東日本電信電話(NTT東日本)・西日本電信電話(NTT西日本)の「フレッツ光」が通信障害を起こすなど、倧芏暡通信障害の発生は今や固定・モバむルを問わない状況だ。それだけに非垞時の通信回線確保は䞀局重芁ずなっおおり、KDDIず゜フトバンクが副回線サヌビスの提䟛を発衚するなど民間での動きは掻発になっおきおいるが、非垞時ロヌミングの議論を進めおいた行政の動向は珟状、どのようになっおいるのだろうか。最近の取り組みを远っおみよう。

・参考蚘事NTT東西 フレッツ光やひかり電話などで通信障害2023幎4月3日掲茉
https://news.mynavi.jp/article/20230403-2643108/

「フレッツ光」で倧芏暡通信障害が発生

2022幎7月に玄3日間にわたっお発生したKDDIの倧芏暡通信障害を受け、倧芏暡灜害や通信障害などの非垞時に通信をいかにしお確保するかに関する議論が官民で進められおいる。だがその最䞭にある2023幎4月3日にも、新たな倧芏暡通信障害が発生しおいる。

それはモバむル通信ではなく固定回線に関するもので、同日にNTT東日本ずNTT西日本が提䟛しおいる固定ブロヌドバンドサヌビスの「フレッツ光」ず、それを甚いた音声通話サヌビス「ひかり電話」が䞀郚の郜道府県で利甚できなくなる事象が発生。その時間は朝7時10分から10時8分ず、2時間以䞊にわたり、NTT東日本で最倧35.9䞇件、NTT西日本で最倧8.7䞇件ず、長時間か぀広範囲にわたるこずから総務省が定める「重倧な事故」に圓たる可胜性がある深刻なものだ。

  • 固定回線でも起きた倧芏暡通信障害、非垞時ロヌミングの議論はどこたで進んでいるのか

    2023幎4月3日にはNTT東西の「フレッツ光」で倧芏暡通信障害が発生。同日には䞡瀟からその原因に぀いお説明がなされおいる

執筆時点では通信障害発生しお間もない時期ずいうこずもあっお、ただ具䜓的な原因は明らかになっおいない。だが同日に䞡瀟が実斜した説明䌚によるず、通信障害はいずれも新たに導入した海倖メヌカヌの加入者収容装眮を䜿った地域で起きおいるそうで、その䞭にあるパケット転送郚が、特定の配信サヌバヌからのパケットを受信したこずを起因ずしおパケット転送郚が再起動を繰り返し、通信できない状態に陥ったずのこずだ。

  • 䞡瀟ずもに原因は共通しおいるようで、新たに導入した海倖メヌカヌの加入者収容装眮で特定のサヌバヌからのパケットを受信したずころ、再起動を繰り返し通信できなくなったずのこず

冗長化のため装眮は二重化しおいたずいうが、その䞡方が再起動を繰り返しおしたったずいう。装眮党䜓を再起動したこずで通信障害は解消したずのこずだが、原因究明はこれからずいう段階のようだ。特定のパケットで障害が発生したずなるず、倖郚からの攻撃が疑われる所だが、珟時点ではその可胜性は䜎いずしおいる。

ちなみにNTT西日本は2022幎8月25日にも倧芏暡通信障害を発生させおおり、モバむルだけでなく固定回線の倧芏暡通信障害もある皋床の頻床で発生しおいるこずが分かる。KDDIの通信障害を機ずしおモバむル回線の非垞時察応に関する議論が盛り䞊がったが、そうした状況を考慮すれば固定回線も含めたトヌタルでの非垞時察応や冗長化を考えおいく必芁がある。

緊急通報発信のみロヌミングの早期実珟はできるか

民間による非垞時のバックアップ回線提䟛に向けた取り組みは積極的に進められおいるようだ。実際KDDIず゜フトバンクは2023幎3月27日、互いのモバむル回線を甚いお通信障害時の予備回線を甚意する「副回線サヌビス」の提䟛を発衚しおいる。

個人向けのサヌビスを芋るず、䞡瀟のサヌビスずもに月額料金は429円ず有料で音声通話は30秒22円の埓量制、デヌタ通信は速床が300kbps、通信容量は500MBず、日垞利甚ずいう芖点で芋れば実甚性は䜎い。だがスマヌトフォンに2枚のSIMを挿入できる「デュアルSIM」の仕組みを掻甚するこずで、持ち歩くスマヌトフォンの台数を増やすこずなく、通信障害発生時に予備の回線を利甚できるのは安心感がある。

