自宅で過ごす時間が増えたことで、電子書籍や電子マンガを読む時間が長くなった人も多いでしょう。しかし文字やマンガを長時間見ていると目が疲れてしまいます。なぜならスマートフォンやタブレットのディスプレイである液晶や有機ELは光を発しています。長時間、光に目を当てていれば目が疲れるのは当然です。

ところが目が疲れにくいディスプレイもあるのです。それが電子ペーパー。電子ペーパーと聞くとAmazonの「Kindle」のような電子ブックリーダーが思い浮かぶでしょう。電子ペーパーは紙とほぼ同じ原理で画面を表示します。発光しないので目が疲れにくいのです。

でもKindleはモノクロ表示。今更モノクロタブレットを買うという時代でもないかもしれません。ところがOnyx Internationalが発売したタブレット「BOOX Nova3 Color」はカラーの電子ペーパーを搭載します。つまり、目が疲れにくいという電子ペーパーの特性はそのままに、液晶や有機ELのようにカラー表示ができるのです。なお日本でもSKTから発売されます。

  • カラー表示ができるBOOX Nova3 Color

    カラー表示ができるBOOX Nova3 Color

BOOX Nova3 Colorなら1日中カラーの電子マンガを読んでも目が疲れないかもしれません。マンガに飽きたら動画を見て、SNSのタイムラインで写真も見る、なんて楽しい使い方ができるでしょう。とはいえカラー電子ペーパーにも欠点があります。それは表示色が4,096色に限られるのです。液晶や有機ELは1,000万色以上が表示できるのでその差は歴然です。また電子ペーパーは動きの速い表示は得意ではないため、動画を見るのにもあまり適していません。

カラー電子ペーパーは液晶の代替になるのではなく、「色のついた紙」と考えたほうがいいでしょう。そのためマンガ、イラスト、絵などの表示は得意とします。またプレゼン資料やオフィス文書で色のついたものを見る、といったことも十分にこなせます。まさしく「紙を電子化したもの」と考えるとイメージは沸くのではないでしょうか。

  • イラストや絵の表示は十分問題ない

またこの特性を生かし、お子さん用のタブレットにするのもいいかもしれません。カラー電子ペーパーでは動きの速いゲームも不得意。一方で電子版の教科書や参考書は長時間見ていても目が疲れにくいのです。自宅学習用にBOOX Nova3 Colorを使わせれば、親の目を盗んでゲームをしたり動画を見る、なんてことも防げるでしょう。なによりも目に優しいので視力低下も起こしにくいといえるでしょう。

BOOX Nova3 Colorのディスプレイサイズは7.8インチ。タブレットとして十分な大きさであると言えます。またAndroid OSで動き、Googleサービスも搭載されています。メールやカレンダーのチェックもできます。Google Play搭載でアプリもインストールできるので、SNSのタイムラインチェックも可能。写真や動画はやや見にくいもものの、雰囲気を感じることぐらいならできるでしょう。

  • Googleサービス対応なので、メールチェックやアプリのインストールもできる

付属のペンはワコム方式を採用したものなので、書き味もいいようです。PDFを表示して赤や青でペン入れする、ということもできます。お子さんがお絵かき用途に使うのもいいでしょう。なおペンで書いた英文字はOCR機能でテキスト化も可能など、手書きタブレットとしての機能も高められています。

  • ペンを使ってPDFに赤入れ。ビジネスツールとして十分使える

Onyx Internationalはこれまで多数のモノクロ電子ペーパータブレットを手がけており、日本でもいくつかのモデルが販売されました。しかし購入し活用しているという話はあまり多く聞かれません。その理由はやはり電子書籍を読むためにモノクロのタブレットを購入するという消費者があまり多くないからでしょう。そこに加えてAmazonのKindleはかなり安く売られています。

そういった状況がある中で、BOOX Nova3 Colorは、カラー表示が可能という新たな魅力を打ち出しています。さらに価格も海外では419.9ドル(約4万6,000円)、日本では日本の法令認可(技適)を取得したモデルが5万1,800円で販売されます。この価格なら十分競争力はあるのではないでしょうか?

  • 最初からスタイラスペンも付属する

他の機能として、BOOX Nova3 Colorで書いたものをワンタッチでPCへ送る機能も搭載されています。イラストや絵、あるいはアイディアスケッチなどを書きたいなら、スマートフォンの画面サイズよりタブレットのほうが大きくて書きやすいはずです。iPadは「なんでもできるスーパータブレット」ですが、BOOX Nova3 Colorは「iPadより格段に目が疲れない」という特性があります。もしも電子コンテンツビュワーとしてタブレットを買おうと考えている人がいたら、BOOX Nova3 Colorは一つの選択肢になるでしょう。

  • カラー電子ペーパータブレットならではの使い道がありそう