Windows 8.1マシンの共有フォルダーにアクセスしたものの、フォルダー内のファイルを編集できないといったケースに出くわすことがある。これは共有フォルダーの「アクセス許可」設定が適切に行われていないからだ。アクセス許可のキホンと設定方法を紹介する。

共有フォルダーの「アクセス許可」を確認する

Windows 8.1で共有フォルダーを利用する上で、意識しなければならないのが「アクセス許可」である。Windows OSは、ファイルやフォルダーなどに対してアクセス制御リスト(ACL)を保持し、一定のセキュリティレベルを維持してきた。

共有設定を行ったフォルダーを右クリック/長押しし、メニューの「プロパティ」をクリック/タップする

「共有」タブ→「詳細な共有」ボタンと続けてクリック/タップすると開くダイアログの「アクセス許可」ボタンをクリック/タップする

「Everyone」グループをクリック/タップで選択した状態。「読み取り」の「許可」にのみチェックが入っている

例えば上図に示したダイアログでは、「Everyone」グループが存在し、アクセス許可設定を確認できる。Everyoneグループはすべてのユーザーを含み、共有フォルダーに対して「読み取り」のみ許可を与えている。通常の操作で共有フォルダーを作成した場合、Everyoneグループのみ設定が付加する仕組みだ。

ここで覚えておきたいのが、共有フォルダーを利用しているセッションやファイルの確認方法である。管理コンソールの「共有フォルダー(fsmgmt.msc)」を起動して、実行したPCに接続しているユーザーを確認してみよう。

「Win」+「R」キーを押すなどして「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「fsmgmt.msc」と入力して、「OK」ボタンをクリック/タップする

コンソールツリーの「セッション」をクリック/タップすると、現在のセッションが確認できる

上図の場合、「コンピューター名『eve』のユーザー『kaz』がセッションを張っている」ことが確認できる。さらに下図は「開いているファイル」を開いた状態だが、dirコマンドを実行することでフォルダーに対する参照が発生し、さらに共有フォルダー内のファイル「test.txt」を参照したため、同じように列挙した状態だ。いずれのモードも「読み取り」になっている点に注目してほしい。

コンソールツリーの「開いているファイル」をクリック/タップすると、参照中のファイルを確認できる

アクセス許可の設定でファイル保存を可能にする

このように、共有フォルダーにはユーザー/グループごとにアクセス許可が存在し、その設定に応じて動作は変化する。そこで特定のアカウントに「フルコントロール権」(読み書きを自由に行える)を与える操作を紹介しよう。

「~アクセス許可」ダイアログの「追加」ボタンをクリック/タップし、テキストボックスに「コンピューター名\ユーザー名」を入力してから「名前の確認」ボタンをクリック/タップ。正しく認識されたら「OK」ボタンをクリック/タップする

今追加したユーザーに対して「フルコントロール」の「許可」をクリック/タップ。これですべての項目にチェックが入るので、そのまま「OK」ボタンをクリック/タップしてダイアログを閉じる

上図のとおり「ユーザーまたはグループの選択」ダイアログからユーザーを追加し、アクセス許可設定を変更するだけだ。このとき、Everyoneグループにある「読み取り」のチェックボックスをオフに変更して、同グループに対するアクセス許可を取り除いておこう。

さらに先の手順で行ったセッションを切断するための操作も必要となる。こちらは「共有フォルダー」の「セッション」に並んだセッションのコンテキストメニューから、「セッションを閉じる」を選択すればよい。

今度は先の「共有フォルダー」のセッションを右クリック/長押しし、メニューの「セッションを閉じる」をクリック/タップする

確認をうながすメッセージが現れたら、「はい」ボタンをクリック/タップしてセッション切断を実行する

この操作を終えてから再び共有フォルダーにアクセスすると、今度はファイルのオープンモードが「読み取り」から「書き込みと読み取り」に変化し、ファイルの編集や保存が可能になる。

この状態で別PCから共有フォルダー内のファイルを開くと、「開いているファイル」のモードが変化する

阿久津良和(Cactus)