スマートフォンがあればタブレットは無くてもいい、という人も多いでしょう。しかし昨今のライフスタイルの変化により、日々の生活の中でリモートワーク、リモート学習が当たり前になりました。自宅で仕事したり学校のビデオ授業を受けるときに、大きい画面のタブレットがあったほうが便利ではないでしょうか。

とはいえタブレットは高性能なものは価格が高く、低価格なものはスペックが低くて実用性に難のあるものもあります。また単体で通信できる4Gに対応したタブレットは、Wi-Fiモデルよりも1万円程度割高です。タブレットを買おうにも価格と性能のバランスを考えると、結構な出費になってしまうケースが多いかもしれません。しかしこの1-2年でスマートフォンの価格が急落したように、タブレットも「安くて使える」製品が海外で登場しました。

日本でもこれから5Gの普及がはじまり、いつでもどこでもWi-Fiが無くとも超高速な通信を利用できるようになります。その5Gに対応したスマートフォンは中国のシャオミやOPPOが次々と低価格なモデルを出しており、ハイスペックな上級モデルを買わなくとも気軽に5Gを利用できるようになりました。たとえばシャオミの「Redmi Note 10 JE」は5G、おサイフ、防水対応で2万8,765円、3万円を切ります。

  • 3万円以下で買えるシャオミのRedmi Note 10 JE

海外ではもっと安い5Gスマートフォンも出てきており、シャオミのサブブランド「POCO」の5Gスマートフォン「POCO M3 Pro 5G」はインドや台湾、香港などで約2万円で売られています。また中国では1,000元を切る998元(約1万7,000円)というバーゲン価格のような激安5Gスマートフォンもrealmeなどが販売しています。最新の通信方式である5Gに対応するスマートフォンもすでに格安化が進んでおり、今後日本で本格的に5Gの普及が始まったころには、誰もが低価格な5Gスマートフォンを買って5Gの超高速通信を楽しめるようになるでしょう。

  • 中国では2万円を切る5Gスマホも増えている(realme Q2i 5G)

このように中国メーカーが5Gスマートフォンの激安化、大衆品化を進めたように、5Gタブレットも格安品がついに登場し始めました。現在日本で販売されている5GタブレットはAppleの「11インチiPad Pro(第3世代) 」が11万2,800円と10万円をオーバーします。Apple以外ではサムスンやファーウェイが海外で5Gタブレットを出していますが、たとえばファーウェイの「MatePad Pro 5G」は549ユーロ、約7万1,000円です。5Gスマートフォンは格安品が買えるようになりましたが、5Gタブレットは手軽に買える価格のものは出てきていませんでした。

  • ファーウェイの5Gタブレット。iPadより安いがそれでも約7万円だ

ところが中国のタブレット/ノートPCメーカーであるKoobeeが7月に5G対応タブレット「iPlay 40 5G」を1,999元、約3万4,000円で発売しました。この価格はiPadの約1/3、ファーウェイの約半分です。まだ中国国内でしか購入できないとはいえ、3万円台の5Gタブレットがついに出てきました。

  • ファーウェイの半額で買えるKoobeeの5Gタブレット

iPlay 40 5Gは10.4インチ画面を搭載し、チップセットにはメディアテックのDimensity 700を搭載します。このチップセットは5Gスマートフォン向けのエントリークラスの性能ですが、日常的な利用には十分な性能を持っています。Amazonなどで売っているノーブランドの「激安中華タブレット」よりも性能は十分高く、仕事や勉強にも十分使えるでしょう。そして5Gに対応しているので、単体でも高速通信が利用できるのです。日本では無名メーカーの製品ですが、実用性は十分高いでしょう。

また簡易的ですがキーボード付きカバーやスタイラスペンも販売されます。最近発表される各メーカーのタブレット新製品は本体だけではなくキーボード付きのカバーも一緒に発表されることが増えていますが、これもリモートワークや学習が増えノートPCのような使い方をするケースが増えているからですね。タブレットと言えばシャオミが7月に「Mi Pad 5」を発表しましたが、こちらも5Gモデルがあり、iPadのようなキーボードカバーも販売されます。

  • シャオミの「Mi Pad 5」もキーボードカバーが販売される

さて中国メーカーの格安5Gタブレットはこれだけではありません。Telecastの「T40 5G」は1,599元、約2万7,000円と3万円を切る価格の5Gタブレットです。こちらもディスプレイサイズは10.4インチ。チップセットに中国のUNISOC T7510を採用したことで激安価格を実現しました。ここまで安ければ、もはやWi-Fiだけを搭載したタブレットを選ぶ必要は無くなりそうです。Koobeeの製品同様に、5Gスマートフォン向けのチップセットを搭載しているので動作速度も問題ないでしょう。

  • 約2万7,000円のT40 5G

中国メーカーの格安5Gタブレットは、「5Gの高速通信対応」「高速チップセット搭載」により、実用レベルの高い製品に仕上がっています。いずれはこれらの製品も日本で発売される日が来るかもしれません。スマートフォンだけではなくタブレットも5G対応品を持つことが誰でもできるようになりそうです。