今回のテーマは「銀座ホステスが1セット4,000円の安キャバで出会った“痛客”」です。
東京で緊急事態宣言が発令されたり、やっと緊急事態宣言が解除されたと思ったら、今度はまん防(まん延防止等重点措置)をやるとかやらないとかで、なかなか銀座に出勤できなかった頃、西武池袋線沿線にある1セット4,000円の激安キャバクラにこっそり在籍していました。
当然ですが銀座のクラブとはお客様の層がまるっきり違います。
銀座のクラブというのは基本的には一見さんはお断り。会員制のお店が大半で、お金も信用もどちらもある方しか遊べません。
一方、1セット4,000円の安キャバですが治安はそれなりに悪いです。お金や信用どころか、定職さえなくても遊べてしまいますから。
そのような方々から4,000円もいただくのです。4,000円はまさに今日、明日をしのぐ大切なお金。支払う側にとっては、その対価として得られるものに対する期待値は当然高くなります。
詳しく解説します。
キャバ嬢にガチ恋してしまうお客様とは
痛い客、通称“痛客”ですが、一般的には「言動が痛々しいお客様」のことを指します。痛々しい言動には、
- キャストのドリンク代をケチる(キャバ嬢の「1杯頂いて良いですか? 」に「NO」と答えるなど)
- キャストの身体に無理矢理触れる
- 店外デートばかり要求する
- 思い通りにならないと暴言をはく&暴れる
などのマナー違反や迷惑行為が思い当たりますが、この他に「キャストにガチ恋する」も痛々しい言動に含まれると思います。
キャストにガチ恋してしまうお客様、いわゆるガチ恋客ですが銀座のクラブよりも1セット4,000円の安キャバに圧倒的に多い。
例えば同じ1万円でも、お財布に100万円入っている方にとっての1万円と、お財布に2万円しか入っていない方にとっての1万円では重みが異なりますよね。
当然ですが後者の男性の方がガチ恋客になりやすい。なにが何でも思いを遂げようと一生懸命に女性を口説き、食い下がります。
そもそもキャバクラという業態がガチ恋客を生みやすい
キャバクラで遊んでいると、遊び慣れているつもりの男性でもついうっかりお気に入りの女の子のために一生懸命になってしまうものなのかもしれません。
クラブとキャバクラのシステムの違いに触れながら、キャバクラがガチ恋客を生んでしまう理由について解説します。
指名制度の違い「クラブ編」
クラブとキャバクラでは指名制度が異なります。
まず、クラブは永久指名制です。1度指名ホステスを決めたら、よほどのことが無い限りは、基本的には指名替えはできません。
なぜなら、クラブには「つけ飲み」という支払制度があるからです。つけ飲みとは、その日の飲食代を後日払いにすることです。つけ飲みのお客様はその場で料金を支払わず、1か月後などにまとめてお支払いになります。
クラブは接待で利用されることも多い場。接待する相手の前でお財布を広げることを「不粋」と捉える方もいらっしゃるため、このような支払い方法が採用されています。
つけ飲みは担当ホステスとお客様の間に信頼関係があってはじめて成り立つもの。クラブに永久指名制という指名制度があるのはこのような理由からです。
では、1度A子さんを指名した男性は、他のホステスと遊べないかというと、そんなことはありません。
どなたと同伴しようと、どなたにシャンパンをご馳走しようと、その日の飲食代、つまりは売上は担当ホステスであるA子さんのものです。お客様がどなたを応援しようと、A子さんは痛くもかゆくもありません。
したがって、お客様は複数人のホステスを同時に応援することができます。
指名制度の違い「キャバクラ編」
一方、キャバクラの指名制度はもう少し複雑。
キャバクラではその場で気に入ったキャストを指名することを「場内指名」と呼び、2回目以降の来店時に特定のキャストを指名することを「本指名」と呼びます。
そして、キャバクラではこの「本指名」のキャストをコロコロと変えること、つまり指名替えが認められています。
お客様は「先週から指名して口説いていたA子ちゃんにフラれちゃったから、今日はB子ちゃんを指名しよう」ということができてしまいます。
当然、その日A子さんの売上になるはずだったものは、B子さんのものになってしまいます。そうなるとキャストたちも必死です。売上を逃したくないため、恋の駆け引きや戦略も洗練されていきます。
好きな女の子から「私だけを見て」「浮気しないでよね」「私にはあなたしかいないの」と迫られれば、鼻の下が伸びてしまうのがおじさんというもの。
このような事情から、キャバクラはガチ恋客を生みやすい傾向にあります。
接客スタイルの違い「クラブ編」
クラブでは1人のお客様を、複数人のホステスが接客します。
ドラマなどで1人のおじさんを5、6人のホステスが囲んで「かんぱーい!」とやっているシーンをイメージしていただくとわかりやすいと思います。
同じクラブでも比較的安価なお店ですと、そこまで駒(ホステス)を揃えられないので、1人のおじさんを5、6人のホステスが囲む、なんていうことはなかなかできませんが、高級店にはそれなりに駒が揃っています。
ハーレム気分を楽しみたい方には高級クラブで遊ぶことをおすすめしたいです。
接客スタイルの違い「キャバクラ編」
一方、キャバクラの接客は基本的には一対一です。
1人のおじさんを1人のキャストがマンツーマンで接客します。
例えばフリーのお客様(指名嬢がまだいないお客様)のお席には、だいたい15分から20分ごとにキャストが入れ替わり立ち替わりつきます。
そこで気に入ったキャストが見つかり、次回の来店以降にその女の子を指名すると「本指名」となるわけです。このように、特定のキャストを応援し、特定のキャストとの関係を深めていくのがキャバクラ。
こういった背景からも、キャバクラではガチ恋客が生まれやすい傾向があります。
――みずえちゃんが実際に出会った痛客とは......!?