Mac OS Xの魅力の1つに、Windows用ソフトを動かすための環境が充実している点がある。このメリットによりWindowsからスイッチしたというユーザも多いのではないだろうか。1つはAppleが提供するBootcamp、もう1つはParallels DesktopやVMWare Fusionといった仮想化ソフトウェアを使う方法がある。
そして第3の手段としてWindowsのバイナリをそのまま実行するというものがある。これにはオープンソースソフトウェアであるWineの恩恵が大きい。そのWineを基に開発を行い、実用性を高めたソフトウェアが「CrossOver Mac 7 Pro」だ。
名称 | CrossOver Mac 7 Pro |
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バージョン | 7 |
動作環境 | Mac OS X 10.4.4以上(Intel CPUのみ) |
ジャンル | ユーティリティ |
開発者/販売 | CodeWeavers / ネットジャパン |
種別 | パッケージ |
ライセンス | オリジナル |
価格 | 11,550円(ダウンロード版は8,400円) |
CrossOver Mac 7 Proを使うと、WindowsバイナリのインストーラをMac OS X上でそのまま実行できるようになる。そしてインストールを完了すると、Windows用ソフトをMac OS Xネイティブのアプリケーションのように扱えるようになる。Windows向けのソフトウェアということを意識することはない。
Win32 APIの全てがサポートしているわけではないので、あるソフトが動作するかどうかは実行してみないと分からないという問題はある。だが商用製品だけあって、日本語のサポートや対応アプリケーションが充実している点が心強い。
たとえばCrossOver Mac 7 Proでは、Adobe Photoshop 6~CS2、IBM ホームページビルダー、一太郎、Internet Explorer、Microsoft Office 97~2007、Microsoft Visio、Windows Media Player 9など数多くのソフトが動作可能なものとして登録されている。Windowsからのスイッチャーにとってオフィススイートが動くか否かは大きな問題なので、その実績は大きな利点になるだろう。
また、正式にサポートしていないWindows用ソフトであってもインストール可能なものもあり、大きな問題はないように思える。同種のソフトとして、WineをMac OS X上で使いやすくするユーティリティ「MikuInstaller」もあるが、こちらではエラーが出てしまったソフトもCrossOver Mac Proでは問題なく動作した。動作しないのはネットワークやプリンタのドライバ、あるいはスクリーンショットユーティリティなど、特殊な機能を使っているものなどになるようだ。
先に挙げたように、どのようなWindows用ソフトでも動作するわけではないため、二の足を踏んでしまうのが残念ではある。だが、仮想化ソフトを使うのに比べると動作が速く、Windowsのライセンスが不要という利点もある。日本での販売を行っているネットジャパンが体験版を配布しているので、興味のある方はまずそちらからチェックしてみよう。