第20回で共有フォルダーへのアクセス問題を解決するTipsを紹介したが、少しフォローアップしたい。

メインPCのWindows 11で職場または学校アカウントを追加し、Azure AD MDMに登録したところ、同じ現象が発生したのだ。ローカルアカウント→Microsoftアカウントの切り替えで、再びアクセスを確認したが、しばらくすると他のPCからアクセスできなくなっている。

  • 共有フォルダーへアクセス失敗時に記録されたイベント

上図はアクセス失敗時のイベントだが、「アカウントドメイン」がコンピューター名から「MicrosoftAccount」に切り替わっている。イベントIDなどから検索したところ、こちらの公式ドキュメントにたどり着いた。エラー情報の0xC000006Dは、ユーザー名または認証情報が合致しないことを示し、サブステータスの0xC000006Aは、パスワードミスを意味している。

つまり「Microsoftアカウントを用いて共有フォルダーにアクセスしたが、資格情報に記録したパスワードは『ローカルアカウントのパスワード』なので失敗」したようだ。この状況下では以下の手順で共有フォルダーに再アクセス可能になる。

  • 共有フォルダーにアクセスすると、資格情報の再入力を求められる。アカウントはローカルアカウント名のまま、Microsoftアカウントのパスワードを入力。「資格情報を記憶する」にチェックを入れてから「OK」をクリック/タップする

  • 共有リソースの切断をうながされるが、気にせず「OK」をクリック/タップしてエラーメッセージを閉じる

  • スタートメニューのユーザーアイコン→「サインアウト」と順にクリック/タップして、Windows 11に再サインインする

上記手順で不可解なのがエラーメッセージの「同じユーザーによる、サーバーまたは共有リソースへの複数のユーザ名での接続は許可されません。サーバーまたは共有リソースへの以前の接続をすべて切断してから、再試行してください」である。

共有フォルダーがあるデスクトップPCでセッション状態を確認しても問題はなし(「コンピューターの管理」→「共有フォルダー」→「セッション」で確認可能)。クライアント側も確認したが、セッションを張っている形跡もない。再サインインでも問題が解消しない場合は、資格情報の削除などを試してみるとよい。

  • クライアント側の接続状態

なお、共有フォルダー側は既存の「Everyone」を削除してから、自身のMicrosoftアカウントを登録しているが、異なるMicrosoftアカウントやローカルアカウントでサインインしているPCからのアクセスも、パスワード情報を更新すれば問題はないようである。

  • 共有フォルダーの状態