日本ではほぼ誰もがLINEを使っているように、韓国では誰もがカカオトークを使っています。両者はアプリのユーザーインターフェースも似ていますし、「LINEフレンズ」「カカオフレンズ」とキャラクター展開しているところもそっくりです。LINEキャラのグッズも日本では人気があります。

韓国でも一部の消費者がLINEを使っていますが、日本に友人がいるケースなどユーザー層は限られています。ところがなぜかLINEのキャラクターは人気で、LINEストアもありますし様々なキャラクターグッズが販売されています。もちろんカカオフレンズのほうが商品数もお店の数もはるかに多いのですが、LINEグッズも数多く販売されているのです。

そんなLINEキャラクター人気が本物であることを示すように、韓国では昨年に「LINEフレンズスマートフォン」が発売されました。LINEのキャラクターを壁紙などにあしらい、専用ケースも付属するなど本気で作られたものです。ターゲットユーザーは子供であることからスペックは低く抑えられています。

  • LINEフレンズのスマートフォンが韓国で販売されている

2017年2月に発売になったLINEスマートフォンは現在もまだ販売されていますが、今では実質無料となっているようです。筆者も物は試しと買ってみました。なお正規ルートで買う場合はキャリアとの契約が必要なのですが、一部の販売代理店が単体販売しているためそれを購入。韓国はキャリア販売スマホも元からSIMフリーなので、他国のSIMを入れても使えます。

さて韓国のキャリア、KTが販売するLINEフレンズのスマートフォンはZTEが製造しています。スペックはCPUが型番非公開のオクタコア1.8GHz、カメラは800万画素で定価は日本円で2万円ちょっと。ZTEは自社ブランドで韓国市場に製品を出していませんが、キャリアブランド品の製造元として市場に参入しています。このあたりは日本でもドコモ向けにキッズフォンを出しているのと一緒といったところでしょうか。

  • メーカーはZTE、輸送用の画面保護フィルムにもLINEフレンズ

本体は背面にブラウンの顔がプリントされています。またブラウン&サリーを背面にあしらったケースも付属しています。この手の限定モデルはケースがなかなかありませんが、専用品でしかも同じキャラクターをあしらったものが付属してくるのはうれしい仕様です。できればケースだけでも複数のキャラクター展開を行ってもらいたいもの。

  • 本体背面にはブラウン

  • ブラウンとサリーのケースも付属

電源を入れ起動してみると、壁紙もLINEフレンズになっています。壁紙はいくつかのパターンがあり好みのものに入れ替え可能。本体の外観だけではなく中身もしっかり「LINEのスマートフォン」に仕上げられているのです。しかも画面にあるアイコンを見ると、普通のスマートフォンとはちょっと違うことに気が付きます。

  • LINEフレンズの壁紙は複数パターンから選ぶこともできる

プリインストールされているアプリを見るとAndroid標準のものに加え、キャリアのKTのアプリがいくつか入っています。この中でGoogleサービスとKT以外のアプリアイコンはLINEフレンズをミックスしたカスタムアイコンになっているのです。キャラクターもののスマートフォンはいくつかありますが、ここまで凝った製品は多くないでしょう。毎日使うのが楽しくなりそうです。

  • アプリアイコンにもLINEのキャラが描かれている

さらにはそれらのアプリを起動すると、アプリ内にもLINEフレンズがところどころに現れます。単純にLINEのキャラクターを外装にプリントし、壁紙をいくつか入れただけ、なんて安易な製品ではなく、中身も結構作りこんでいることがわかります。ここまでカスタマイズされているのならば、普段のメッセージもLINEを使いたくなるでしょう。LINEスマートフォンはそれも狙いの一つなのかもしれません。

  • ファイルマネージャー(左)はフォルダにもキャラクター。フラッシュライト(右)も使うのが楽しくなる

  • 電話(左)やメッセージ(右)のアプリ内にもキャラクターが隠れている

ここまで拘った作りのLINEフレンズスマートフォンですが、特別な機能としてWEBサイトのアクセス制限などこの端末を子供に与える親が捜査をコントロールする機能も搭載しています。また「フィーチャーフォンモード」も搭載。MMSとVoLTEは使えますが、それ以外のデータ通信は一切不可になり、4G接続とW-FIアクセス、さらにはアプリのインストールもできなくなります。子供の勉強時間中にこのモードにすれば、こっそりスマートフォンで遊んでしまうのを防げるわけです。

制限機能を搭載すれば子供たちはスマートフォンを使うことそのものを敬遠してしまうでしょうが、隅々までLINEフレンズてんこ盛りのこの製品ならば毎日愛着を持って使い続けてくれるでしょう。「LINEのスマホを使いたいからちゃんと夜は勉強する」なんて習慣がしっかり根付くかもしれません。

  • 毎日使いたくなるスマホだからこそ、子供たちも制限を受け入れてくれる

さて子供向けのLINEフレンズスマートフォンですが、日本ではLINEがMVNO事業も行っていますし、LINEは誰もが使っています。ぜひとも同じようなオリジナルスマートフォンを販売してほしいものです。韓国ではLINEスマートウォッチも販売されているほどですから、日本展開をぜひ期待したいです。

  • LINEスマートウォッチは2世代目が登場するほど韓国では人気だ