2023年の夏、YouTubeのチャンネル登録者数が142万人を超える人気YouTuberが誕生しました。中学生6人組の「ちょんまげ小僧」です。

彼らが初めてYouTubeに動画を投稿したのは2022年12月です。2023年7月にチャンネル登録者数1,000人を達成したのち、ネットで注目を集め、たった1カ月で100万人を突破。執筆時点でも142万人を超えており、勢いは衰えていません。

ちょんまげ小僧が注目された理由は、メンバーの「ひき肉」さんが自己紹介するときの「ひき肉です」ポーズでしょう。ネットでポーズを真似する人が続出し、芸能人やK-POPアイドルも自身のSNSやイベントで「ひき肉です」を真似するなど、爆発的な人気となりました。

しかし、自己紹介ポーズだけでこのチャンネル登録者数は達成できません。やはり、彼らが生むコンテンツの魅力や、中学生とは思えない巧みな編集技術を認める人たちが多いのだと思います。

YouTubeには、ちょんまげ小僧たちが公園でクイズをしたり、人狼ゲームをしたりなど楽しそうな様子がたくさん投稿されています。1分~5分くらいの短い動画がメインで、ショート動画も数多く投稿されています。また、InstagramやTikTokにもメンバーそれぞれがアカウントを持ち、活動しています。

さっそく人気YouTuberのフィッシャーズともコラボするなど、精力的に活動していたちょんまげ小僧ですが、夏休みが終わるとこれまでのペースを保つことは難しいかもしれません。でも、ちょんまげ小僧の動画をずっと見続けたい人は、私も含めて多いのではないでしょうか。

中学生がYouTuberになるときに注意したいこと

「中学生YouTuber」として注目を集めた人たちは、ちょんまげ小僧が初めてではありません。学校に行かないと決意して少年革命家を名乗るゆたぼんさんや、かわいらしいルックスやファッションセンスで人気のMINAMIさん(現在は高校生)などなど――。

しかし、中学生はまだ子どもです。YouTubeでの発信には注意すべき点があります。

まず、YouTubeは「子どもの安全に関するポリシー」を定めています。未成年者(18歳未満)がコンテンツを投稿する場合、未成年者を性的対象化する動画や未成年者が関与する有害または危険な行為、ファミリー向けコンテンツのように見せかけるコンテンツ、未成年者が関わるネットいじめや嫌がらせを禁じています。未成年者の心と身体を危険にさらすことを防ぐために、YouTubeが制定したポリシーです。このポリシーを遵守したコンテンツを作成しなければなりません。

ポリシーでは、未成年者のASMR(聴覚や視覚への刺激によって得られる、心地よい反応や感覚を楽しむ動画)も禁じています。そのため、未成年者のASMRが禁じられた2022年6月には、当時中学生だったひまりさんの「ひまひまチャンネル」が、過去に配信したASMR動画の約30本を削除したことを発表しました。ASMRはYouTubeで人気ジャンルなのでつい真似したくなる未成年者もいるかと思いますが、子どもならではのポリシーにのっとった動画を投稿する必要があります。

また、住んでいる場所や本名といった個人情報を漏らさないように注意すべきです。ちょんまげ小僧は動画の背景をぼかしたり、本名を隠したりしていますが、早くも撮影場所を特定する人たちが出てきています。ファンが会いに来ることも考えられるため、安全面への配慮は欠かせません。

YouTubeで得られる収益について気になる人もいるでしょう。YouTubeで収益を得るには、YouTubeアカウントのほか、AdSenseアカウントが必要です。YouTubeアカウントは13歳以上であれば取得できますが、AdSenseアカウントは18歳以上でなければ取得できません。そのため、中学生がYouTubeで収益を得るには、保護者が自分のGoogleアカウントを使ってAdsenseに申し込み、子どものチャンネルを管理することになります。YouTubeの収益はすべて責任者である保護者に支払われます。

もし中学生の我が子が「YouTuberになりたい」と言ってきたら、上記のようなことを踏まえて保護者がしっかり管理する必要があります。保護者は学ばなければならないことが多くて大変ですが、できれば社会全体で、YouTubeで活躍したい子どもたちをサポートしていければいいなと思います。