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【答え】「ボルボ」(VOLVO)
答えは「ボルボ」(VOLVO)です。
スウェーデンのボルボは、1927年に最初の乗用車を発売しました。そのための試作車を開発しているとき、道路を外れて立ち木に衝突する事故が起きました。それが、クルマを販売するうえで現実に起こりえることであると認識したボルボは、「クルマは、人によって運転され使用される。したがって、ボルボの設計の基本は常に安全でなければならない」との考えを貫いた新車開発を今日まで続けることになります。
クルマの安全性を高める技術として、今では世界中のクルマが標準装備している「3点式シートベルト」を編み出したのがボルボです。この技術を世界へ広めるため、ボルボは特許を公開し、技術の無償提供を行いました。写真のクルマは、世界で初めて3点式シートベルトを搭載した「PV544」というモデルです。
後ろ向きのチャイルドシートを生み出したのもボルボでした。開発に当たっては、宇宙ロケットの打ち上げの様子を手掛かりにしたそうです。ロケットに乗る飛行士たちが、背中を下にして着座している姿にヒントがあったんですね。交通事故の内訳としては正面衝突の比率が最も高いことから、その衝撃を、まだ体が十分に定まっていない赤ちゃんが、背中で受け止める方がよいと考えたわけです。
さらに、クルマに乗る幼児の安全性を高める装備として、座席の嵩をあげるブースタークッションも編み出します。幼児の背丈だと3点式シートベルトの肩ベルトが首に触れてしまうため、着座位置を高くして、正しく装着できるようにする仕組みです。この装備は、当初からクルマの後席に組み込んでおくインテグレーテッド・ブースタークッションに発展していきます。
衝突した際の車体の衝撃吸収構造は、ドイツのメルセデス・ベンツも早くから取り入れていました。
そうしたなかでボルボは、正面衝突だけでなく、側面衝突や後ろからの追突に対しても乗員を守るための構造や装備に力を注いでいます。そもそもクルマが衝突しないよう、ドアミラーに後続車の有無を知らせる表示機能「ブラインド・スポット・インフォメーション」を付け始めたのもボルボです。
ボルボの歴史は、クルマの安全進化の歴史ともいえます。
とはいえ、ボルボに乗っていれば怪我をしないというのは間違った認識で、正しい運転姿勢や3点式シートベルトの前後席での着用という、運転者や乗員の準備が欠かせません。
それでは、次回をお楽しみに!