを取っているサンディスク

法人向けOEMビジネスでは携帯電話やデジタルビデカメラ向けに内蔵フラッシュメモリ、Netbookやノートパソコン向けにSSDを提供。シェアでは米国で44%、欧州で39%、日本で25%(米国:NPD 09年7月、欧州:GfK 09年6月、日本:GfK 09年8月のデータより)と世界主要市場でトップを占めていると語った。

四日市に世界最大規模の工場を用意し、フラッシュメモリの開発・製造を促進。メモリコントローラも自社開発して、上海の自社工場で組み立て、世界中に販売している。製造から販売まですべてを手がけることで、最先端の技術を投入した豊富な製品ラインナップが用意できる。

メモリの開発・製造から販売まで行うことで最新技術を投入したメモリを量産できる体制を整えている

日本法人は、フラッシュメモリの開発と量産、未来の製品ビジョンの発見、日本市場での販売を手がけている。特に販売では、販売店との強力な連携、積極的な宣伝PR活動、デジタル機器メーカーとの協業、法人営業の強化を進めることでブランド力の向上を目指している。そのために、年末商戦向けにナショナル・ジオグラフィックと共同で「地球を記録に残したい(仮)」をテーマに、メモリカード販売促進キャンペーンを計画。ブランド強化については、まずは名前を知ってもらうことが重要とし、サンディスクが何をしている会社なのか、サンディスクの強みは何かを、ユーザーに理解してもらうことを目指すとした。

最後にM2を紹介。2GB、4GB、8GB、16GBを用意し、11月1日発売予定のM2スロットを持つ「PSP go」発売前に投入するとした。このように、成長が著しいゲーム市場に特に注力し、ゲーム専門誌への広告出稿、ホームページでのゲーミングスペシャルサイトの立ち上げ、ゲーム売り場での積極的な展開をしていく。

ゲーム分野に注力し「メモリースティック マイクロ」を開発。PSP go発売直前に投入する

続いて、サンディスク コーポレーション バイスプレジデント プロダクトマーケティング エリック ボーン氏が新製品となる「サンディスク・エクストリーム・プロ・コンパクトフラッシュカード」「サンディスク・エクストリーム・コンパクトフラッシュカード」を説明した。

「サンディスク・エクストリーム・プロ・コンパクトフラッシュカード」を紹介するサンディスク コーポレーション バイスプレジデント プロダクトマーケティング エリック ボーン氏

「サンディスク・エクストリーム・プロ・コンパクトフラッシュカード」は読み取り/書き込みスピードが90MB/秒で、16GB、32GB、64GBを用意。「サンディスク・エクストリーム・コンパクトフラッシュカード」は読み取り/書き込み60MB/秒で、8GB、16GB、32GBを用意。 ターゲットはエントリーモデルからハイエンドまでラインアップが充実してきたデジタル一眼レフカメラ市場とした。

高速なメモリカードが必要となることが多いデジタル一眼レフがターゲット

スピードが速いだけでなく、信頼性、耐久性が高い新技術「パワー・コア・コントローラ」を採用。UDMA 6インタフェース対応のため、カード、特にコントローラとカメラの間のデータ転送を、デュアルレーン アーキテクチャーにより処理することでデータを効率的に高速化。2001年には最大2.8MB/秒、2003年には最大10MB/秒、2004年には最大20MB/秒、2006年には最大40MB/秒、2007年には最大45MB/秒と、サンディスクは高速化で常にリードし、2009年には90MB/秒を実現した。さらに、ウェアレベリングにより、データの書き込む場所を変えてメモリ回路にかかる負荷を分散化させるだけでなく、42ビットエラー訂正コードにより、信頼性をアップ。-25度~85度、湿度90%といった過酷な環境下での動作検証済みだ。

実際、20枚のRAW+JPEG画像を書き込み終わるまでの時間が、15MB/秒カードでは47秒、30MB/秒カードで27秒必要だったところを、14秒まで短縮させた(サンディスク社内でのテストによる。カメラはCanon EOS 5D MarkIIを使用)。読み取りでも、30MB/秒カードで31MB/秒だったところ、96MB/秒までアップさせた(サンディスク社内でのテストによる。100MBのファイルでのクイックベンチ)。

「パワー・コア・コントローラ」により高速なだけでなく信頼性や耐久性も向上している

書き込みテストの結果から圧倒的な高速化を実現していることが分かる

続いてプロカメラマンの権藤和也氏が、プロフィギュアスケーター 荒川静香氏のフィギュアスケートの演技の撮影を行うデモンストレーションを実施した。使用したカメラは、約8コマ/秒の高速連写が可能な10月発売予定のデジタル一眼レフカメラ「Canon EOS 7D」。メモリは「サンディスク・エクストリーム・プロ・コンパクトフラッシュカード」。15コマ程度のバッファを持つカメラで、50コマ程度を連続撮影していたが、メモリへの書き込み速度が速いため、途切れることなく撮影。スポーツでのベストな一瞬を、RAWデータで撮影するのに最適なカードだとした。

撮影のデモンストレーションを行ったプロカメラマンの権藤和也氏

権藤和也氏が撮影した荒川静香氏のイナバウアー

ゲーム市場向けに投入する「メモリースティック マイクロ(M2)」

90MB/秒を実現した「サンディスク・エクストリーム・プロ・コンパクトフラッシュカード」