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アイコンやフォルダー名の情報を格納するファイルだが削除OK

Windows 10でシステムファイルの表示を有効にすると、各所に「desktop.ini」というファイルが現れる。これはWindows 9x時代から用意されており、フォルダーの表示形式などを記述するためのファイルだ。

基本的にはフォルダーの外観と動作を制御することを目的にしているが、システムファイルを表示しない設定だと確認できない。その場合、「フォルダーオプション」ダイアログの「表示」タブ、「保護されたオペレーティングシステムファイルを表示しない」のチェックを外し、「OK」→「はい」と順にボタンをクリック/タップする。

デスクトップにもある「desktop.ini」。半透明で描かれるのはシステムファイルだから

例えば、ドキュメントフォルダーのdesktop.iniは、下図に示したように「[.ShellClassInfo]」セクションで「LocalizedResourceName」「IconResource」「IconFile」「IconIndex」の4つを定義している。

ドキュメントフォルダーの「desktop.ini」。フォルダー名やアイコンに関する情報を保持している

LocalizedResourceNameはフォルダー名だ。ドキュメントフォルダーの正しい名前は「Documents」だが、LocalizedResourceNameで参照する文字列を用いることで、「ドキュメント」と表示している。この仕組みによって、言語パックによる多言語化を実現しているわけだ。

(1)IconResource、(2)IconFile、(3)IconIndexは、似た機能のように見えるが、(2)IconFileと(3)IconIndexは下位互換性のために残されている。(2)IconFileは表示するアイコンを格納しているファイルを指し、(3)IconIndexはアイコンの番号を示す(アイコンファイルの中で順番にアイコンが並んでいるため)。一方、(1)IconResourceは、MFCの仕様変更に伴って加わったWindows Vista以降の機能だ。が、(2)IconFileと(3)IconIndexの機能を備えた参照方法だと考えればよい。

ほかにも、マウスポインタを重ねるとバルーンチップを表示する「InfoTip」や、「[LocalizedFileNames]」セクションにてフォルダー内のファイルに対して別名を指定する「LocalizedResourceName」もある。

このdesktop.iniは、通常のフォルダーにも作られることがある。フォルダーのプロパティダイアログ「カスタマイズ」タブで設定を変更すると、その内容がdesktop.iniに保存されるからだ。中身の「[ViewState]」セクションは、フォルダーの表示形式となる「FolderType」以外は、正直筆者も分からない。「Vid」はGUIDを指定することで表示形式を指定できたが、Windows 10では動作を確認できなかった。

フォルダーのプロパティダイアログに並ぶ「カスタマイズ」タブでカスタマイズを実行すると、desktop.iniが生成される

こちらがその内容。「[ViewState]」セクションで表示形式などを格納している

日本語ではなくフォルダーの英語表記を有効にする

dektop.iniは、基本的に削除しても構わない。削除すると、日本語表示や特定のアイコンではなく、通常のフォルダーアイコンに置き換わる。

この動作を利用すると、アイコンはそのままにして、日本語表記だけを無効にすることが可能だ。前述した「LocalizedResourceName」を削除するだけだが、不安な場合は文字列の先頭にセミコロン(;)を追加してもよい。

各フォルダー上のdesktop.iniファイルを「メモ帳」などで開き、「LocalizedResourceName」を削除して保存する

一つの効用として、エクスプローラーを起動してピクチャーフォルダーにアクセスする場合、日本語の場合は「ピ」と入力しなければならないが、「P」キーを押すだけで同フォルダーが選択可能になるため、操作性が向上する。

こちらはチューニング前の「PC」を選択した状態。お手元のWindows 10 PCと同じはずだ

desktop.iniの変更を終えてからWindows 10に再サインインすると、各フォルダーの名称が英語表記に変わる

この変更内容は、特定の更新プログラムや大型アップデートを適用したときには破棄されるため、必要に応じて再び同じ操作を実行しよう。

阿久津良和(Cactus)