パナソニックの歴史的製品を見ることができる大阪府門真市のパナソニックミュージアム ものづくりイズム館が、2025年12月26日で閉館した。パナソニックミュージアムは、「松下幸之助歴史館」と「ものづくりイズム館」で構成しており、2026年1月5日からは、「松下幸之助歴史館」だけの単独運営となっている。パナソニックグループの歴的的製品を一堂に見る機会は、しばらくなくなってしまいそうだ。閉館直前の12月下旬に「ものづくりイズム館」を訪れてみた。
(前編、中編、後編に分けて記事をお届けします)
パナソニックの歴史、ものづくりの歴史
パナソニックミュージアムは、創業50周年を記念して、1968年3月7日に開館した「松下電器歴史館」を前身としており、2018年に、パナソニックグループの創業100周年を記念して「パナソニックミュージアム」をオープン。新たに建設した建物を、松下幸之助氏の生き方や考え方を伝承する「松下幸之助歴史館」とし、従来からの建物を、「ものづくりイズム館」としてリニューアルオープンした経緯があった。
「ものづくりイズム館」では、「ものづくりに情熱を注いできたパナソニックグループの先人たちのスピリッツを伝える場」として、約550点の歴代製品を展示してきた。また、年に数回の企画展示も実施し、常設展示とあわせて、パナソニックグループの幹部や社員のほか、海外政府要人や国内外企業の経営トップ、地域住民を中心とした一般に広く公開され、無料で入場できた。
だが、「ものづくりイズム館」の建物は、建設から57年を経過しており、老朽化の課題があったため、2018年のオープン時点から、時期は明確にはしないものの、期間限定の展示施設と位置づけていた。
建物は修繕を重ねながら運営してきたが、2024年5月に、建物内に雨漏りが発生したほか、瓦や外壁の老朽化などが見られたため、2024年7月以降、維持管理の観点から、閉館の検討を開始し、2024年9月頃に、閉館することを内部で決定。2025年8月に正式に公表していた。
12月26日を閉館日としたのは、閉館後の撤去作業などを鑑みたもので、閉館後の跡地の利用については現段階では未定としている。
閉館にあわせた企画展として、「ものづくりイズム館 閉館感謝企画パネル展 開館から57年の軌跡」を開催し、歴史館の開設当時からの写真を紹介したほか、2018年以降に、「ものづくりイズム館」として実施してきた数々の企画展のパネル展示なども行った。
なお、パナソニックグループは1万人の人員削減を発表するなど、大規模な構造改革を実施しているが、今回の「ものづくりイズム館」の閉館は、これらの取り組みとは異なるものだとしている。
「ものづくりイズム館」の閉館に伴い、「パナソニックミュージアム」は、2026年1月5日以降、「松下幸之助歴史館」の単独運営となった。また、隣接する「さくら広場」は「パナソニックミュージアム」の構成から外れるが、パナソニック ホールディングスが引き続き運営することになる。
さらに、旧歴史館時代から「ものづくりイズム館」に設置されていた1970年の大阪万博で展示したタイムカプセル本体は、パナソニックミュージアム敷地内に移設し、来場者引き続き見ることができるようになる。
また、これまで「ものづくりイズム館」に展示していた約550点の歴史商品は、閉館後は本社に移設し、パナソニックグループ社員向けの研修や事業活動などに活用する予定だという。
これまでのように、パナソニックグループの歴史的な製品に、一般ユーザーが、気軽に触れることができる場がなくなるのは残念だ。
それでは、閉館直前に訪れたパナソニックミュージアム「ものづくりイズム館」の様子を、数多くの写真で振り返ってみよう。
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2025年12月26日に閉館したパナソニックミュージアム「ものづくりイズム館」。第3次本店を模して造られた
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屋根に取り付けられた舵輪は、当時の本店にもつけられていた。針路を定める本店の使命を象徴したという
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1953年に発売したナショナル5球ジェムスーパー「DX-350」。真野善一氏のデザインによるものだ
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高級家具のようなデザインが特徴のアンサンブルステレオ「飛鳥」(1964年発売)と、プラスチックによる成形の幕開けとなったシリンダー型電気掃除機「MC-1000C」(1965年発売)
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腕に巻き付けて、ねじるとチューナー部分が現れるデザインを採用したラジオ「パナペットクルン」。1971年の発売
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1973年に発売したラジオ「クーガ」。16cm大口径スピーカーによりダイナミックさを強調したデザインが特徴だ
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展示エリアである「マスターピースギャラリー」への入口。左側には1964年のライフ誌の取材の際に行われた創業者が製品に囲まれた撮影シーンの写真を掲示
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マスターピースギャラリーの様子。6つのエリアにわけて製品を展示している
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カセットICの名称で人気を集めた超小型テープレコーダー「ミニカセットRQ-210」。1968年に発売
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長薄型ラジオ「ペッパー」。薄さ12.7mmを実現し、Yシャツのポケットに入れることができた。1977年の発売
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ポータブルCDプレーヤー「CDer SL-XP5」。新開発の両面非球面一体成型ガラスを採用。1987年に発売した
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世界で初めて手ブレ補正機能を搭載したコンパクトデジカメ「DMC-FX5」。2003年に発売した
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1960年にパナソニックが発売した電気自動皿洗機「MR-500」。強力ポンプを使用した回転噴射方式により、食器の油や米粒も洗浄できた
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1台で電子レンジ、オーブン、グリルの機能を持つ「エレック&オーブン NE-8500」。1978年に発売した
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日本初の電磁誘導加熱採用のIHジャー炊飯器「にっぽん炊き SR-IH18」。1988年に発売
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パナソニック初のホームベーカリー「SD-BT2」。材料をセットするだけで、自動でパンづくりを行う。「炊飯器以来の発明です」がキャッチフレーズだった。1987年に発売
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世界初のオールメタル加熱方式を採用した家庭用IHクッキングヒーター「KZ-321MS」。多層鍋や銅鍋、アルミ鍋の使用が可能になった。2002年の発売
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1977年に発売した2ドア冷蔵庫。食品のまとめ買いに対応してフリーザーを大型化した。製品名は「ちょっと大きめ花束」というユニークなものだった
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世界初となる自動吸引、排出技術による「フィルターお掃除ロボット」を搭載したルームエアコン「CS-E255A」。10年間、お手入れが不要であることを訴求した。2005年に発売
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三洋電機が1968年に発売した世界初のカセット集塵方式を採用した掃除機「太郎 SC-3000」。手を汚さずに簡単にゴミを捨てることができた
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1927年に発売したスーパーアイロン。パナソニック初の電気アイロンで、他社製品に比べて3割以上安く製造したという
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電気アイロンの広告。当時は木箱に入って販売されていた。重いアイロンが収納できるようにするための工夫。利用者の声を聞いて改良したという
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日本初のコードレススチームアイロン「Se・Pa・Re(セパレ) NI-S2000L」。発売は1988年
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光触媒コーティング外装材「光セラ」。光触媒の力で汚れを分解して、雨で洗い流すことができる壁材。2002年に発売した





















































