シャープから発表された「AQUOS R8 Pro」はライカとコラボしたカメラを搭載し、しかもサードパーティ製のケースをつければカメラのフィルターも装着できます。スマートフォンを選ぶときに最も重視されるのはカメラ性能ですが、AQUOS R8 Proはカメラの代わりとして使ってもらおうと考えて設計されているのでしょう。
海外でもライカとコラボしたカメラを搭載したスマートフォンが販売されています。それはシャオミの「Xiaomi 13」シリーズです。その最上位モデル「Xiaomi 13 Ultra」はAQUOS R8 Pro以上に見た目はカメラ。別売のアクセサリもカメラを意識したものが登場しました。
Xiaomi 13 Ultraも5,000万画素、1インチのカメラセンサー、ライカ協業という高性能なカメラを搭載しています。背面はレザー調仕上げで大きな円形のカメラ台座がアナログカメラっぽい雰囲気を出しています。
本体のカラバリは他にも緑と白があり、合計3色。アウトドア製品をイメージした緑も渋い色合いですし、最近のVlogカメラなどで流行りの白も加えるなど、Xiaomi 13 Ultraのターゲットユーザーはかなり幅が広そうです。女性にも勧められるスマートフォンでもあるわけです。
カメラは「1インチ」「ライカ」というだけでも高性能でしょうが、それだけではなく4つのカメラを搭載しており、さらにすべてが5,000万画素という超級な贅沢な仕上げになっているのです。メインが1インチの広角で、それに加えて超広角、3.2倍望遠、5倍望遠を搭載。望遠はポートレートにも適した75mmと遠距離撮影を考えた120mmという組み合わせで、近場から遠くまであらゆるシーンを美しく撮影できるのです。
ここまでカメラを意識したスマートフォンであるのならば、ソニーの「Xperia 1 V」のように側面にシャッターボタンが欲しいところ。残念ながら最近のスマートフォンは電源とボリューム以外の物理ボタンを装着するモデルはほとんどなく、Xiaomi 13 Ultraも同様に側面にカメラ用のボタンはありません。
カメラを起動すると右上(写真では左上)に「LEICA」のロゴが見えます。ここをタップすることでライカモードのオン/オフの切り替えできます。より自然な仕上げの写真を撮りたいときと、SNSで映える補正された写真を撮りたいとき、どちらにも対応してくれるわけです。
さてXiaomi 13 Ultraもカメラのようにフィルターを装着することができます。専用のアクセサリキットが販売されましたが、現在販売中の中国では人気が高すぎて品切れが続出しており、定価は799元(約1万6,000円)ながらも、市中では倍以上の価格で取引されているとのこと。実際に筆者も中国・深センのアクセサリショップを訪問しましたが価格は倍以上でした。なお5月16日にシャオミの公式サイトを見たところ、定価が999元(約1万9,000円)に値上げされていました。それほどまでに人気なのでしょう。
このアクセサリキットにはXiaomi 13 Ultraのカバーとグリップなどが付属します。カバーはカメラ台座周りにフィルターのネジが切ってあり、67mmのレンズフィルターを装着することができます。今やデジタルカメラでもフィルターを使う人は減りましたが、Xiaomi 13 Ultraでは逆にガラスフィルターならではの物理的な光の加工を楽しんで写真を撮りたいと考える人が増えそうです。
さらにこのケースにはグリップが装着できます。Xiaomi 13 Ultraを片手でも楽に保持して写真撮影ができるようになるわけです。Bluetooth連動のシャッターボタンもあるので、撮影も簡単に行えます。
AQUOS R8 Proもフィルターを付けることでかなりカメラっぽくなりますが、Xiaomi 13 Ultraはアクセサリキットをシャオミが自ら出しており、カメラそのものに変身させてしまうことができるわけです。実用性もさることながら、見た目にもこだわってデザインされていることは間違いないでしょう。
カメラ部分を円形デザインにするスマートフォンは他のメーカーにも増えています。2023年はそれらのメーカーもシャープやシャオミに倣って「カメラキット」を出すモデルが増えるかもしれません。スマートフォンのカメラの進化だけではなく、その周辺機器も面白いものが増えそうです。