タワラ、ムチ
歳を重ねるにつれ、人として重みが増す……はずが、ふと気付けば増したのは物理的な重みばかり。3LDKの一部屋を仕事場にしているため、一歩も外に出ない日も珍しくなく、意識しなければカロリー消費量は一向に伸びない。節制し仕事に励めば励むほど不摂生となり、我が身に脂肪としてのしかかるという悪循環。このタワラと化した体に、いよいよムチ打たねばならぬ時節が到来した。
またポケットピカチュウ(歩数計)を腰にぶら下げ散歩するかとも考えたが、ここしばらく行方不明なため却下。発見できたところで、継続して管理できなければ元の木阿弥になりかねない。なにか適当なKOMONOはと物色していたところ、体重計で有名なタニタの「からだカルテ」はいかがと担当編集H氏から連絡あり、渡りに船とばかり飛びついた次第。
「からだカルテ」で使う体組成計「BC-501」 |
内臓脂肪レベルもすぐに分かる |
始めたその日が「カラダ記念日」
「からだカルテ」は、体組成計や万歩計などの測定機器を利用したオンラインサービス。メニューには「スタンダード」と「アドバンスト」の2つが用意され、スタンダードは体組成計 / 歩数計 / リレーキー(後述)の3点セットで月額1,200円。アドバンストは、スタンダードの3点セットに血圧計が加わり月額1,800円。機器は24カ月契約で提供、入会金は2,000円だ。なお、本項執筆時点ではWebサイト上からクレジットカード決済のみ可能なため、店頭で衝動買いはできない。
セットに含まれる体組成計(BC-501)は、体重計としての機能のほか、体脂肪率や内臓脂肪レベル、筋肉量などを測定できる優れモノ。測定時の面倒はほとんどなく、一般的な体重計と同様、上に乗るだけでOK。
これだけ見れば一般的な体脂肪体重計と変わらないが、目玉は「リレーキー」との連携プレー。測定された体重や体脂肪率などのデータは、赤外線通信によってリレーキーへと転送、USB経由でPCに取り込まれる仕組み。リレーキーに記録可能なデータ量は、測定回数が1日1回として600日分、ズボラ人間にも優しい仕様となっている。
このリレーキーは、歩数計のデータを取り込む役割も果たす、言うなればからだカルテというサービスにおける"つなぎ"的存在のデバイスだ。付属のソフト(RelayKey)をインストールしておけば、USBポートに差し込むだけでからだカルテのサイトにデータが転送されるため、メンテナンスフリー。対応するOSがWindows 2000 / XPのみ(本項執筆時点ではVista非対応)、マスストレージデバイスではないためファイルブラウザを利用したデータ取得が不能という制約はあるが、この2点さえクリアできれば家電感覚で使えるはずだ。
缶チューハイ二本で太ってしまっていいの
「からだカルテ」のテストは、延べ6日間に及んだ。外出らしい外出は4月14日に家族と銀座へ行った程度、残り5日間はコンビニへと2回買い物に出かけたほかは、ほぼ家の中。テストだからそれなりの運動量を見せねばという当初の意気込みはどこへやら、普段どおりの不健康な数値となってしまった。歩数不足を補おうと、腕立て伏せと腹筋を50回ずつこなしたものの、まったくといっていいほど数値には反映されていない。実に無念なり。
筆者の思いはともかく、リレーキーから自動的に取り込まれたデータが「健康グラフ日記」として直ちにグラフ化されるのはうれしい。歩数は棒グラフ、体重と体脂肪は折れ線グラフと、項目の性格に適したグラフ形式が選択されているほか、グラフの表示期間も1日から10年の範囲で指定できるなど、気が利いている。
一日に摂取したエネルギー量を管理したいのならば、「食事分析 & アドバイス」サービスに含まれる「ワンデーチェック」機能を利用したい。サーバには相当な数のメニューが登録されているので、分量を指定するだけでカロリーの概算値を求めることができる。ビールや缶チューハイといった既製品は、銘柄 / 量ごとにカロリーが登録されている芸の細かさだ。
筆者がテストした時点では試すことができなかったが、間もなく提供開始される「歩数ゲーム」は気になる存在。日々の歩数を登録し、からだカルテの参加メンバー間で競争するとのことなので、やる気も湧いてくるはず。タニタは「からだカルテ」サービスの拡充に意欲的で、今年夏にはコミュニティ化を、秋には新機能とポイントサービスを導入予定とのこと。健康維持のためにも連載とは関係なく続けようか、と目下思案中だ。
○TANITA 「からだカルテ」 |
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