日立ブースのレポートでもお伝えした通り、日立マクセルはiVDR規格に関連する開発中の製品を、CEATEC JAPAN 2008に参考出展した。ひとつは、iVDRメディアのカートリッジ部分に電子ペーパーを搭載したもので、HDDの残容量や録画した番組の内容を表示するといった使い方が考えられている。
表示内容を書き換えるときにだけ電力を消費し、表示内容の保持には電力が不要という電子ペーパーの特徴に注目した。iVDRはインタフェースとしてHDD接続用の「ポートA」(シリアルATA)のほかに「ポートB」(USB)を搭載しており、ポートBを介して電子ペーパー部分の書き換えを行う。iVDRメディア自体には電子ペーパーの書き換えを行う機能は含まれていないので、機器側での対応が必要となる。なお、ポートBを利用するiVDRは「iVDR-i/O」として今年春に標準化が発表された。
また、ポートBを利用することでiVDRをHDDとしてだけでなく、デジタルテレビチューナーなどの拡張機器を収めるカートリッジとして活用しようとする試みも展示されている。参考出展された「iVDRステーションSTBモデル」は複数のiVDRスロットを備えたセットトップボックスで、必要に応じてテレビチューナーなどを搭載したiVDRカートリッジを追加できる。
地上波、衛星、ケーブルといった各種チューナーのうち利用したいものだけを選んで搭載できるほか、有料コンテンツの再生権利が記録されたiVDRを認証キーとして使ったり、ZigBeeなどのワイヤレス通信機能を搭載したiVDRを装着することで家庭内の他の機器と通信を行ったりと、セットトップボックスにさまざまな機能を追加することができる。具体的な時期や仕様は未定だが、商品化を想定した開発を行っているという。
画面左端に縦に並ぶ列が、ひとつひとつのiVDRが搭載している機能やコンテンツを示している。ステーションにiVDRを装着するのに応じてメニューが増える(右画像) |