ちょっと息抜きしたいとき、ついTwitterを眺めてしまう私ですが、もっぱらiPhoneのアプリを使っています。URLをペーストするときには、OS Xに切り替えますけどね。つらつら眺めるのにちょうどいいOS X用クライアントが見つかればいいのですけれど。
さて、今回は「Nドライブエクスプローラー」について。大容量のオンラインストレージのOS X版クライアントがついに公開されたのだ。iCloudもいいけど、iDiskがなくなるのは……と考えるOS Xユーザには興味深いトピックだろう。
Yet Anotherなオンラインストレージ
今秋登場予定のiCloudに期待するOS Xユーザは多いはず。しかし一方では、オンラインストレージ「iDisk」が来年6月には終了されるなど、これまでとは勝手が異なる部分がある。iCloudはMobileMeの一部機能を引き継ぐが、スケールもコンセプトも異なるサービスなのだから、それもある意味当然だ。
しかし、Finderから気軽にアクセスできるオンラインストレージは、これからも押さえておきたい。画像や動画など容量のかさばるファイルの受け渡し場所として、あるいはバックアップ先として、使途自由な領域がオンラインにあるとなにかと便利だ。
編集者との原稿の受け渡しにiDiskを利用してきた筆者も、そろそろ適当な引越し先を……と考えてはいたが、なかなか頃合いのサービスが見つからない。そこにNドライブエクスプローラーのOS X対応版(β)が公開、そして容量が10GBから30GBへ3倍増、50MB以上のファイルは合計1GBまでという制限を撤廃、さらに1ファイルあたりの上限が200MBから4GBにアップといううれしいお知らせも。完全移行は先の話として、選択肢に挙げていいサービスであることは確かだろう。
OS X版Nドライブエクスプローラーのしくみ
このNドライブエクスプローラー、いわゆるアーリーアダプターというか新しもの好きには寂しいお知らせがある。Lionで使おうとしても、ログイン開始時に「内部エラーが発生しました」とメッセージが現れるだけで先へ進めないのだ。Lion対応版がリリースされるまでは、Snow Leopard以前のユーザしか利用できない。
原因はMacFUSEがLionに未対応なことにあるのかと考えたが、そうではないらしい。NドライブエクスプローラーにはMacFUSEが同梱されているので、これをLionに対応しているTuxera版MacFUSE 2.2に置き換えてみたのだが、ログイン画面から先へ進めない状況に変わりはなかった。
Snow Leopard上でのテストへ進む前に、OS X版Nドライブエクスプローラーのしくみをかんたんに説明しておこう。対応するプラットフォームはWindowsとOS X(β)、iOSの3種類。プロトコルはWebDAVベースなため、Webブラウザからアクセスすることもできる。
ユーザランドで動作するファイルシステムドライバを提供していることも特徴的だ。Windows版では「Dokan Library」、OS X版では「MacFUSE」(参考:噂の「MacFUSE」を試す(1))で動作し、それぞれOSのファイルブラウザから直接利用できる。しくみはともかく、iDiskライクに使えることは、多くのユーザに支持されることだろう。
iDisk代わりに使えそう
Snow Leopardでは、Nドライブエクスプローラーはあっけないほど簡単に動作した。ログイン画面にあらかじめNAVERのサイトで取得しておいたユーザID(メールアドレス)とパスワードを入力し、認証されれば30GBのオンラインストレージがFinderに現れる。
気になるファイル転送速度だが、比較的良好な印象を受けた。筆者がテストした無線LAN環境(IEEE 802.11n、実効速度約36.7Mbps)では、約10MBのファイルをアップロードするまでに約10秒と、同条件で試したiDisk(約14秒)を上回った。フォルダを開くときのレスポンスも、ダブルクリックから数秒待たされる感のあるiDiskより軽快な印象だ。もっとも、試した時刻(日本時間の15時から16時)におけるネットワークの状態が良好だったこともあるだろうし、ユーザ数が急増したときの対応なども加味すれば、あくまで現時点における結果だともいえる。
とはいえ、Finderからファイルを直接読み書きでき、iOSデバイスともファイル共有できるというのは、かなり高得点だ。Lionで使えないことは痛手だが、OS X版Nドライブエクスプローラーの公開がLionのリリースから約2週間という事情を考慮すれば、やむなしといえる。実際に試してみても、じゅうぶんに「Yet AnotherなiDisk」として使えると感じたが、いかがだろう。