OPPOが3月21日に海外で発売した「Find X6 Pro」は超高画質なカメラを3つ搭載し、しかも老舗のカメラメーカーであるハッセルブラッドとコラボしたスマートフォンです。カメラメーカーとスマートフォンメーカーのコラボは、ライカが日本でシャープと、海外ではシャオミと提携。またソニーがカールツアイスと組んでいる例が知られています。OPPOは日本では主に低価格モデルを展開していますが、海外ではこのFind X6 Proのようにハッセルブラッドと提携した強力なカメラスマートフォンを販売しているのです。なお今回レビューしている端末は製品版ではなく開発者向けのモデルです。
Find X6 Proはチップセットにクアルコムの最上位モデル、Snapdragon 8 Gen 2を搭載するハイパワーなスマートフォンです。ディスプレイは6.82インチ、3,168×1,440ピクセルと高解像度。そして明るさは2,500ニトで、これは現在販売されているスマートフォンの中で最も明るいとのこと。実際に屋外で使ってみましたが、ディスプレイが外光の下で見にくいということもほとんどありませんでした。
本体のカラバリは3色ありますが、その中でも一番目立つデザインなのがこの「Desert Silver Moon」。砂漠の砂をイメージしたライトブラウンのビーガンレザー素材と、上部側は金属のように見えますがガラスで覆われたグレー仕上げの組み合わせ。大きな円形のレンズがどことなくアナログ風のカメラにも見えます。そしてレンズ部分の中央には誇らしげに「HASSELBRLD」のロゴも見えます。
カメラは5,000万画素を3つ搭載。メインの広角カメラはセンサーサイズが1インチと、デジタルカメラでも採用される大型のものを搭載しています。しかし本体の厚みは9.1mmに抑えられており、カメラ部分のでっぱりもそれほど高くはありません。
カメラにはOPPOが独自開発した画像処理チップ「Marisillicon X」を搭載しており、AI処理を高速にこなしてくれます。そのためカメラの動作は軽快でストレスは一切感じませんでした。カメラの組み合わせは5,000万画素広角(23mm)、5,000万画素超広角(15mm)、5,000万画素2.8倍望遠(65mm)。望遠は最大120倍までデジタルズームが効きます。
カメラは通常1,200万画素で撮影されます。これは複数のピクセルを1ピクセルとして仮想的に大型サイズの画素とすることで、より明るく細かい描写を可能にするためです。もちろん明るいシーンでは直接5,000万画素で撮影することもできます。3つのカメラすべてがメインカメラと呼べる画質なので、どの画角でも高画質な写真が撮影できるのです。
最近のスマートフォンは画面の下に機種名を入れることができますが、Find X6 Proは画像の下にタブのような余白をつけ、そこにHASSELBRLADのロゴまでも入れた特別なウォーターマークを入れることも可能。撮影データも表示できます。アナログカメラで撮影した写真のような仕上がりにも見えますね。
ハッセルブラッドの技術はポートレート撮影にも活かされています。光学的なボケをより効果的に表現しており、人物を中心にした前後のボケの風味は他のスマートフォンでは得られないでしょう。
またフロントカメラでもが美しい人物撮影ができます。前面の3,200万画素カメラは明るいレンズにOPPOの美顔加工ノウハウが詰まった美肌モードを搭載しており、肌の質感はそのままにトーンを美しく整えてくれます。
ナイトモード撮影ではMarisillicon Xの威力により、撮影後に待ち時間なく美しい夜景を保存できます。一般的なスマートフォンはナイトモードでは保存に数秒待たされることがありますが、Find X6 Proは夜景をサクサク撮れるのです。昼間の写真を撮影をする感覚で暗いシーンでも撮影ができるため、夜景撮影をより楽しめるでしょう。
Find X6 Proはスマートフォンとしての性能も高く、本体内部には大きな面積の冷却版も搭載しており、ハイエンドゲームのプレイにも適しています。OPPOのフラッグシップモデルとして本体のパフォーマンスに不満があがることは無いでしょう。
ハッセルブラッドの長年のカメラ技術のノウハウをベースにしているだけに、Find X6 Proはポートレートや夜景も含め、あらゆる撮影シーンで最高の写真を残すことができます。また今回は触れていませんが動画性能も高く、夜間の動画も明るく写せました。日本でFindシリーズが最後に発売されたのは2020年の「Find X3 Pro」。そろそろ日本にもハイスペックなカメラフォンを投入してもいいのではないでしょうか?Find X6 Proの日本投入を期待したいものです。