こんにちは、阿久津です。本連載をご覧になっている読者の多くは、Windows 7に移行し、新しいUI(ユーザーインタフェース)に戸惑いながらも、少しずつ慣れてきた頃ではないでしょうか。改めて説明するまでもなく、Windows 7には、特定のアイテムに対してマウスオーバーする際に、サムネイルやデスクトップを表示する機能が備わっています(図01~03)。
もちろん、いずれもWindows 7特有のUIとして評価されているものばかりですが、Windows XPからWindows 7に乗り換えたユーザーには、目新しさよりも煩雑さを感じるのではないでしょうか。そこで今回は、Windows Aeroによる各効果の実行タイミングを調整するチューニングを行ないましょう。
まずは、タスクバーのボタンにマウスオーバーすると表示される「ライブサムネイル」の実行タイミングから。この表示タイミングは、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ AdvancedキーのDWORD値「ExtendedUIHoverTime」で制御されています。データ値に実行タイミングをミリ秒で指定すれば、ライブラムネイルの表示タイミングを変更することができますので、お好みの数値を設定しましょう。なお、初期状態で同DWORD値は存在しませんが、システム内部の既定値は「400(ミリ秒)」。
Windows OSのレジストリカスタマイズに慣れた方は、同データ値を見て、スタートメニューが表示するまでのタイミングを制御する、HKEY_CURRENT_USER \ Control Panel \ Desktopキーの文字列値「MenuShowDelay」を思い出すのではないでしょうか。Windows OSの通例として、アニメーションもしくはエフェクトを実行するまでの遅延タイミングは400ミリ秒が多く使われています。Microsoft的には、"誤操作による実行を避けつつも、ユーザーが「遅い」と感じないタイミング"が、400ミリ秒なのでしょう。それでは手順を紹介します。
1.[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力してから<OK>ボタンをクリックします。
2.レジストリエディタが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ Advancedまで、キーをたどって開きます。
3.右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD(32ビット)値>を選択し、名前を「ExtendedUIHoverTime」に変更します。
4.ステップ03で作成したDWORD値「ExtendedUIHoverTime」をダブルクリックで開きます。
5.ダイアログが表示されたら<10進数>をクリックし、値のデータを「5000」に変更してから<OK>ボタンをクリックします。
6.レジストリエディタを終了させてから、<スタート>メニューの電源ボタンメニューから<ログオフ>を選択して、Windows 7に再ログオンします。
以上でチューニング終了です(図04~08)。
今回のチューニングポイントは、ステップ05で設定するデータ値。ライブサムネイルを表示するタイミングを、10進数ミリ秒で設定します。既定値は400ミリ秒ですが、今回のチューニングでは約5秒で表示するように変更しました。もちろん「0」にすれば、0ミリ秒で表示し、「10000」にすれば10秒ほどで表示するようになります。ご自分のスタイルに合わせて、お好みの数値を設定してください(図09)。
今回は誌面が尽きてしまいましたので、デスクトップのプレビューなど他のチューニングは次回お送り致します。それでは、また次号でお会いしましょう。
阿久津良和(Cactus)