9月25日未明、macOS(Mac OS X)15回目のメジャーアップデートとなる「Mojave」がリリースされた。デスクトップ上に散乱したファイルを一瞬で整理する「スタック」、ウインドウ枠まで暗い色調で表示できる「ダークモード」など、目を引く新機能が多数用意されているが、前バージョンのHigh Sierraを最後に姿を消した機能も少なくない。今回は当コラムらしく(?)、Mojaveで現れた機能ではなく去った機能を振り返ってみたい。

グラブ

スクリーンショットを作成するアプリ「グラブ(Grab.app)」が姿を消した。ソースコードは非公開のため、コードベースが保たれているかどうかは不明だが、このGrab.appという名称のアプリケーションは前身のNEXTSTEP/OPENSTEP以来一貫して存在し、スクリーンショットを撮る役割を果たしてきた。

デフォルトの画像フォーマットがTIFFであることなど、High Sierraの時点でも機能はNEXTSTEP当時とよく似ており、同名だが機能的に一新されている他の古参アプリ(ex. Preview.app、Mail.app)とは一線を画している。

そのグラブが姿を消した理由だが、Mojaveで「スクリーンショット(Screenshot.app)」が追加されたからであることは間違いない。時間差でスクリーンショットを作成するタイマー機能はもちろんのこと、動画キャプチャ機能、保存場所を変更するためのオプションも用意されており、機能的にはグラブの上位互換にあたる。NEXTSTEP以来のユーザとしては、長年お疲れさま、という気持ちだ。

  • High Sierraの「グラブ」で時間差スクリーンショットを撮るところ。Finderからキーボードショートカットで呼び出せるスクリーンショット機能ではできなかった芸当だ

  • Mojaveで登場した「スクリーンショット」の操作バー。キーボードショートカット(Command-SHIFT-5)で呼び出せる

iChatメニュー

最近macOSを使うようになったユーザは知らないだろうが、かつてmacOS(当時Mac OS X)には「iChat」というチャット用アプリ(インスタントメッセンジャー/IM)が存在した。名称は一時期「iChat AV」だったこともあるが、「AOL Instant Messenger」や「Yahoo! Messenger」といったチャットアプリのクライアントとして使える互換性を備え、Bonjourを利用したローカルネットワークでのチャットにも使えた点では一貫していたと記憶している。

iChatはMountain Lionのとき「メッセージ」に衣替えされ、以降iChatの名称は表舞台から姿を消したが、システムフォルダの奥深く(/System/Library/CoreServices/Menu Extras)には「iChat.menu」という"名残り"があった。この書類をダブルクリックすると、iChatを彷彿とさせる(Bonjourベースの)ローカルネットワーク用チャット機能のステータス情報をメニューエクストラから確認できるようになる仕組みだ。

折しもMojaveの「メッセージ」アプリ環境設定パネルから「デフォルトのIMアプリケーション」項目が消えた。iMessageの登場により有名無実化していたローカルネットワーク用チャット機能を廃止し、iMessage/FaceTimeクライアントとしての役割に徹しようということだろう。

  • High Sierraで「iChat.menu」をメニューエクストラへ追加したところ。iChatと同様にチャットのステータスを確認できる

  • Mojaveの「メッセージ」アプリで環境設定パネルを表示したところ。「デフォルトのIMアプリケーション」項目が消えている

DVDプレーヤー

正確にいえば、macOSから消えたわけではなく、システムフォルダの奥深く(/System/Library/CoreServices/Applications)へ引っ越したのだが、機能的に大幅グレードダウンしているため敢えてピックアップしたのが「DVDプレーヤー」。名前のとおり、DVD(DVD-Videoタイトル)を再生するためのアプリだ。

Macが光学ドライブを搭載しなくなって久しいが、いまなおソフトウェアでのサポートは続いている。USB接続光学ドライブのほとんどは標準のドライバで認識されるうえ、DVD-ROMおよびBD-ROMで採用されているファイルシステム「UDF」もサポートされているため、サードパーティーから発売されているUSB接続光学ドライブをつなぐだけでDVD/BDを読み書きできる。

Mojaveでも「DVDプレーヤー」アプリを利用してDVD-Videoの再生が可能だが、DVDプレーヤーを起動したとき自動的にフルスクリーンモードにするかどうか、ディスクがセットされたとき再生を開始するかどうか、といったオプションを設定するための環境設定パネルが消えた。DVDタイトルをセットすれば自動的に「DVDプレーヤー」が起動され、再生が始まるが、再生アプリとしての使い勝手を左右する機能は消えている。本格的に使うのであればサードパーティー製再生アプリを導入せよという意味だろうが、OSレベルでのDVD再生機能はHigh Sierraで役割を終えた、筆者はそう認識している。

  • Mojaveの「DVDプレーヤー」。アプリケーションフォルダからは姿を消したが、DVDタイトルをセットすれば自動的に起動される

  • High Sierraの「DVDプレーヤー」の環境設定パネル。Mojave版では取り去られている