オウガ・ジャパンは「OPPO A79 5G」を2024年2月15日から日本で発売すると発表しました。日本のOPPOスマートフォンのラインナップは「Reno」「Reno A」と「A」の3系統、Aシリーズはスペックを抑えたコスパの高いモデルです。A79 5Gは6.7型、2,400×1,080ピクセルのディスプレイを搭載、前モデルのA77 5Gの6.5型、1,612×720ピクセルより高性能になりました。

筆者の居住する香港でもA79 5Gは販売されています。価格は1,999香港ドル、約3万8,000円です。ただ昨今の円安の影響があるので、1年前のレートなら約3万円です。日本モデルは日本発売のAシリーズで初となるおサイフ機能を搭載しながら2万9,800円。ローカライズしながら海外と同等価格帯に収めているのは大したものです。

  • 香港で販売中のA79 5G

日本でのOPPOのスマートフォンの立ち位置は「手軽に買えるカジュアルなスマホ」でしょう。指原莉乃さんがOPPO Reno Aシリーズの広告を行っていたのも懐かしいところです。2023年9月にはカメラ性能の高い「Reno10 Pro 5G」を発表していますが、ハイエンドモデルは2021年6月の「Find X3 Pro」以降出ていません。

Find Xシリーズは中国以外のグローバル市場で2022年に「Find X5」「同Pro」が出ましたがそれ以降は発売されず、カメラの強化はRenoシリーズへと置き換わりました。現在のグローバル最上位モデルは「Reno11 Pro」で、カメラスペックはReno10 Proと同等です。

  • グローバルでのReno最上位モデル、Reno11 Pro

Find Xシリーズをグローバルで展開しないのはおそらく数を稼げるRenoやAシリーズを重視しつつ、OPPOの「顔」となる製品は折りたたみモデルにしようと考えているのでしょう。横折り式の「Find N3」、縦折りフリップスタイルの「Find N3 Flip」が各国で販売されています。

  • グローバルでは折りたたみモデルが最上位機種となる

一方、中国ではFind Xシリーズがカメラ強化フォンとしてリリースされ、最新モデル「Find X7 Ultra」はSnapdragon 8 Gen 3を搭載し広角5,000万画素、超広角5,000万画素、2.8倍望遠5,000万画素(ペリスコープ)、6倍望遠5,000万画素(ペリスコープ)という、モンスタークラスのカメラを搭載しています。これに加えてFind N3/Find N3 Flipも販売し、シャオミやファーウェイに負けない魅力的な製品展開を行っているのです。

  • 中国最新モデル「Find X7 Ultra」は最強のカメラスペックを誇る

このような背景の中、グローバル市場におけるAシリーズはただの下位モデルではなく、デザインにも注力した「ちょっとおしゃれな」格安フォンというイメージがあります。たとえば香港でもA79 5GのイチオシカラーはDazzling Purple、上品さを感じさせるカラーです。日本で投入されるグローグリーンよりきらびやかな雰囲気があります。

  • 香港ではDazzing Purpleを推している

OPPOのブランド力が確立されているグローバルや中国市場と日本を比較するべきではないかもしれませんが、それぞれの市場のラインナップを比較してみると、日本はミドル〜ミドルハイレンジに注力していることがわかります。上位モデルから並べてみると、このようになります。

  • 中国:Find N(折りたたみ)ーFind X(高カメラ)ーReno(カメラとデザイン)ーA(コスパ)
  • グローバル:Find N(折りたたみ)ーFind X(高カメラ)ーReno(カメラとデザイン)ーA(コスパ)
  • 日本:Reno(カメラとデザイン)ーReno A(良性能)ーA(コスパ)

日本のOPPOの展開を見ると、他のメーカーより技術的に落ちる製品を出しているという印象を受けるかもしれません。しかし折りたたみのFind N3シリーズはグローバルでも高い評価を受けています。またOPPOが最初に発売した折りたたみモデル「Find N2 Flip」は2022年12月に中国で発売されると同時にヒット製品となり、中国の全折りたたみスマートフォンの中で1番の販売数を記録し、OPPOを中国国内折りたたみスマートフォンシェア1位の座に引き上げました(それまではファーウェイが不動の1位)。

  • OPPOを中国折りたたみスマホ1位にしたFind N2 Flip

日本市場の展開を見ると、まだまだ「数」を稼ぐための施策をとっているなと感じます。A79 5Gのカメラは実質5,000万画素のシングル(サブカメラは深度測定用)、最低限と言えますが、まだまだキャリア販売ビジネスが主流の日本ではMVNOからの割引販売が期待できます。今回もIIJが乗り換えキャンペーンで1万4,800円で販売します。

とはいえいつまでも価格に頼るビジネスを続けるのには限界があるでしょう。数年前まで日本市場ではファーウェイがハイエンドなカメラフォンからコスパの高い低価格なLiteモデルまで高い人気を誇っていました。ファーウェイが事実上の撤退後は、気が付けばミドルレンジから低価格モデルの分野でシャオミとモトローラの存在感が高まっています。

ここ数年Find Xシリーズを投入していなかったグローバル市場でも、OPPOの存在は他のメーカーよりやや弱い感じを受けました。しかし2023年10月に前述した折りたたみ2モデルを各国で投入すると、OPPOの店舗は週末に限らず多くの人が押し寄せるようになりました。そうなれば、OPPOに興味がない人でも友人と一緒にOPPOの店を訪れ、OPPO製品の魅力に気が付くケースも出てくるでしょう。たとえ折りたたみモデルを購入しないとしても、OPPOの認知度は広がるはずです。

  • シンガポールのOPPOストア。折りたたみモデルを見に人が集まる

日本で販売中のReno10 Proのカメラ性能は良好です。しかしカメラ以外の特徴をうまく引き出せていないのが実情ではないでしょうか。キャリア経由で安く購入できますが、他のメーカーの製品も同等のキャンペーンが行われればそちらにユーザーを奪われてしまいます。

今回投入するA79 5Gはコスパモデルの完成系でもあり、MVNOキャリアとの販売プランを提供すればボリュームは稼げるでしょう。そうであれば、次の一手としてブランド力アップのために、折りたたみモデルを出すべきではないでしょうか。

ちなみにFind N3 Flipの価格は7,599香港ドル、約14万4,000円です。高価ですがモトローラが同じフリップタイプの「razr 40 ultra」を日本では15万5,800円で販売していますから、相応の価格と言えます。Find N3 Flipはハッセルブラッドと提供した高性能なカメラ(5,000万画素 広角+4,800万画素 超広角+3,200万画素 2倍望遠)も搭載しており、カメラフォンとしての役割も果たせます。オウガ・ジャパンにはぜひ2024年にフラッグシップ製品としてFind N3 Flipを投入してほしいものです。

  • 日本投入を期待したいFind N3 Flip