10代とオトナでもっとも評価が分かれるアプリのひとつが「Zenly(ゼンリー)」でしょう。 以前の記事「高校生に大流行! Zenlyってなに?」で紹介したように、 つながり合った人たちで位置情報を24時間共有し続けるZenlyは、10代に相変わらず人気です。

株式会社テスティーが運営する「それちょう」が2019年11月に発表した調査によると、Zenlyを知っている人の中でZenlyを利用している10代男性は47.6%、10代女性は32.3%とかなり高い割合です。

一方、オトナは「常に位置情報を公開するなんて考えられない」「自分は絶対使いたくない」など、拒否感を示す人が多いですね。 前回の記事も、読者の方から大きな反響をいただきました。 かつては自分の顔写真や実名をSNSにアップすることすら抵抗を感じていたオトナからすれば、自分が今どこで何分間過ごしているかを見せ続ける心理が理解できないのは当然です。

そこで、Zenlyがどのように使われているかをご紹介していきたいと思います。

  • 位置情報共有アプリ「Zenly」

    位置情報共有アプリ「Zenly」

ケース1:待ち合わせに便利

今の10代は「10時に渋谷駅のハチ公前」というように、時間や場所をしっかり特定して待ち合わせしないことがほとんどです。「お昼前に渋谷らへんで」「そろそろ家を出るよ」など、そもそもの約束がユルいうえに、当日の様子を見て会える時間に会っています。「場面で」「ノリで」といった言葉もよく聞きますよ。

こうして、どこにいるかをメッセージで頻繁にやり取りするなら、「いっそ位置情報を公開したほうが楽」――ということでZenlyが使われます。「友だちがどんどん自分のほうに近づいてくるとワクワクする」といった声もありました。

また、東京ディズニーリゾートなど人が多い場所でもお互いの現在地を把握できる、ショッピングセンターでいったん解散して買い物が終わったら何となく集合、といった使い方も。

地元のお祭りにお互い来ていることを知ったから会う、最寄りの駅に同じぐらいの時間で着くことを知ったので声をかける、といった偶然の出会いもあります。近所に知り合いが多い子どもたちならではの楽しみですね。

ケース2:相手の様子を見てから誘う

Zenlyでは、相手がどこにどれぐらいいるかを見られます。「ちょっとあの子と遊びたいな」というとき、Zenlyを見れば「家に4時間いる」ことがわかるわけです。それなら誘えば遊べる可能性が高いですよね。逆にバイト先にいると確認できたら誘うのをやめれば、ムダなやり取りも発生しませんし、がっかりすることもなくなります。

ケース3:つながってることがうれしい

今の10代はLINEやInstagramで常につながり続けています。Zenlyで友人がどこにいるのかを知るだけでも、何となくうれしく感じるのです。「テスト前だからみんな家で勉強している。私もがんばろう」とか、「あの子はコンビニで20分も何をしているんだ」などと、友人の様子を見て楽しみます。10代にとって、誰とどこにいるか自体が自慢でもあるため、「私と○○ちゃんは今日も一緒だから誰か見て」「今日はコンサートに来てるんだよ。誰か気づいて」と、見せる側としても楽しい心理があるのでしょう。

ケース4:家族でつながって安心

友だち同士ではなく、親や兄弟とつながっている人もいます。親のほうから、子どもの見守りのためにつながろうと持ちかけるパターンです。帰宅時間を連絡するように話してもメッセージをしてこない我が子の居場所がわかれば、夕飯の準備や車での送迎が便利になりますね。しかし、子どもの居場所を知るためには、基本的に自分の居場所も公開することになります。その点に抵抗を感じるオトナには難しい見守り方法かもしれません。

ケース5:スマホを忘れても見つかる

10代は常にスマホを手にしていることが多く、しまうとしてもバッグではなくポケットです。そのため、ふとした瞬間に置き忘れることも多々あります。そんなときでも友人にZenlyで見てもらえば、スマホの位置を特定できるのです。学校内でもスマホを持ち歩いているので、「スマホなくしたと思ったら体育館に置き忘れてた。Zenlyに出てきた」と話している女子高生もいました。スマホの位置情報を表示する機能はほかにもありますが、特に何かのステップを踏まなくてもすぐに位置を確認できるZenlyは便利なのです。

危ない使われ方も

位置情報の共有は楽しい一方、危ない面も。先ほどの調査結果で、男子よりも女子の利用率が低かったことからもおわかりのように、プライバシーが漏れることの危険性は10代も認識しています。

Zenlyは公式ウェブサイトで「Best Friends Only」とのキャッチコピーを出しているように、親友とだけつながることを推奨しています。また、任意の相手に対して、自分の居場所を一時的にわからなくする機能も有効です。

  • 「Zenly」は信頼できる人とだけつなましょう

しかし、ある10代は「私は○○ちゃんの位置情報は見えないんだけど、××くんのは見えてて。××くんと一緒にいた友だちは○○ちゃんの位置情報が見えるから、○○ちゃんと××くんの二人が一緒にいることがわかったんだ」というエピソードを話していました。これ自体は大きな問題ではありませんが、今は様々なSNSの情報を組み合わせることでプライバシーが明らかになるケースも目立ちます。

先日、アイドル活動をしていた20代女性の部屋に侵入した男が逮捕されました。彼は自撮り画像、部屋の写真、ライブ配信動画などの情報を照らし合わせて女性の部屋を特定したそうです。10代のお子さんをお持ちの親御さんたちは、「Zenlyでつながる相手は十分に気を付けて、関係性が変わったらすぐ隠すように」と、お子さんに話しておきましょう。