ソフト名 | KeyLockSuspender | ![]() |
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作者 | mozurin氏 | |
区分 | フリーウェア | |
動作確認機種(※) | W-ZERO3 [es] Advanced/W-ZERO3 [es] |
Windows Mobileを搭載した端末を使っている場合、「端末の利用を終了したい」と考えた際に、その取り回しに困ってしまうという話を、連載第8~9回「psShutXP - Windows XPっぽくサスペンドさせてみる」において述べさせてもらった。一般的な携帯電話であれば、折りたたんだり、フリップカバーを閉じたりすることで、明確に「終了」を意識できるし、液晶画面の消灯なども細かく制御されているので、あまり気にすることではない。しかし、Windows Mobileの場合は、どうもこの辺りが曖昧だと感じる人も多いだろう。
今回紹介する「KeyLockSuspender」は、まさにこの「利用終了」のためだけに作成されたといっても過言ではない。しかし、それゆえにシンプルで使いやすい、非常によく出来たアプリケーションである。もっとも、動作させるためには「キーロック」スイッチが必要なため、実質的には、W-ZERO3 [es]及びAdvanced/W-ZERO3 [es]でしか使えない(初代W-ZERO3ではToday画面でないとキーロックをオンにできない)。サポートデバイスが限定されてしまうことは非常に残念ではあるが、逆に両端末のユーザーであれば、是非試してみることをお勧めしたい。
インストールと起動
Webサイトには、ZIP形式のファイルが公開されている。バージョンは執筆時点で「beta1」となっているが、一通りの動作に支障はない模様である。ZIPアーカイブを展開すると、「lock2suspend.exe」というファイル名の実行ファイルがある。この実行ファイルをWindows Mobile端末にコピーしよう。同時に「notconf.sample.txt」もコピーしておくと、後々の設定で便利だろう。
なお、インストール先は必ず内蔵メモリ(デバイス)を選択しよう。miniSDカードやmicroSDカードにインストールした場合、一部正しく動作しない場合がある。
機能と特徴
実行ファイル「lock2suspend.exe」を起動すると、システムに常駐して、キーロック状態の監視を開始する。この監視中にキーロックがオンになった場合は「画面をオフ」に、逆にキーロックがオフになった場合は「画面をオン」にする動作が行われる。
システムへの常駐を解除したい場合は、再度「lock2suspend.exe」を実行する。「常駐解除します」というメッセージが表示され、プログラムは常駐を解除して終了する。
単に画面表示をオフにするだけではなく、Windows Mobile端末を「サスペンド状態」にすることも可能だ。その場合は、実行ファイル「lock2suspend.exe」に「/suspend」というパラメータを与えて起動すればいい。具体的には、例えば下記のような手順を踏むことになる。
- 「GSFinder+」などを利用し、「lock2Supend.exe」のショートカットを適当な場所に作成する
- 作成したショートカットのプロパティを開き、「ショートカット」タブを選択する
- 表示されている「リンク先」の最後に「(半角スペース)/suspend」と追記する
- 複数のオプションを指定する場合は、さらにその後ろに半角スペースで区切って追記する
- ショートカットを「\Windows\スタートメニュー\スタートアップ」に移動する
- Windows Mobileを再起動する
再起動後は、「lock2suspend.exe」がオプション付き(/suspend)でシステムに常駐し、キーロック動作が監視されるようになる。なお、サンプルの「/suspend」だけではなく、下記のオプションも用意されているので、各人のスタイルに合わせて選択するといいだろう。
/suspend | キーロック時にサスペンドする |
/lightoff | キーロック時にバックライトだけを消灯する |
/force | 着信時を除くキーロック時は、必ず画面をOFFにする |
/beep | 終了メッセージの代わりにビープ音を鳴らす |
/disconnect | キーロック時にモデム通信を強制切断する |
/connect | キーロック解除時にモデム通信を開始する |
/keepmodem | USBモデムとして接続している際はサスペンドさせない |
ちょっと凝った使い方
「lock2suspend.exe」をインストールしたディレクトリに、「notconf.txt」という名前のテキストファイルを作成し、例えば、
notsuspend=TCPMP
notdisconnect=Opera
などのように、「notsuspend=ウィンドウ名(アプリ)」と記述することで、特定のアプリケーションが起動している時の、キーロック時の動作を制御することが可能になる。
具体的には「機能名=ウィンドウ名」という書式で、サスペンドしたくない(notsuspend)、あるいは通信を切断したくない(notdisconnect)、アプリケーションのタイトルを指定すればいい。ただし、「lock2suspend.exe」が「/suspend」および「/disconnect」のオプション指定付きで起動されている必要がある。
単純だが、それ故に果てしなく便利なアプリケーション
このアプリケーションを使い始めると、「利用終了=キーロックをオンにする」という運用形態が定着することだろう。小粒ながらピリリと辛い、明確な目的を持つ有用なアプリケーションだ。
ただし、一部の常駐系アプリケーションやドライバなどと相性があわない場合もあり、最悪の場合は、システムがハングアップすることもあり得る。利用に際しては必ず事前にバックアップを作成した上で、自己責任で導入を検討してほしい。