こんにちは、阿久津です。仕事用のデスクトップPC用に4Kディスプレイを追加し、アームに複数のディスプレイを取り付けて、机上に浮かせるように並べました。フルHD解像度の3台はポートレートモードで設置し、昔購入したWSXGA+解像度の1台はランドスケープモードで主に仮想マシン用ディスプレイとして使用中です(図01)。
現在のところ4KディスプレイをPCゲームや動画視聴以外に活用できておらず、3,840×2,160ピクセルという広大なデスクトップ領域を持てあましています。本来なら視力低下に合わせてテキストサイズなどを調整するスケーリングで、高DPI設定を行うべきですが、そうなると画面キャプチャー時に整合性が取れなくなるため、適切な使い方を模索中。ただ、確実に言えるのは4Kディスプレイでは、ウィンドウを最大化する場面が確実に減ったという点です。
Microsoftは、Windows VistaからWindows Aeroを実装していますが、そのポイントはウィンドウ開閉時やサイズ変更時に加わるアニメーション効果やリサイズ機能。ウィンドウをスナップ(自動整列)させるAero Snapは便利ながらも、筆者はすべての機能を必要としていません。Aero Snap自体はGUIから機能の有無を選択できますが、アクションごとに有無を選択する場合はレジストリエントリーの編集を必要とします(図02)。
「コンピューターの簡単操作センター」の<マウスを使いやすくします>に並ぶ、<ウィンドウが画面の端に移動されたとき自動的に整列されないようにします>を有効にしますと、Windows Aeroの各リサイズ機能が無効になります |
以前の連載記事でもご紹介したように、Windows AeroのUI関連設定はHKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktopキーで管理しており、上下方向の最大化はDWORD値「SnapSizing」、左右へのスナップはDWORD値「WindowArrangementActive」、ウィンドウのタイトルバーをデスクトップ上部にドラッグするとウィンドウが最大化する動作はDWORD値「DockMoving」で制御可能でした。この点はWindows 10でも変わりません。
ちなみに、タイトルバーを上下左右にゆすると他のウィンドウをすべて最小化/復元する「Aero Shake」は、HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Windows\ExplorerキーにDWORD値「NoWindowMinimizingShortcuts」を作成し、データを「1」に変更します。このあたりの動作をWindows 10で検証していたところ、気になるDWORD値を見付けました。まずは以下の手順をお試しください。
1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktopキーを開きます。
3. DWORD値「DragFromMaximize」を開き、データを「0」に変更します。
4. レジストリエディターを終了します。
5. Windows 10に再サインインします。
これでチューニングが完了しました(図03~07)。
早速結果を確認してみましょう。任意のアプリケーションを起動し、タイトルバーをデスクトップ上部にドラッグしてください。これまでと同様にウィンドウが最大化しますが、タイトルバーをデスクトップ中央部などをドラッグしても元のサイズに戻らなくなりました。もちろんタイトルバーをダブルクリックしたり、<元に戻す>ボタンを使えば、元のサイズに変わります(図08~09)。
過去のWindowsを調べたところ、DWORD値「DragFromMaximize」は以前から存在していましたが、ウィンドウを最大化するDWORD値「DockMoving」の陰に隠れていたのか筆者も気にしたことがありませんでした。本チューニングはその動作から、UXを改善するといったメリットはありませんが、何らかのタイミングで意図しない動作が発生した場合の確認ポイントとして、覚えておくと便利でしょう。なお、チューニング結果を破棄する場合はDWORD値「DragFromMaximize」のデータを「0」に変更してください。
それでは、また次号でお目にかかりましょう。
阿久津良和(Cactus)