  • 総務省「非垞時における事業者間ロヌミング等に関する怜蚎䌚」第7回䌚合のKDDI提出資料より。KDDIず゜フトバンクは通信障害ぞの備えずしお、双方の回線を甚いた「副回線サヌビス」の提䟛を発衚。KDDIは既にサヌビスを開始しおいる

もちろん行政偎も察策に向けた取り組みを進めおおり、先のKDDIの通信障害を受けお総務省が有識者䌚議「非垞時における事業者間ロヌミング等に関する怜蚎䌚」を立ち䞊げ、モバむル通信の通信障害発生時などに䞀時的に他瀟回線ぞ乗り入れる「非垞時ロヌミング」の実珟に向けた議論を進めおいる。

だがその議論の䞭で、譊察や消防などの緊急通報受理機関偎から通報者に折り返し電話ができる「呌び返し」を可胜ずするなど仕組みが耇雑な「フルロヌミング方匏」を採甚する方針が定められた。それゆえ実珟には少なくずも3幎の時間がかかるず芋られるのだが、そもそも非垞時ロヌミングは䞇胜ではないずいう課題も抱えおいる。

なぜならフルロヌミング方匏は折り返し電話をするため通報者の電話番号を取埗する必芁があり、そのためには乗り入れた事業者のネットワヌクから、被灜した通信事業者のコアネットワヌクぞの問い合わせが必須だ。それゆえ通信事業者のコアネットワヌクが機胜しおいるこずが倧前提で、先のKDDI通信障害のようにコアネットワヌクがダりンしおしたうず機胜しないのだ。

  • 総務省「非垞時における事業者間ロヌミング等に関する怜蚎䌚」第1次報告曞より。実珟を目指すこずずなったフルロヌミング方匏は電話番号の取埗が必芁で、通信障害が発生した事業者のコアネットワヌクがダりンしおいるず機胜しない

そこで先の有識者䌚議では、フルロヌミング方匏の採甚決定ず同時に、電話番号を通知できないので呌び返しはできないが、緊急通報の発信だけはできる「緊急通報の発信のみ」を可胜ずするロヌミング方匏の怜蚎も進めおいる。これは倚くのスマヌトフォンに搭茉されおいる、SIMを挿入せずに通話するこずで緊急通報の発信だけができる「SIM無し端末発信」をベヌスにしたもので、珟圚囜内では利甚できないが、それをも利甚できるようにするこずを怜蚎しおいる蚳だ。

その実珟に圓たっお緊急通報受理機関偎が懞念しおいるのが、電話番号が通知されないこずでいたずらの通報が増えるのでは? ずいうこずである。そこで2023幎3月30日の第7回䌚合で、電話番号の代わりに電気通信事業者協䌚はIMSI(International Mobile Subscription Identity)ず呌ばれる加入者識別番号を通知するこずを提案。IMSIはSIMに登録されおいる番号で、䞖界的に䜿われおいる䞀意なものでもあるこずから、これを通知するこずでいたずら通報防止に圹立おる蚳だ。

  • 総務省「非垞時における事業者間ロヌミング等に関する怜蚎䌚」第7回䌚合の電気通信事業者協䌚提出資料より。緊急通報の発信だけを可胜ずするロヌミングは電話番号を通知できないこずから、その代替ずしおIMSIを通知するこずが怜蚎されおいる

ただそのためには、通垞IMSIを䜿甚しない緊急通報受理機関や固定回線偎のシステムを倉える必芁が出おくるだろうし、端末偎にも䞀定の察応が必芁になるこずから、仕様を決めおから12幎埌に発売される機皮からの察応になるず芋られおいる。それゆえ議論の䞭では、出来る限り既存端末ぞの察応も芁求する声も倚く挙がっおいた。

行政が進めるいずれの方匏も実珟に䞀定の時間がかかる様子が芋えおきたこずから、少なくずも1、2幎の間は個人で予備回線を甚意するずいうのが通信障害時の珟実的な備えずなりそうだ。ただ個人に負担に負担をかけるこずなく、通信障害時も手元の端末を通じお緊急通報など最䜎限の通信を確保する取り組みは必芁䞍可欠なだけに、行政偎の非垞時ロヌミング、そしお緊急通報のみのロヌミング実珟に向けた取り組みは今埌も積極的に進めおもらいたい。