「IrfanView 日本語版」ver.4.00

デジカメで撮影した思い出の写真やWebで見つけたお気に入りの画像など、PC上で画像ファイルを表示して楽しんでいる人も多いことでしょう。

Windows XPにも、標準機能として「画像と FAX ビューア」というソフトが搭載されています。シンプルかつ使い勝手も悪くないソフトですが、対応する画像形式が比較的少ないことや、スライドショーの設定が変更できないこと、フォトレタッチ系の機能が弱いことなど、細かなところで不便さ感じることがあります。

そんな時にオススメしたいのが、今回紹介する「IrfanView」です。もともとオーストリアで生まれた画像ビューワーですが、その機能の豊富さから日本でも普及しているソフトです。有志により日本語化されたものも用意されており、日本語のメニューで快適に扱えます。

名称 IrfanView( IrfanView32 日本語版 )
バージョン 4.00
作者 irfan skiljan(日本語版作成 楠本拓矢)
種別 フリーウェア
動作環境 Windows 95 / 98 / Me / 2000 / XP / Vista

動画や音声ファイルの再生にも対応した多機能画像ビューワー

標準で30種類近いファイル形式に対応しており、WAVE形式やMPEG形式など音声ファイルや動画ファイルの再生にも対応する。音声や動画ファイル再生時には、画面下部にプレイヤーコントロール部が表示される仕組みだ

「IrfanView」は、動画や音声も扱える多機能画像ビューワーです。JPEGやBMPといった一般的な画像ファイルを表示できるのはもちろん、フォトCDや「Photoshop」(PSD)形式の画像ファイルなど、標準で30種類近いファイル形式に対応しているのが特長です。

この中には、WAVやMIDIといった音声ファイルや、MPEGやWMVといった動画ファイルも含まれています。また公式サイトで配布されているプラグインを導入すれば、80種類以上の膨大なファイル形式に対応させることも可能です。本ソフトさえ入れておけば、見慣れない形式の画像や音声ファイルでも内容を確認できるのでとても便利です。

さらに本ソフトには、画像に関するさまざまな機能が搭載されています。「IrfanView」を使うとどんなことができるのか、代表的な機能を見ていきましょう。

簡単操作で楽々画像閲覧

フォルダ内のファイルを[Space]キーと[BackSpace]キーで次々と表示できる他、マウス右クリックによる手のひら型カーソルを使い、画面をつかむ感覚で自在にスクロールが可能だ

本ソフトを起動するとウィンドウが表示されるので、開きたいファイルをドラッグ & ドロップするだけで、簡単に表示・再生できます。

関連付け設定を行えば、目的のファイルをダブルクリックするだけで、素早くファイルを開けるようになります。また、画像サイズに合わせて自動的にウィンドウサイズが変わるので、常に最適なサイズで画像を表示可能です。

ちなみに標準の設定では、画像サイズが画面サイズより大きい場合は、画像の一部しか表示されませんが、マウスを右クリックしながら画面をドラッグすることで、画像を手でつかむ感じで自由にスクロールできます。

複数の画像ファイルを次々表示

フォルダツリー表示付きのサムネイル表示画面。フォルダ内の画像を素早くチェックしたり、複数ファイルに対してファイル操作を行うのに便利なモードだ

表示中の画像と同じフォルダに複数の画像があった場合、画像を開き直さなくても、[Space]キーと[BackSpace]キーを押すだけで、ページをめくるような感覚で次々と画像を表示できます。

また、[ファイル]メニューの[サムネイル]を選択すると、フォルダツリー表示付きの画面が開き、各フォルダの中にある画像をサムネイルと呼ばれる縮小画像で表示して、内容をひと目で確認可能です。

[Enter]キーの一発でフルスクリーン表示可能

画像表示中に[Enter]キーを押すことで、フルスクリーン表示も可能だ。再度[Enter]キーを押すことで、フルスクリーン表示を終了できる

「IrfanView」なら、画面全体を使って画像を表示するのも簡単です。画像表示中に、[Enter]キーを押せば、即フルスクリーン表示に切り替わります。

フルスクリーン表示では、画面サイズに合わせて自動的に拡大・縮小されるので、サイズの大きな画像全体を見たい時になどにも便利です。

フルスクリーン表示から抜けるには、再度[Enter]キーを押せばOKです。

大量の画像を分類、整理するのに便利なファイル操作機能

大量の画像を分類、整理するにも「InfanView」は便利です。たとえば、ファイルの移動やコピーでは、複数のフォルダをあらかじめ登録しておき、登録番号のボタンを押すだけで、保存先を指定できます。

また、サムネイル画面と組み合わせれば、縮小表示を見ながら複数のファイルを選択して、目的のフォルダにまとめてコピーするといった使いこなしが可能です。さらに、一括変換機能を利用して、複数のファイルの画像形式やファイル名を一度に変換もできます。

本ソフトのファイル操作画面では、保存先となるフォルダをあらかじめ登録しておき、登録番号のボタンをクリックするだけで、素早く保存場所を選択できる

一括変換機能を利用すれば、複数ファイルのファイル名や画像形式などを一括して変換可能だ。連番ファイルに日付を追加したりといった作業を簡単に行える

多彩な設定が可能なスライドショー機能

本ソフトのスライドショー機能はさまざまな設定変更が行える他、作成したスライドショー設定は、スクリーンセイバーとして書き出すことも可能だ

本ソフトは、複数の画像ファイルを一定時間ごとに次々と切り替えて表示する、スライドショーにも対応しています。

再生の一時停止や画像送り程度しかできないWindows標準機能と違って、本ソフトでは表示時間を秒単位で指定したり、表示順をランダムにするなど、多彩な設定が可能です。

MP3ファイルによるBGM再生にも対応する他、作成したスライドショーをスクリーンセイバーとして保存する機能まで用意されています。

各種エフェクトも利用可能なレタッチ機能

画面回転やリサイズ、色調補正などのレタッチ機能が充実しているのも特長。赤目補正やグレイスケール変換、セピア調フィルタなど豊富な機能が用意されている

デジカメ画像の色調補正やグレイスケール変換、回転・リサイズに文字入れといった簡易フォトレタッチ機能が充実しているのも、本ソフトの特徴です。マウスの左クリックで範囲を選択すれば、選択範囲だけを対象にモザイクなどの各種フィルタをかけることも可能です。

本格的なフォトレタッチ専用ソフトにはかないませんが、一通りの機能は揃っていますから、写真の見栄えをちょっとだけよくしたいといった用途には十分な威力を発揮します。

画像に関することならこれ1本におまかせのオールインワンが魅力

「InfanView」の持つ機能を駆け足で紹介してきましたが、本ソフトはこの他にも、実にさまざまな機能を搭載しています。デジカメ画像のExif情報の表示やこれを活用した検索機能に、画面キャプチャーの撮影、表示画像の壁紙指定など、数え上げたらきりがありません。まさに、画像に関することならこれ1本ですべて解決してしまうほどの多機能ぶりを誇るといえるでしょう。

対応ファイル形式の多彩さも含め、画像ファイルを日常的に扱うなら、ぜひインストールしておきたいソフトといえるでしょう。