こんにちは、阿久津です。仕事場では以前からメインマシンを引退したThinkPad T60pにWindows 2008 R2をインストールし、日々の原稿を作成するワークサーバーとして活躍してきました。もともと同サーバーには、ファイルサーバーやプリントサーバー、WINSサーバーなどさまざまな役割を担わせてきましたが、NASやネットワークプリンターの導入により、現在与えている役割は前述のワークサーバーとFAXサーバーのみ。

もっとも、このご時世でFAXを使用する場面はほぼ皆無です。そのため、以前のようにサーバーの存在価値が薄れてきました。このような状況で発生したのがファンの経年劣化。ベアリングなどから異音が発生するようになり、気になるようになりました。もちろんThinkPadですから、パーツのアッセンブリ交換を行えば済む話ですが、電話をしてFAXを送るという作業が面倒に感じてしまい、ついつい後回し。

同コンピューターはIntel Core 2 Duoと数世代前のCPUを搭載していますので、マシンパワー的にも乏しく、Hyper-Vを実行するサーバーとしては不向きです。もちろん安価になった物理メモリも大量に搭載できませんので、久しぶりにデスクトップ型コンピューターでサーバーマシンを一台組もうかと思いました。しかし、ここで現れる次の選択肢がOSです。

既にDebian GNU/Linuxは別の仮想マシン上で稼働中していますので、役割を踏まえますとWindows Server以外の選択肢はありません。また、Windows Serverをインストールするのであれば、Hyper-Vで遊びたいのでWindows Server 2012 Standardを選択することになりますが、リモートデスクトップサービスに接続するには、CAL(クライアントアクセスライセンス)が必要。数人程度で使用するサーバーにCALの別途購入はちょっとした負担となります。

その一方でWindows Server 2012 Essentialsという選択肢も残されていますが、前述のHyper-VやServerコアモードは未サポート。いっそのことワークサーバーの運用を取りやめ、原稿はローカルディスクとNASサーバーのバックアップで運用するのが一番安価で簡単なような気がしてきます。SMB 2.2による恩恵もギガビットイーサネット環境では少ないため、本稿を執筆しながら、すべてのファイルをメインコンピューターにコピーし、ワークサーバーは引退させることにしました。

長年重要なファイルは共有フォルダー上に置き、各コンピューターから参照できるようにしてきましたが、ノート型コンピューターの使用頻度低下や、タブレット型コンピューターの増加、オンラインストレージの利便性も向上しています。このような状況であれば、従来の作業スタイルにこだわるよりも柔軟に変化させた方が全体の作業効率も向上するのかもしれません。

さて、Windows 8ではタブレット型コンピューターでの動作を快適にするため、チャームと呼ばれる新しいバーが用意されました。同機能を実際に使ってみるとそれなりに便利ですが、気になるのはマウス操作時にマウスポインターがディスプレイの右上隅(もしくは右下隅)に移動すると現れてしまう点。そこで今週は、同機能を生かしたままチャームの呼び出しを無効にするチューニングをお届けします。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\ImmersiveShell\EdgeUIキーを開きます(ない場合は作成します)。
3. DWORD値「DisableCharmsHint」を作成します。
DWORD値「DisableCharmsHint」を開いて値のデータを「1」に変更し、<OK>ボタンをクリックします。
5. [F5]キーを押してからレジストリエディターを終了します。

これでチューニングが終了しました(図01~08)。

図01 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「reedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図02 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\ImmersiveShellまでキーをたどって開きます

図03 ImmersiveShellキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図04 キー名を「新しいキー #1」から「EdgeUI」に変更します

図05 EdgeUIキーを開き、右ペインの何もないところを右クリック。メニューから<新規>→<DWORD値>とクリックします

図06 値名を「新しい値 #1」から「DisableCharmsHint」に変更します

図07 DWORD値「DisableCharmsHint」をダブルクリックし、値のデータを「1」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図08 操作を終えたら[F5]キーを押して変更内容を反映させてから、<×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させます

それでは結果を確認してみましょう。普段と同じようにマウスポインターをディスプレイの右上隅(もしくは右下隅)に移動させてください。チューニング前はチャームバーが現れましたが、チューニング後は何ら反応することはありません。これでマウス操作時に意図せずチャームバーが現れてしまう問題を解決することができます(図09~10)。

図09 こちらはチューニング前の状態。マウスポインターを右上隅に移動させますと、チャームバーが現れます

図10 こちらがチューニング後の状態。マウスポインターを同じ場所に移動させても、チャームバーは現れません

なお、この状態でチャームバーや検索チャームなどを呼び出す場合はショートカットキーをお使いください。例えば[Win]+[C]キーを押せばチャームバーが現れ、[Win]+[Q]キーで検索チャームが開きます。チャームバーに関するショートカットキーは図12にまとめましたのでご覧ください。なお、チューニング前の状態に戻す場合は、DWORD値「DisableCharmsHint」のデータ値を「0」に変更するか、同DWORD値自体を削除します(図11~12)。

図11 [Win]+[C]キーを押しますと、チャームバーが現れます

図12 チャームバーで使用できるショートカットキー

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus